「黒のクイーン、そちらにいる女性が…？」

　私がシリウスさんに抱き着いていると後ろから声がしたのでシリウスさんから離れ、そっちを見ると、両幹部の間にどこか見覚えのある男性達と初老の夫婦とが立っていた。

　「そうです」

　「…シリウスさん、そちらの方は？」

　「ん？あぁ、今日お前に会わせたいと思ってな。特別に来てもらったんだ」

　そういうと、レイが私達の所まで来て

　「今この場にいる全員に聞いてほしいことだある。今魔力を使ってパフォーマンスをしたのが先代の黒のキング、ブラム＝フトゥーロの実娘である、サラ・フトゥーロだ。そして、サラは魔法の塔の悪事を明るみにしてくれた。その功績を称え、黒のプリンセスの名を送る」

　「……えっ！？」

　私が驚いていると、
　
　「サラ、あの方々は先代の黒のキングのご両親と先代の黒の幹部の人たちだ」

　「それって…！」

　「あぁ、サラの親父さんの両親、つまりサラの祖父母と黒の幹部の人たちってことだ」

　そうシリウスさんが教えてくれて私はその人たちのほうを向くと

　「あぁ、確かにブラムにそっくりだ」

　「ブラムよりも昔似たような事やって騒ぎになった事あったよな…」

　「あー、あの魔力を持った子供と持たない子のいがみ合いをなくすつもりでやったっていうあれか」

　「あの時も今のお嬢ちゃんが歌った歌と同じだったな」

　そう幹部の人たちが言っている中、1人の男性が私達の所へやってきた。