知
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月明かりの下、ひっそりと俺は歩いていた。
でも、俺じゃない足音が2つ、距離を取ってはいるものの背後からしっかり聞こえていて、それが誰のものなのかもすぐにわかった。
ああ、もう誤魔化せない。
ここで後ろを振り向いて2人がこれ以上ついて来ないようにすることもできるけど、それをすれば確実に、俺が鬼殺隊としてしてはいけない事をしているのが明らかになる。だったらもう、あの場所まで気づかないフリをして歩き続けて、2人を舞智華ちゃんに会わせるしかない。
ごめんね舞智華ちゃん。
間違いなく怖い思いをさせるけど、絶対に俺が守るよ。
だから安心して。
きっと、伊之助は舞智華ちゃんの首に斬りかかる。だってあいつ、初めて会ったとき、禰󠄀豆子ちゃんが入った箱ごと禰󠄀豆子ちゃんを切ろうとしていた野生児なんだもの。俺、あいつにボコボコにされたし。
炭治郎はすぐにはそうしないだろうけど、状況の判断に時間がかかると思う。でも…ひょっとしたら…炭治郎なら、俺の気持ちを理解してくれるんじゃないかって、淡い期待をしてしまう。
そんなことを考えているうちに、いつもの林に着いた。かさっと木の葉が擦れる音がして、上の方の木の枝の間から舞智華ちゃんが顔を出した。
「こんばんは、善逸さん。」
「こんばんは、舞智華ちゃん。」
軽く挨拶をすると、彼女は下に降りてきた。
「あっ、舞智華ちゃん!上にいて…!」
そう言った時はもう遅かった。俺の横をとんでもない速さで伊之助が駆け抜けていき、舞智華ちゃんの首に斬りかかった。舞智華ちゃんはすごく小さな悲鳴をあげた。
俺はその声を聞いて、自分でも気がつかないうちに抜刀して、伊之助の2本の日輪刀が重なり合うところに、俺の刀を押し当てて、舞智華ちゃんを守っていた。
「舞智華ちゃん、大丈夫?!怪我してない?!」
「善逸さん…!大丈夫です…。」
「紋壱!お前何してんだ!そいつは鬼だろうが!」
「そうだよ!そうなんだけど…!」
「だったら頸を落とすまで…!」
「ダメだ!舞智華ちゃんだけはダメだ!」
俺と伊之助の日輪刀がぶつかり合って軋んでいる。俺の後ろにいる舞智華ちゃんからは、少し怯えた音がしていた。
その様子を炭治郎は何も言わずに見ていたけど、視線は舞智華ちゃんに向けられていた。何か言いたそうな音がしていた。
「炭治郎!何か言いたいことがあるんだろ?!」
「善逸…。」
「言えよ!ちゃんと聞くから…!」
俺がそう言うと、炭治郎は一度だけ深く呼吸をして、気持ちを整えたようだった。
「伊之助、刀を下ろすんだ。」
「はあ?!目の前に鬼がいんだぞ!」
「わかってる。でも…善逸はその子を守ってる。」
「それがおかしいっつってんだろうがよ!」
「何か理由があるはずだ。善逸の話を聞こう、伊之助。」
「この女の鬼が逃げたらどうすんだ!」
「きっと大丈夫だ。善逸がそうならないようにしてくれる。それに、前にも言ったが、鬼殺隊員同士でやり合うのはご法度だ。」
「…はっ、勝手にしろ。」
炭治郎の説得を聞いて、伊之助は漸く刀を下ろし、不機嫌そうな顔をしながらどかっと胡座をかいた。
でも、俺じゃない足音が2つ、距離を取ってはいるものの背後からしっかり聞こえていて、それが誰のものなのかもすぐにわかった。
ああ、もう誤魔化せない。
ここで後ろを振り向いて2人がこれ以上ついて来ないようにすることもできるけど、それをすれば確実に、俺が鬼殺隊としてしてはいけない事をしているのが明らかになる。だったらもう、あの場所まで気づかないフリをして歩き続けて、2人を舞智華ちゃんに会わせるしかない。
ごめんね舞智華ちゃん。
間違いなく怖い思いをさせるけど、絶対に俺が守るよ。
だから安心して。
きっと、伊之助は舞智華ちゃんの首に斬りかかる。だってあいつ、初めて会ったとき、禰󠄀豆子ちゃんが入った箱ごと禰󠄀豆子ちゃんを切ろうとしていた野生児なんだもの。俺、あいつにボコボコにされたし。
炭治郎はすぐにはそうしないだろうけど、状況の判断に時間がかかると思う。でも…ひょっとしたら…炭治郎なら、俺の気持ちを理解してくれるんじゃないかって、淡い期待をしてしまう。
そんなことを考えているうちに、いつもの林に着いた。かさっと木の葉が擦れる音がして、上の方の木の枝の間から舞智華ちゃんが顔を出した。
「こんばんは、善逸さん。」
「こんばんは、舞智華ちゃん。」
軽く挨拶をすると、彼女は下に降りてきた。
「あっ、舞智華ちゃん!上にいて…!」
そう言った時はもう遅かった。俺の横をとんでもない速さで伊之助が駆け抜けていき、舞智華ちゃんの首に斬りかかった。舞智華ちゃんはすごく小さな悲鳴をあげた。
俺はその声を聞いて、自分でも気がつかないうちに抜刀して、伊之助の2本の日輪刀が重なり合うところに、俺の刀を押し当てて、舞智華ちゃんを守っていた。
「舞智華ちゃん、大丈夫?!怪我してない?!」
「善逸さん…!大丈夫です…。」
「紋壱!お前何してんだ!そいつは鬼だろうが!」
「そうだよ!そうなんだけど…!」
「だったら頸を落とすまで…!」
「ダメだ!舞智華ちゃんだけはダメだ!」
俺と伊之助の日輪刀がぶつかり合って軋んでいる。俺の後ろにいる舞智華ちゃんからは、少し怯えた音がしていた。
その様子を炭治郎は何も言わずに見ていたけど、視線は舞智華ちゃんに向けられていた。何か言いたそうな音がしていた。
「炭治郎!何か言いたいことがあるんだろ?!」
「善逸…。」
「言えよ!ちゃんと聞くから…!」
俺がそう言うと、炭治郎は一度だけ深く呼吸をして、気持ちを整えたようだった。
「伊之助、刀を下ろすんだ。」
「はあ?!目の前に鬼がいんだぞ!」
「わかってる。でも…善逸はその子を守ってる。」
「それがおかしいっつってんだろうがよ!」
「何か理由があるはずだ。善逸の話を聞こう、伊之助。」
「この女の鬼が逃げたらどうすんだ!」
「きっと大丈夫だ。善逸がそうならないようにしてくれる。それに、前にも言ったが、鬼殺隊員同士でやり合うのはご法度だ。」
「…はっ、勝手にしろ。」
炭治郎の説得を聞いて、伊之助は漸く刀を下ろし、不機嫌そうな顔をしながらどかっと胡座をかいた。