真空色(まそらいろ)の想い
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彼女は助手席に座って、二人で手帳を開き、お互いのスケジュールを確認する。
胸がくすぐったいって、こういう事なんだろうか?なんて考えながら、顔を寄せ合って、オフが重なる日を懸命に探した。
彼女の手帳は、色こそパステルカラーの可愛いものだったけど、中身はかなりしっかりとした事務的な手帳で。
意外だな、と思った事をそのまま口にしながら、自分の手帳の表紙を彼女に向けた。
「細かいとか、固いとか言われるんだけどね。書くことで意識したり覚えられることも多いから……凪紗ちゃんも、かな?」
まめな彼女らしいなと、そう思って軽い気持ちで尋ねただけなのに、彼女はまた真っ赤になった。
「……知ってます」
「楽屋でも、よく手帳を開いてて、皆さんと話してるのとかも聞いてたから……」
「私も、見習いたいなぁって思って……」
手帳を意味もなくパラパラとめくって話す。
手帳から、何かが落ちた。
「何か落ちたよ」
「あ……!」
慌ててそれを受けとる彼女。
何となく見覚えのある花の、押し花の栞。
「……一磨さんからもらった花……です」
「すごく嬉しくて。帰ってから色々調べたら、1月の誕生花が入っていて……だから……」
かあぁ……っと。
そんな擬音が辺りに散らばりそうなほど、二人の顔が赤くなる。
なんだ、同じだったんだ。
いつからだろう?
どっちが先だったんだろう?
確かめたい気もしたけど、そんなことは、今はどうでも良かった。
彼女の首の後ろに手を回して引き寄せて、唇を重ねた。
目を開けたままの凪紗ちゃん。
一度離れてから、間近で視線を絡ませて。
また顔を近づけると、今度は自然に目を閉じた……。
「デートの約束の前にさ……」
「今日、迎えに行きたいって言ったら……駄目、かな?」
彼女はぶんぶんと首を横に振った。
「駄目なわけないです」と答えて、
手帳の、今日の日付の端に、小さく。
目を凝らさないと分からないほどに小さな、ハートを描いた。
Fin .
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