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「たくさん待ちました?」
「全然、ついさっきだよ」
「一磨さんは、いつもそう言うからなぁ」
「凪紗だって」
いつものように笑い合って。
「行こうか」
右腕を寄せると、君が腕に手を絡ませる。
だけど何歩か進んで、すぐに立ち止まった。
「……凪紗?」
「えっと……やっぱり」
こちらを見上げ、するりと腕を抜いて── 遠慮がちにこちらへ伸ばした手。
君の温もりが離れた腕の代わりに、胸が温かくなるのを感じた。
「うん、そうだね」
俺は右手の手袋、君は左手の手袋を外し、ポケットの中で指を絡めて繋いだ。
「これが一番落ち着くね」
そう言った俺に、小さく頷いて頬を染める。
周りには、同じように腕を組んだり肩を寄せ合う幸せそうな人達が、街の灯りを見ながら微笑み合っていて。
ふと横を見ると……君もそれを眺めながら目を細めていた。
「……ほんとだね。夢みたい」
そう言った君の周りを、色とりどりのイルミネーションが照らして、光の輪を描く。
それはいつか二人で見た星空のようで…… タイミングよく赤に変わって立ち止まった交差点。
ポケットに手を入れたまま、軽く触れるだけのキスをする。
君は一瞬だけ驚いた顔をしたけど、すぐにふわりと微笑んで、俺の目を見たまま、ポケットの中の手をきゅっと動かした。
それが合図になって、また近づいた唇。
だけど今度は、君が俺の頬にキス。
不意打ちのキスに目を丸くすると、
「……お返しです」と腕にコツンと頭を寄せた君に、また吸い寄せられそうになる。
だけど次の瞬間信号は青になり、歩き始めたその先── 目の前のビルの屋上の大きな看板のライトアップ。
そこには、雪を纏ったような、真っ白なファーのついた衣装で微笑む、君の姿。
「綺麗だな……」
「……もう。恥ずかしいからそんなに見なくていいよ?」
「凪紗もいつも見るだろ?」
「……だって……かっこいいんだもん」
「ほら、同じだ」
「……ふふっ」
髪に積もる雪を時折払いながら笑い合っていると、
「あの……これ」後ろから声をかけられた。
振り返ると、同じように手を繋いでいる、多分恋人同士の二人。
女性の方が「落としましたよ」と、手袋を差し出した。
「あ、あれ?」 慌てて自分のポケットに手を入れて手袋が無いことを確認した君が、 「ありがとうございます」と、手袋を受け取ってペコリと頭を下げたその時。
「……あっ」と小さく声がして、隣にいた彼の方が俺たちを交互に見て目を見張る。
その慌てた様子を見て、君と俺も顔を見合わせた。