知
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炭治郎は俺にそっと近づいた。炭治郎からは優しくて穏やかな音がしていて、俺に話を聞きたがっているのがよく伝わってきた。
でも、俺の後ろにいる舞智華ちゃんは、さっき伊之助に斬りかかられたからか、まだどこか怯えた音がしていて、鬼らしくなく、カタカタと小刻みに震えていた。
「炭治郎、ちょっと待ってくれ。」
近寄ってくる炭治郎にそう言うと、俺は舞智華ちゃんの方を向いて、彼女の両手をそっと握った。
「善逸さん…?」
「舞智華ちゃん、ごめんね。俺のせいで怖い思いをさせて。もう大丈夫だよ。」
「…私は鬼ですから、鬼狩りの方に首を取られるのは至極当然の流れです。」
「そんなこと言わないで。舞智華ちゃんのことは俺が守るよ、必ず。」
「どうしてですか…?私は鬼なのに。人を襲うかもしれないのに。」
「舞智華ちゃんは他の鬼とは違う。現に、今まで俺を襲ったことなんて一度もないじゃない。」
俺がそう言うと、舞智華ちゃんは藤色の瞳に涙を溜めて、震えた小さな声で言った。
「ありがとう…善逸さん…。私…あなたに会えて幸せです…。」
え、やめてよそんな言い方。今生の別れみたいな空気になってるじゃない。まだまだこれからでしょ、俺と舞智華ちゃんとが一緒に過ごすの。なんだったらまだそんなに始まってもないし。
「善逸、そろそろいいか?」
すっかり忘れてた!俺、炭治郎が話しかけようとしてたの、止めてたんでしたね!ごめんなさいね!
俺と舞智華ちゃんの様子を見ていた炭治郎からはちょっと戸惑いの音が聞こえてきているけど、気にしないことにした。俺は、万が一のことを考えて、舞智華ちゃんと手を繋いだ。
「ぜ…善逸さん?!」
「俺は舞智華ちゃんは逃げないって信じてるけど、こうしてないと伊之助に疑われるから。嫌かもしれないけど、ちょっとだけ我慢してて。」
「はい…。」
そういう舞智華ちゃんからは、とっても恥ずかしそうな音がしていた。
「待たせて悪かったな、炭治郎。何が聞きたかったんだ?」
「毎晩、屋敷を抜けて来ていたのはここだな?」
「ああ、そうだ。」
「それで、その子に会ってたんだな?」
「ああ。」
「想い合ってるんだな?」
「おう。」
俺がそう返事をすると、後ろからまた恥ずかしそうな音がした。今すぐにでも抱き締めてしまいたいぐらいかわいい。でも、目の前にはものすごく真剣な顔の炭治郎がいるから、とてもじゃないけどそんなことできないから我慢した。
「聞きたいことはそれだけか?」
「善逸に聞きたいことは、もうない。あとはその子に聞きたい。」
「え?」
「善逸は終わりだ。舞智華…だったか?」
「俺の大事な子を気安く呼ぶなよ。」
「…善逸は黙っててくれ。」
鼓の屋敷に向かっている道中で、俺が女の子に求婚していたのを最初に止めた時のような顔をして、炭治郎は俺に言った。ちょっと怒ってる音がしたから、「…はい。」と言って、俺は静かに2人の会話を聞くことにした。ちょっと不服だけど。
「舞智華に聞きたいことはたくさんあるけど…」
「はい。」
「舞智華から微かに藤の花の匂いがするのはどうしてなんだろう?」
炭治郎の問いかけに一瞬、その場の時が止まった気がした。
でも、俺の後ろにいる舞智華ちゃんは、さっき伊之助に斬りかかられたからか、まだどこか怯えた音がしていて、鬼らしくなく、カタカタと小刻みに震えていた。
「炭治郎、ちょっと待ってくれ。」
近寄ってくる炭治郎にそう言うと、俺は舞智華ちゃんの方を向いて、彼女の両手をそっと握った。
「善逸さん…?」
「舞智華ちゃん、ごめんね。俺のせいで怖い思いをさせて。もう大丈夫だよ。」
「…私は鬼ですから、鬼狩りの方に首を取られるのは至極当然の流れです。」
「そんなこと言わないで。舞智華ちゃんのことは俺が守るよ、必ず。」
「どうしてですか…?私は鬼なのに。人を襲うかもしれないのに。」
「舞智華ちゃんは他の鬼とは違う。現に、今まで俺を襲ったことなんて一度もないじゃない。」
俺がそう言うと、舞智華ちゃんは藤色の瞳に涙を溜めて、震えた小さな声で言った。
「ありがとう…善逸さん…。私…あなたに会えて幸せです…。」
え、やめてよそんな言い方。今生の別れみたいな空気になってるじゃない。まだまだこれからでしょ、俺と舞智華ちゃんとが一緒に過ごすの。なんだったらまだそんなに始まってもないし。
「善逸、そろそろいいか?」
すっかり忘れてた!俺、炭治郎が話しかけようとしてたの、止めてたんでしたね!ごめんなさいね!
俺と舞智華ちゃんの様子を見ていた炭治郎からはちょっと戸惑いの音が聞こえてきているけど、気にしないことにした。俺は、万が一のことを考えて、舞智華ちゃんと手を繋いだ。
「ぜ…善逸さん?!」
「俺は舞智華ちゃんは逃げないって信じてるけど、こうしてないと伊之助に疑われるから。嫌かもしれないけど、ちょっとだけ我慢してて。」
「はい…。」
そういう舞智華ちゃんからは、とっても恥ずかしそうな音がしていた。
「待たせて悪かったな、炭治郎。何が聞きたかったんだ?」
「毎晩、屋敷を抜けて来ていたのはここだな?」
「ああ、そうだ。」
「それで、その子に会ってたんだな?」
「ああ。」
「想い合ってるんだな?」
「おう。」
俺がそう返事をすると、後ろからまた恥ずかしそうな音がした。今すぐにでも抱き締めてしまいたいぐらいかわいい。でも、目の前にはものすごく真剣な顔の炭治郎がいるから、とてもじゃないけどそんなことできないから我慢した。
「聞きたいことはそれだけか?」
「善逸に聞きたいことは、もうない。あとはその子に聞きたい。」
「え?」
「善逸は終わりだ。舞智華…だったか?」
「俺の大事な子を気安く呼ぶなよ。」
「…善逸は黙っててくれ。」
鼓の屋敷に向かっている道中で、俺が女の子に求婚していたのを最初に止めた時のような顔をして、炭治郎は俺に言った。ちょっと怒ってる音がしたから、「…はい。」と言って、俺は静かに2人の会話を聞くことにした。ちょっと不服だけど。
「舞智華に聞きたいことはたくさんあるけど…」
「はい。」
「舞智華から微かに藤の花の匂いがするのはどうしてなんだろう?」
炭治郎の問いかけに一瞬、その場の時が止まった気がした。