名前は外国風の名前になるのでカタカナ表記の方が読みやすいかと思います。
黒の軍
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黒の軍 黒の兵舎
私は、シリウスさんと一緒に馬にのって黒の兵舎までやってきた。
「大丈夫だったかい?お嬢ちゃん」
「はい…大丈夫です」
そうシリウスさんが聞きながら私を馬から降ろしてくれる
(なんか…お兄さんみたいな人だな)
そう思っていると、後ろから声がした
「「たっだいまー!!」」
「馬を休ませたら、全員執務室な。緊急会議を開く」
水色の髪と紫色の髪の男性が声をあげるとレイさんが冷静にいった。
「それじゃ、会議の合間につまめるもの、作って持ってく」
そういったのはとてもきれいな男性だった
(私と同じくらい…?)
「はいはーい!!私も手伝うわ!!」
「やーめーとーけ!セスはサラの部屋の仕度が適任じゃねーの?」
水色の髪の男性はセスと呼ばれ、言われた一言に
「やーん。フェンリル!たまにはイイコトいうじゃなーい☆」
(え?私の部屋???)
「日当たりのいい角部屋が開いてるから、そこで、サラいい?」
私が2人の発言に驚いていると、レイさんが聞いてきた
「う、うん。ありがとうございます、レイさん」
そうお礼を言うと
「俺らに敬語とかいらねえから。呼び捨てでいい」
「そーそー!実家だと思ってくつろげよ」
「アタシたちのことは家族だと思ってくれたら嬉しいわ♪」
「ごはんの美味しさは保証する」
(家族…)
つい先日家族を亡くしたばかりの私にはその言葉はとてもうれしかった
「ありがとう」
自分に科せられた境遇は大変だけども、私だけじゃなくフォーツカヤさんも同じだ。
それに・・・
(みんな親切だな)
緊迫した空気は搔き消え、明るい冗談が飛び変わっている。
私はさっきのやり取りを思い出した
『セントラル地区はいかなる場合でも戦争は禁止されている』
ブランさんの言葉が頭をよぎる
ブランさんが止めたということは、これから戦争が始まろうとしていたのかもしれない。
そう思うと、私はこれから大丈夫かと心配が大きくなり、足が門の前で止まってしまった。
私が門の前で止まっていると後ろから頭を誰かになでられた
「え…?」
驚いて振り向くとそこには
「ほら、一緒に帰るぞ。サラ」
シリウスさんがすぐ横にきていた。触れられている箇所から、ぬくもりが流れ込んでくる。
(一緒に帰る…)
「じきに夕食だ。ルカも言っていたが、食い物だけは期待していい」
そういいながら撫でるのをやめない。そのまま私の前に来て少しかがんで私と目線を合わせてこう告げた
「大丈夫だ、あんたの心配は俺たちがする。俺が守ってやる」
「シリウスさん…」
シリウスさんの言葉が胸にしみる。
「ゆっくりでいい。ゆっくり慣れな」
「はい…」
そういってくれるシリウスさんの目はとても優しくて私がさっきまで不安になっていたことを忘れさせてくれる。
「よし、じゃあ行くぞ。夕飯にはデザートもつくぞ」
「そうなんですか!?楽しみです」
シリウスさんはさりげなく私の背中を手で押し、誘導してくれる。
さりげなくやってくれる行動に私は思わず、シリウスさんの横顔を見てしまう
「どうした?何か顔についてるか?」
「え?…な、なんでもないです」
思わず、視線を外すが自分の頬は赤みを保ったままだ
「?…まぁ、なんでもいいが、ほら行くぞ。ほかの奴らが待っている」
「はい!!」
そういいながら私は皆がいる場所へシリウスさんと一緒に行った
その日の夜
「それじゃ、おやみすなさい」
「おやすみなさい、アリスちゃん」
「ゆっくり休めな」
私は夕食後、セスさんとシリウスさんが部屋の前まで送ってくれ、自室に戻ってきた。
セスさんが、昨日の今日で疲れているだろうと気を使ってくれた
(本当はシリウスさんが言ってくれたらしい…)
シリウスさんがセスさんに言ってくれたと小声で聞いた
(優しい人だな…シリウスさんも…黒の軍のみんなも
私みたいな見ず知らずの女によくしてくれるんだもん)
いろいろ考えていたが、やはり疲れていたのかベットに横たわるとふかふかのブランケットと、アイロンのバリっとかかったシーツの誘惑にあらがえず、うとうととしてきていつの間にか眠ってしまった
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まどろみの中、次第に視界が明るんでいく。するとそこにいたのは…
『お母さま!お父さま!』
『いい?サラ流れ星が落ちてきたら捕まえなさい』
『まだサラには早いんじゃないか?』
――――まって!!
『ふふっ、貴女はゆっくりこっちに来るのよ』
『急ぐもんじゃないからな』
――――お父さま!お母さま!!
叫んだ瞬間、足元が崩れ、いくつもの光景が脳裏に明滅する。
「まって!!!」
がばっと起き上がると、辺りは穏やかな闇に包まれていた。
あたりを見回して、今のが夢だと気づく。
額は汗に濡れているのに、ブランケットを掴む手は冷え切っている。
夢だと気づくのと同時に、まぎれもない現実に突き付けられる
(っ……)
まだ少ししか寝ていないのか、まだ夜の中である。
またこの夢をみたら…と思うと悲しくなってきて横になることもできない。
(誰でもいいから一緒にいてほしい…)
そう思った私は部屋をでて、明かりのついている部屋を探しに行った
「明かりがついている…?」
私が止まった場所は談話室兼食堂
おそるおそるドアを開けると、まだ軍の皆達は飲んだり話したりとにぎわっていた。
「…ん?」
そんな中私は――――――