彼女と彼と僕たちの
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「色々あるから、難しいな」
「色々って、口うるさいとこも?」
「こら」
一磨はニッと歯を見せてふざける真の髪をクシャクシャと撫でてから、照れくさそうに言い換えた。
「弟思いなところも、好きだよ」
その答えに微かに口元を綻ばせた真が続ける。
「じゃあ頑固なのは? たまにだけどさ、言い出したら聞かない時とか」
「凪紗ちゃんは頑固ってほどでもないと思うけど……でも自分の考えがブレないのは、悪くないと思うよ。それに…」
一磨は空を見つめて目を細めてから、真剣な表情になる。
「それは多分、頑張り屋で根気強いって言うんだ。だからこそ、一度彼女と仕事をした人はまた一緒にやりたいって考えるんじゃないかな」
「一磨も?」
「もちろん」
「へへっ……そっか。……あ、じゃあさ。これは?」
「うん?」
「すぐ顔に出るとこ。たまに抜けてるし」
「正直で嘘がつけないのも、彼女の良いところだよ」
一磨は隣でにやりとした悪戯な顔を見下ろして、リモコンで頭をカチンと軽く叩いた。
「──わざとだな、さっきから」
「バレた?天然なとこも可愛いよ……ってのろけるかと思ったのになー」
フムフム……とメモを取るような仕草で話していた真は、頭を押さえて舌を出した。
わざと大袈裟に首を傾げるその姿に、「やっぱりそっくりだ」と笑った一磨が視線を向けた、玄関へ続く扉。
次の瞬間、画面から聴こえてきた凪紗の声── タイトルを背景に流れる凪紗ではない凪紗。
「お姉ちゃん、帰ってこないね」
「そろそろ、の筈だけど」
「ふーん……大変そう?」
「どうかな……今日の仕事は俺も全部は知らないんだ」
二人顔を合わせて、それから真は少し声を低くした。
「お姉ちゃん、すぐ一人で我慢するからさ」
「え?」
「こっちにはすぐ “学校で何かあったの” とか聞いてくるのに、自分のことは隠してばっか」
さっきまでとは違う真面目な顔の真が何か言いたそうにする。
一磨は、姿勢を正してそれに答えた。
「確かに……ね」
「一磨にも?」
「そうだな、真くんと同じだよ」
まだ固い表情でいる真の頭をポンポンと撫でて、テレビ画面を見ながら苦笑した。
「ただ──俺も人のこと言えないらしいし」
「何それ。らしいって、自分のことじゃん──変なの」
「ははっ。悪い」
少し解れた様子になって画面に視線を戻した真は、ちょうど凪紗の名前を映してから別のプロモーションに切り替わったところで、大きく伸びをした。