名前は外国風の名前になるのでカタカナ表記の方が読みやすいかと思います。
運命は突然に
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私がフォーツカヤさんの後ろから様子を伺うと、赤の軍からとんでもない一言が聞こえた
「アリスが2人がいるとわかった以上、彼女らは満月の夜までどこで過ごすのですか??」
えっ?っと、思い声がしたほうを向くと、茶髪の温厚そうな男性がいた。
「だって、2人とも黒の軍に行ってしまったら不公平だとおもいませんか?1人でもこないほうにとっては不公平だというのに」
(…アリスってさっきバロンさんがいってた『科学の国』の住民の特権だっていってた。『科学の国』つまり私達がいた世界。つまりアリスは私達の事を指している)
そう考え込んでいると、オリヴァーが提案をした。
「アリスが2人迷い込んできた。2人をどちらかで暮らせるのは大変だし、アリスが原因で戦争がおきてほしくない。よって、アリスを赤の軍、黒の軍に各1名ずつ次の満月まで保護してもらうというのはどうだ?もちろんアリスには危害を加えない」
そう言い放った
「「え?」」
私達がその提案に固まっていると
「…いんじゃね?」
レイが了承すると、赤のキングも
「問題ない」
「だけど、どっちがどっちいくんだ?」
黒の軍にいる紫色の髪の男性が言う
「それはアリス達に決めてもらえばいんじゃないかしら?」
水色の髪の男性…?がいうと、両軍納得したのか、私達を見ている
「え…」
「ブランさん」
私達がブランさんに助けを求めると、申し訳なさそうに、
「ごめんね。か弱いアリス達。僕は書記官だから口出しができないんだ」
「そんな…」
「決まらないなら、俺が勝手に決めるからな」
そういってオリヴァーはコインを指ではじき手の甲に隠した。
「そうだな、これで赤の軍に行くほうを決めるとしよう。お前ら、裏か表か選べ」
「え…じゃぁ、裏」
「私は表で」
サラが裏、フォーツカヤが表を選んだ。
そして、オリヴァーが手をどけると
コインは表を出していた
「表…」
「じゃあ、私が赤の軍ね…サラ、またしばらく会えないかもしれないけども、元気でね。会える時に会いに行くから」
フォーツカヤがサラに別れを告げているとブランが私達に言った
「フォーツカヤ、サラ、君たちはクレイドルの戦いの中心人物になってしまったね。そして…君たちの安全が確保されたのはよかったけども、さらに深刻な問題ができたみたいだね」
そういうブランさんに私達は驚く
「えっ、この上さらに!?」
「何があったんですか!?」
「黒の軍も赤の軍も君たちの事興味深々みたいだしね…いつ誰と『不測の事態』が起こっても不思議はないな。もちろん僕らも例がじゃない」
『不測の事態』という言葉がひっかかり、2人して首をまげる
「不測の事態って、何ですか??」
「何か起きてはいけないことがあるんですか!?」
私達が聞くと、ブランさんは微笑んで告げる
「良いかい、フォーツカヤ、サラ。帰りたいなら、絶対にかかってはいけない魔法が一つある。
それは、この世で最強にして最古の魔法……恋だよ」
「恋…?」
「恋愛ってことですか…?」
「実際にはそんな魔法は存在しない。ものの例えだよ。でも……ただの比喩ってわけでもない。生きる世界の違う相手と恋に落ちれば、切ない結末が待っている。ともすると、『元の世界に帰りたい』という君たちの願い自体が打ち砕かれてしまうだろう。無事にかえりたいなら、くれぐれも注意するんだよ」
(この世界で私が、恋をする……?)
「私は恋なんてしません。平凡だけど幸福な世界に必ず帰ります」
サラが悩んでいると、フォーツカヤは即答で答えていた。
「その言葉を忘れずに、では――行っておいで、アリス達。次の満月まで君達の幸福を祈っているよ」
「それでは、アリス。こちらへ」
さきほどの茶髪の男性がフォーツカヤを手招きした。
「はい。じゃあね。サラ」
そういってフォーツカヤと一緒に赤の軍は西のほうへと去っていく。
それをずっと見ていると、ふと、赤のキングが足をとめ、私に視線を注ぐ
「アリス、すぐに会うことになるだろう…」
そう言い残して去っていった。
赤の軍とフォーツカヤが去り、今はオリヴァー、ブランさん、私、そして黒の軍が残っている。
私がどうしようかと悩んでいると、目の前までシリウスさんがやってきた。
「サラ、どうやらあんたらは科学の国からきた人間らしいな」
「はい…そうみたいです」
返事はするけどもシュン…としていると、
「心配しなくていい、黒の軍で預かることになったんだ。安心してくれ」
「…本当にいいの?こんな素性もわからない女…」
「何?サラは赤の軍が良かった?」
「そういうわけじゃないよ」
「じゃあ、大丈夫。1か月、オレ達がサラを守る」
シリウスさんとレイが言ってくれる言葉が胸にしみる
「ありがとう。お世話になります」
そう笑顔でお辞儀をすると
「よしっ!お前ら、この場で誓え!黒の軍の誇りにかけて、サラを守るぞ!!」
レイが言い放った直後、黒の軍が一斉に敬礼した
「「「「「”自由は黒き翼のもとに”」」」」
「”自由は黒き翼のもとに”」
黒の軍全員が言った後、レイが1人で言った。その直後、
「サラ、これでお前も今日から黒の軍のメンバーだ。楽しくやろうぜ?」
そう紫の髪の男性が言った
(こんな私を仲間として受け入れてくれるんだ…。フォーツカヤさんの事も気になるけども、私はこの人達の為に頑張ろう)
そう心に決め
「皆さん、ありがとうございます」
そうお礼を言ったのだ。
「これより、帰還する」
黒の軍は、赤の軍が去ったのと反対の方向へ進路を転じた。
私もシリウスさんに連れられ、一緒に行く。
この時――私は―――私達はまだ知らなかった。
魔法に包まれた不思議の国、クレイドルで、真っ逆さまに、運命の恋に落ちていくことを。
そして、私自身の本当のことが知ることになるなんて。
――――次の満月まであと30日。