真空色(まそらいろ)の想い
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食事をしながら、たくさん話をした。
いつもの当たり障りない話ばかりだけど、いつもと違うのは、ここが楽屋でもスタジオでもない、二人きりのカフェだということ。
それだけの違いだけど、 気持ちはこんなにも違うのかという程楽しくて。
外を見たらまだ雨はしとしと降っていたけど、さっき彼女に言ったみたいに「残念だ」なんて気持ちはもうなかった。
彼女のピンと伸びた背筋や、笑ったときに口元にくる、スッと細い綺麗な手や、カップを両手で持って俯いたときに揺れる長いまつげや…… いつも見ている姿なのはずなのに、
‘自分だけが見ている’ そう思うだけで、胸に広がる暖かく満たされた気持ち。
凪紗ちゃんが席を立ってからも、幸せな気持ちは高まる一方で。
彼女に、訊いてもいいだろうか?
このあとの、予定は?
もしよかったら ……ドライブでもしない?
映画は誘えなかったけど、今度こそ……。
窓の外を見ながら考えていたとき、 ふいに斜め上から聴こえてきたハミングが、小さくハーモニーを奏でた。
「そのミュージカル映画、知ってます」
そう言いながら、戻ってきた彼女はまた向かい側に座った。
ふふっと。今日はもう何度見たかわからない彼女の笑み。
突然の歌声にきょとんとした俺に 「……楽しそうにハミングしてたから」と、また笑って。
「……また、一磨さんと舞台に立ちたいです」
「うん、俺も。ずっとそう思ってた」
彼女は頬を赤らめて、今度は俯くことなく。
視線を合わせて笑ってくれた。