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「うわ、ふわふわだ。いつもと違うよね」
「卵の白身は別に泡立ててるの。あとね、ホイップクリーム使ってるんですよ」
「え、そうなの?」
「うん、一磨さん一人だったら、次に来たときも残ってそうだなって思って。でも日保ちするものじゃないから」
「そうなんだ……」
それから少しの間会話が途切れた。
お互いにこの先に詰まったスケジュールが頭を過り、“次の約束” がまだはっきりしない事で、その後の会話が繋げないでいた。
「凪紗ちゃんは凄いな」
「え?」
取り繕うように口を開いたのは一磨が先だった。
「俺、“体調管理も仕事のうちだぞ” なんてメンバーにも言ってるけど……忙しい時の食事はこんな風に出来ないし。凪紗ちゃんの方がよっぽどしっかりしてる」
「私だって一人の時は、もうちょっといい加減ですよ?」
「そうかなあ」
「そうですよ、褒めすぎ。まーくんに聞かれたら見栄っ張りって笑われちゃうかも」
「へぇ。なら今度お邪魔した時、聞いてみようかな?」
「えぇ……口止めしとかなきゃ 」
「ははっ、何それ」
そしてまた、沈黙。 でもそれから直ぐに、二人してクスクスと笑い始めた。
スケジュールがはっきりしなくても、やっぱりお互いの会話は “次” の事を考えている。
寂しさに口を閉ざしていても、必ず “次に会う日” があることを互いに疑いもしない。
向い合わせで目を合わせて暫く笑ってから、一磨は少し真剣な顔になる。
「次に会えるのは、来年だね」
「うん」
「ライブの前に、電話する。もし出来なくても……終わってから連絡するから」
「私も、しますね。お互い出られないかもしれないけど」
「うん、それでも連絡する」
約束を繰り返して笑い合う。
いつか、また今度……
胸を締め付けるだけだった言葉は、いつの間にか二人を強くする思いに変わっていた。
「コーヒーのお代わり淹れようか?」
凪紗が腰を浮かせたとき、彼女の携帯が震えた。
「山田さんだ。ごめんなさい、お皿洗えなくて」
「謝らなくていいよ、どっちかがやればいい事なんだから」
一磨はそう言って、凪紗と一緒に立ち上がった。