名前は外国風の名前になるのでカタカナ表記の方が読みやすいかと思います。
私の疑問
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その日の夜
私は約1週間前におきた出来事について、シリウスさんに話を聞こうと思いシリウスさんの前の部屋まで来ていた。
約1週間前。私がフォーツカヤとブランさんたちとお茶会した日、赤の軍から黒の軍に声明が新聞で掲載された
『黒の軍に告ぐ。赤の軍にくだれ。さもなくば進軍する。
――――7日だけ猶予を与える』
私と…たぶんフォーツカヤはその日は知らなかった。お茶会から帰った後、騒がしい兵たちに聞いて教えてもらった。
(あの後、お仕事やナースの仕事とかでバタバタしちゃって、どうなったのかわかってないから…それにアルバムも見せてほしいし…)
そう思いながらシリウスさんの部屋のドアをあけようとしたその時
「きゃっ…!?」
突然、辺りが白く光り、まぶしさに目がくらみ、足がすくむ。
光がおさまり視界が開けると、私の隣には男の人が立っていた
「…君は……アリスか?」
目の前の男の人は私の事をアリスかと聞いてくる
(誰…?私の事を知ってるの…?)
赤い輝きを放っていた瞳が、光を消して色を変え、私を鋭く見据えた
「声を上げるな。今夜無事に眠りたいのなら」
「それは貴方が何者かによります…!!」
「……」
「貴方は黒の軍の人ではありませんよね?どなたですか?」
「…………………」
(夜中に忍び込むなんて…しかもいきなり現れた…!もしかしたら危ない人かもしれない!)
私は怖いという気持ちを押し殺して男の人をじっと睨んだ
その時
私たちの横にあるドアが音もたてずに開かれた
「妙な気配がすると思えば…。珍しい客だな」
「シリウスさん!」
私は声がするほうを向く。
「…………話がある。シリウス、時間は取らせない」
「とりあえず中に入れ、ハール。サラもだ。静かにな」
ハールと呼ばれた男性と私は静かにシリウスさんの部屋にはいった。
招き入れられたシリウスさんの私室は整理整頓が行き届いていた。
(ハールさんって言ってたな…シリウスさんの知り合いだったんだ)
ハールさんは閉まったドアの前から動かない
「まぁ、適当に座れ」
「いや、俺はすぐに帰る」
「茶ぐらい淹れさせろよ」
「長居はできない。お前もわかっているだろう」
「……まぁな」
「一言だけ、お前に伝えたいことがあってきた。機は熟した。俺は、赤の闇を暴く」
そうハールさんが告げると
「なんだと…?」
シリウスさんの表情が一気に険しくなった
(赤の闇?)
シリウスさんとハールさんが無言で視線を交し合う。重苦しいほどの緊迫が漂い、とてもじゃないけども間に割って入れない。
「話はそれだけだ。……それと、アリス」
「えっ…?何でしょう?」
いきなり私を呼ぶハールさんに驚きながら返事をする
「………………」
「…?」
深刻そうな顔をして黙ったままのハールさんに私とシリウスさんは顔を見合わせた
「……アリス。お前は決してあいつらの闇に入り込むなよ…お前の父親のように」
「え?私のお父さん…?」
ハールさんの口から出た言葉に驚く。
「どうして…?」
「……その首飾りはよく知っている。お前の父親を……科学の国に逃がしたのは俺を含め、数人だ」
その言葉に私とシリウスさんは驚きを隠せない。
「ちょっと待て、ハール。サラの父親はこっちの世界の住人なのか!?」
「…今はまだこれしか話せない。…サラ、お前は力を使うところを間違えないでくれ…」
「待て、ハール!」
そうハールさんがいうと、また瞳が赤く光り、光がシリウスさんの私室を包み、まぶしさが収まったときには、ハールさんの姿はかき消えていて
不気味なくらい静かになった部屋に私とシリウスさんだけが残された
「今の、魔法ですよね…?魔法石を使っているようには見えなかった…それに力の使い方って…?私の父の事も知っているようでしたし…」
静寂の中、私は混乱してしまって半ばパニック状態になってしまっていた。
「…っ。サラ、落ち着け」
「シリウスさ…」
シリウスさんが 私を抱きしめて背中をさすってくれる。そのぬくもりにすこしずつ落ち着きを戻した
「…ありがとうございました」
「いや、大丈夫だ」
「シリウスさん、ハールさんは何者なんですか…?」
その言葉に、少し困ったような顔をしたけども、少しずつ話してくれた。
「…この世界にはごく稀に魔法石ナシで魔法を使える人間もいる。ハールは……ただの古い友人だ。あいつがお嬢ちゃんの父親とどういう関係だったのかはすまないがわからない」
(ただの友達…?なら、シリウスさんはどうしてそんなきずついた顔してるの…?)
そう淡々と告げる言葉とは違いシリウスさんの表情はとても傷ついているように見えたが、シリウスさんはこの話はいったん終わりかというように、薄ら笑みを浮かべ私に聞いてきた
「それより俺は、あんんたの訪問理由のほうが気になるんだが」
「え?」
シリウスさんが私を抱きしめてる腕に力を込めなおした。石鹸の香りがふわりと漂い、お風呂上りなのだろ気づいた
「深夜に男の部屋を訪ねる意味を知らないほど、子供じゃないよな?」
「え…!?!?ち、違うんです…!!」
「そうか?これでもあんたが夜這いにでも来たのかと思ってこれでも身構えてるんだが、俺の勘違いか?」
「勘違いです…!!」
「……慌てすぎ。嘘だ嘘」
私が顔を真っ赤にしていうと、シリウスさんは喉の奥で笑い私の頭を軽く撫でた。
「あの、…黒の軍のアルバムを見せてほしくて…」
「アルバム?」
「はい。できれば歴代のを…」
「構わねえが、それがあるのは執務室だ。お嬢ちゃん、今日はもう遅い。明日の朝みせてやるから今日はもう寝な」
「わかりました…、遅くにすみません」
「あぁ、今日は泣かないで寝れるな?」
その言葉になんか悔しくて
「……寝れないって言ったら一緒に寝てくれるんですか…?」