「そのまさかだ…」

　「…い」

　「ん？フォーツカヤなんっつった…」

　「信じられないって言ったんです！！！あの子がいくら忙しかったとはいえ誕生日を聞いたことなかったんですか！？」

　フェンリルが聞き直した瞬間物凄い剣幕で俺達…もとい昼食取ってた兵士全員はフォーツカヤに怒られた。

　「いくらあの子が黒のプリンセスっていってもまだ21ですよ！？恋人がいたら一緒に居たいし誕生日とか特別な日は一緒に過ごしたいはずです！！」

　フォーツカヤの正論に何も言えない俺ら。少しすると片手にキッチンペーパー、反対の手に除菌スプレーをもってサラが戻ってきた。

　「お待たせ―ってフォーツカヤどうしたの？」

　「なんでもないわよ。セスさんがむせて苦しそうだったから心配で駆け寄っただけよ」

　…あんだけ怒った後にスラスラと言葉を繋げるフォーツカヤに一同唖然としながらも、午後、幹部は緊急会議を行うことをひそかに決定させた。