カフェ・コレット
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「おはよう、一磨さん。大丈夫ですよ、まだ行きません」
ゆっくり近寄ると、背伸びをして頭の横の方の髪に触れる。
「寝癖。いつもこっち側が跳ねますよね?」
一磨は柔々と髪を撫でる凪紗の指の感触に目を細め、その肩に顎を乗せてからホッと息を吐く。
「凪紗が隣にいるときだけは、ね」
片手で華奢な腰を軽く抱き寄せ、頬と首筋にそっと唇で触れる。
「まだ出掛けてなくて良かった」と言いながら耳をくすぐってから離れた。
「待ってて、すぐに顔洗ってくる」
凪紗はそれを見送ってから、自分の頬を手の甲で軽くポンとして
「……あったかい」と俯いた。
「……て、違う、オムレツ!」
それから、そんな風に一人で言い訳をしてキッチンに戻る。
外は少しずつ明るくなってきて、小窓を少しだけ開くと朝の冷たい風が髪を揺らす。
窓を閉じると、フライパンの中で溶けたバターの香りが広がった。
---------------
「凪紗ちゃんは食べないの?」
テーブルに並んだ食事の前で、一磨は申し訳なさそうにそれを眺める。
「ごめんなさい、もう少しで山田さんが迎えに来てくれる時間だから」
エプロン姿に、ラフに纏めただけの髪。
一見いつものオフの朝と変わらない食卓。
ただいつもと違うのは、凪紗はメイクをしっかり済ませていた。
エプロンを外せばいつでも出掛けられる格好で、一人分だけの食事を並べた向かいの席に座っている。
『見送りするよ』
『ううん、一磨さんは寝てて下さい。年内はずっと休みなしなんだから』
眠りに落ちる前の会話を思い出しながらテーブルを眺めて、「君の方こそ」と呟く。
「え?」
「いや。何でもないよ、すごいご馳走だな」
「そんなことないよ?」
夕べ眠りについたのはとっくに日付が変わった真夜中、そして今はまだ漸く日が明けたばかりの朝。
この食事を作りながら自分の支度もするのにはどれ位の時間がかかるのか、一磨には正直分からなかった。
それでも、睡眠時間が絶対的に足りないのは確かで。
気づかず寝ていた自分もなんだか申し訳ないような気になって、腰を下ろす。
でも凪紗は目を細めてとても楽しそうにコーヒーカップを手に取って、 「私はウィンナー・コーヒーです」と笑った。