Diary

不思議な気配

2024/08/18 20:57
sumikko日記
不思議な気配を感じて、ふっと目が覚めた。
静まり返った周囲の様子からわかったのは、今はまだ深夜で、夜明けはまだだいぶ先だろうということ。

遮光カーテンが閉まっていて空は見えないのになぜわかったのかと言えば、自分自身に、よく寝たという感覚がないという程度の根拠しかなかったけど。

家族の誰かがトイレにでも起きてきたのかと真っ暗な部屋で耳を澄ませてみても、ドアの向こうから人の気配は感じない。

それもそうだ、もし向こう側に誰かが居るなら、ドアの隙間から明かりが洩れてくるはずだ。

さすがに泥棒でもない限り、この暗がりの中で何も点けずに歩き回ることはないだろう。

ただ、感じた “ 何か ” は、怖いとか不気味とかいう、嫌な気配ではなかった。

“ 変な存在感 ”

敢えて言うならそんな風な、とにかく人に説明するのは難しい、今まで経験したことのない気配。

まだ完全に目が覚めていないながらも、気配の正体を確かめようと、上半身だけを起こして精一杯集中した。

暫く目を凝らしていると少しずつ暗闇にも慣れてきて、自分の手の届く範囲くらいの物は見えるようになり、さっきよりも具体的に現状分析を出来るくらいに、頭も回りだした。

今日(私がこの寝室へ来たときは、既に午前0時を過ぎていたので、正しくは昨日)、いちたは珍しくスポーツニュースを待たずに部屋に戻っていたし、にーすけも「明日は早起きして勉強する」なんて、わざわざ宣言をして、ドラマも観ずにさっさと、9時前には寝てしまっていた。

残る一人は、休前日の飲み会で遅くなる(朝早くなる、かもしれないけど)と言っていたので、まだ帰宅していない筈。

だから、この部屋の外のどこにも気配がないのは当然なのだ。

でもとにかく、変なのだ。

“ 誰もいないと分かっているのに、誰かがいるように感じる。”

(それって、誰か…というか、何か?の気配を感じるよりよっぽど怖くない? )

そう思うけど……何度も言うが、決して怖くはない。

“ 変 ” なのだ。

お化けだとか、ましてや不審者だとかではなくて……変。

例えばこのことを家族に話したとして。

説明不足と指摘されたとしても、
「だって、他に言いようがないんだもん」
と開き直るしかない。

(どうしようかなあ。)

選択肢は二つ。

一つ。

まあいっかと、このまま変な気配のことを無視して寝る。

二つ。

起きて部屋の明かりを点け、正体を確かめる。

もし何もなければ、それはそれで、「気のせいだった」とスッキリして眠れるだろう。

そんなことを考えているうちに、また少し眠気が覚めてくる。
変な気配は相変わらず、だけどさっきよりも変の度合いが増してきたような感じがして。

(やっぱり一度起きよう。)

そう決めて、掛け布団を捲って、足を横に下ろして立ち上がった、その時。


──コロン。

何かが転がったような感じがして。
そしてすぐに、それが床に落ちた音がした。


──ポテッ。ボテッ。

「うわっ」

明かりをつけるまでもなく、もう私には“ 変な気配 ”の正体が分かってしまった。
ドアの向こうではなく、まさか自分の部屋だったなんて。

恐らく、掛け布団の上、ベッドの足側にあったであろう、“ ポテッ ”が落ちていそうなところを探ると、数歩のところでそれが足に触れた。

しゃがみ込んでみると、暗闇に浮かび上がる三日月型の目と視線がぶつかった。(部屋が暗くて実際には見えていなかったので、これはあくまで私のイメージ。)

「何でここにいるの?」

話しかけて、抱き上げる。
返事があるわけもないのだけど、つい口に出てしまった。

(『もし返事したらどうするのさ、その方が怖いでしょ』とは、後にいちたに指摘された言葉。)


ふかふかで、真っ白の小さな小さな──ニャンコ。

ニャンコはニャンコでも、ただの猫じゃない。

知る人ぞ知る、あやかしのニャンコ先生──の、ぬいぐるみ。

それと、彼(?)が入る穴が中央にポッカリと開いている、カボチャのぬいぐるみ。

にーすけがお年玉でひいたくじの大当たり。
彼の部屋にあるはずのぬいぐるみが、なんでここにいるんだろう?


「とりあえず……もう一回寝ようか」

ニャンコをカボチャの真ん中に押し込んで、元いたであろう足の側に置こうとして……考え直す。

少し狭くなるけど枕元に。

カボチャの幅が思いの外場所塞ぎで、私はだいぶ端へ追いやられてしまったけど、また落ちてしまうと可哀想なので壁側に置いた。

やっぱり変な感じはしていたけれど、少しほんわかした気分になって、すぐに眠気が増してきた。

なぜニャンコがここにいたのかは、明日の朝にーすけに聞いてみよう。

『あんまりこっち見ないでね』

心の中で話しかけて、背を向けて布団へ潜った。

(FIN.)
追記
✴あとがき

このぬいぐるみはいつのものかと検索したら、2018年発売の一番くじでした。

ということは、これ最初に書いたのは2019年初め頃かな。
長々と書いていたのを少しだけ書き直しました。

やっぱり文章書くのは楽しいなーと。

なぜ寝室にニャンコがいたのかというと、当時のにーさんが言うには、

「お母さん嬉しいかなーと思ってーなんとなくー」

と、それだけみたいです。

まあ、なんて可愛いんだうちの子(笑)

外では言葉使いも違うけど、反抗したときは可愛くないけどっ。

映画も一緒に見てくれなくなっちゃったけどっ。
(奢ってあげる〜というと、なんとかついてくる笑.)

いーんだ。

本人に言うと嫌がられるからこっそり言うんだ。

なんて可愛いんだうちの子は〜〜。

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