カフェ・コレット
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
まだ少し薄暗い窓の外。
エプロンを結び直すために後ろに回した手を使って「んーっ」と背中を反らし伸びをした凪紗は、夕べ洗わないままでいたガラスのマグを見て、ついさっき調べたばかりの名前を呟いた。
「カフェ・コレット──」
昨夜、クリスマスの夜。 当然のように分刻みに埋め尽くされていたお互いの仕事。
それでも、眠る間だけでも一緒にと過ごした部屋で、一磨が凪紗に淹れたコーヒー。
ひと匙のブランデーが入った、凪紗には少し背伸びしているように感じられたコーヒーには、彼女のカップにだけ甘いホイップクリームが乗っていた。
『ちょっと携帯で調べただけだよ』
眠る前にそう言いながら、腕枕をしたのとは反対の手で凪紗の頬に優しく触れて笑った一磨に問いかけた、彼女のもうひとつの疑問。
それに対する彼の答えを思い出し微かに笑みを溢しながらマグを洗い、水切りかごに伏せる。
それをまたチラリと眺めて小さく首をかしげ、冷蔵庫の扉を開けた。
「……やっぱり」
小さく笑いながら取り出したのは、チューブ式のホイップクリーム。
『クリーム、わざわざ泡立ててくれたんですか?』
自分のした質問を思い出して、クスクスと込み上げてくる笑い声。
『えっ』と目をぱちぱちさせた一磨は、すぐに恥ずかしそうに目を反らした。
『いや、さすがにそこまで は……さ』
上手く説明出来ず少し口ごもった後、
『……もしかして、口に合わなかった?』
急に慌て出してそんな風に不安げに窺い見る様子。
次々思い出しながら、込み上げてくる幸せに一人で頬を綻ばせる。
「余っちゃうだろうし、使わせてくださいね?」
凪紗はそこに誰かがいる様な口振りで囁いて、ボールの端で、コン…と卵を叩いた。
静かな部屋に、殻が二つに割れる小さな音。
それとほぼ同時に、慌てたような声と、扉が勢いよく開く音が響いた。
「おはよう! ごめん、まだ行かないよね? ちょっと待ってて!」
キッチンから半分顔を出した凪紗は、片側に寝癖をつけた一磨に目を細めた。
1/5ページ