a spoonful of happiness
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小さな頃から何度も聴いて、きっと数えきれないくらい歌ってもいたクリスマスソング。
それをテレビの中で歌っている、サンタクロースの衣装の私。
Waveの二人のトナカイが私の回りをリズミカルに踊ったり、三人で肩を寄せ合いながらハーモニーを奏でる。
先週放送されたWaveのバラエティ番組は、クリスマススペシャルの拡大版。
私もゲストの一人として出演させてもらった。
久しぶりの “歌での共演” に身の引き締まる思いがして、たくさん練習して撮影に臨んだけど、それを忘れてしまうくらいに、皆さんとの収録は楽しくて。
番組は、打ち合わせの時から笑い声に溢れていた。
向き合って身を屈めた赤鼻のルドルフ。
その鼻にちょこんと指で触れると、くるんと丸い瞳を更に大きくキラキラと見開いて、 ちょっと大袈裟に感動して胸に手を当てる。
そのタイミングで後ろに並んだ、三人の素敵なサンタクロース。
最後は皆で並んで歌って。
そのまま次の曲になって。
そこからは、サンタがそれぞれ別のゲストと順番に歌うウィンターソングメドレー。
撮影は一度でOKが出た。
その合図でホッとして、出演者のみんなとメリークリスマスを伝え合って。
その後の打ち上げも、すごくすごく素敵な時間だった。
小さなツリーがローテーブルの上でブルーに光るこの部屋で、ひとつひとつ思い出しながら見ていたら、あっという間に終わってしまう。
また画面を前に戻してから、リモコンを横に置いた。
「一磨さんとも歌いたかったな」
サンタの自分をまた眺めながら、贅沢な不満を小さく漏らす。
思うだけなら……いいよね、なんて心の中で言い訳をしながら。
「また見てるの?」
声のする方を振り返ると、甘い湯気が香るガラスのマグを両手に持った一磨さんが、目尻を下げた柔らかな笑顔で首を傾げていた。
「凪紗ちゃんの可愛い姿だけなら、何度見ても楽しいんだけどさ」
「自分のはちょっと恥ずかしいな」
一磨さんが腰を下ろすと、ソファーが少し沈んで身体が彼の方へ傾く。
そのまま自然に任せ、彼の腕に頭を寄せてから、両手でマグを受け取った。
空いた方の手で私と一緒にマグを包んで、そ知らぬ顔で指をくすぐる一磨さん。
その仕草に、ドキンと胸が音をたてる。
「だって……楽しかったから。それに、やっぱりクリスマスソングはクリスマスに聴かないと」
「それ、昨日も言ってた」
彼はそう言いながら手を私の肩に回して大きな手のひらの角度を変え、ふわっと優しく頭を撫でてくれている。
でも仕草とはちぐはぐに、本当に可笑しそうに肩を揺らしてずっと笑ってて。
でも、私に付き合ってテレビの画面をまっすぐ見てくれる。
私は一磨さんの指の余韻が手に残ったままで、こんなにドキドキしてるのに。 そんな気持ちも知らないで、頭を撫でる手はまるで子供扱い。
それでもやっぱり、一磨さんの手は心地いい。
いつもこの手を独り占めしたい。
そんな事が出来ないのは分かってるし、本気でそんな事を思ってるわけでもない。
でも二人きりの時位、いいよね?
って、つい甘えてしまう。
唇を尖らせて拗ねてみせた。
「昨日はクリスマスイブで、今日はクリスマスだもん」
「はは、確かにそうだ」
ポンポンと優しく頭に触れて、反対の手でマグにふぅ……と息をついてから一口飲んで、テレビから私へ視線を戻して。
「ちょっとだけ、ブランデー入れてみたんだけど、どうかな?」
私を見下ろす仕草は、いつにも増して大人びていた。
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