meet again
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夕日が差し込む部屋で、何の気なしにテレビのスイッチを入れた。
特に見たいものがある訳ではないから、次々にチャンネルを変え続けていると、画面に映った懐かしい顔。
何年も前に、別の道へ進むと去った、事務所の仲間だった。
レッスンの合間に、その帰り道に、将来の夢や目標を、時には下らない笑い話を、時間を忘れて話した仲間たち。
集まるのはいつも同じメンバーではなかったけど、同じような悩みを抱えていた事もあって、年上の同期だった彼とは話し込むことも多かった。
“自分に出来ることは何か”
“この先自分が目指すもの、本当にやりたい事は何か”
個性溢れる奴らばかりの事務所で、自分の道が分からなくなりそうだった頃。
ちょうどこのドラマに出ていた時、彼も悩んでいて。
再放送のそのドラマを見ながら、忙しい日々の中、いつの間にか音信不通になっていた事に、今更気が付いた。
あの後、Wave としてのデビューが決まった俺に、彼は何て言った?
何を話して、何を誓った?
画面に向かって問いかける。
返事がある筈ないけど。
変わらずに、頑張っているだろうか。
「……あれ? この方って俳優さんだったんですか?」
いつの間にか隣にいた君が、画面に向かって首を傾げた。
「知ってるの?」
「はい、ドラマのスタッフさんですよ」
俺の肩にもたれるように座った君の言葉に驚いて振り向くと、
「一磨さんのお知り合いですか?」と訊ねてから、また君は話を続けた。
「来年のミニドラマの脚本を書くことになったって言ってました。だから来週、ドラマのメンバーで脚本家デビューのお祝いしてあげようね、って話してたんです」
「まだ若いのに、凄くしっかりしてるって、監督さんにも信頼されてる人なんですよ」
興味深そうにテレビを見てる君の言葉に、ああ、やっぱり彼は変わってないと、懐かしくて、そして嬉しくなった。
「同じ事務所だったんだ」
「え、そうなんですか?」
君は少しだけ驚いた顔をして、でもすぐに
「判る気がします」と、頷いた。
「意志の強そうな人だなって思ってたから。そういう所、一磨さんと何となく似てるかも……って」
君の言う通り、意志の強い人だった。
事務所も何度も説得したみたいだったけど、それでも彼は決心して、
「いつか一緒に仕事が出来る様に、お互い頑張ろう」
そんな話で別れたんだ。
デビューしてからすぐに変えてた携帯の番号は、伝えてはいたけど。
彼の方は、どうだろうか?
もしも繋がったら、何から話そう。
それより、突然会いに行って驚かせようか?
君に教えてもらったと正直に言う事は出来ないから、方法を色々と考えていると、
「一磨さんのそんな顔、初めて見た」
そう、君は笑い出した。
笑いながら、膝に置いた手をとって指を絡ませると、肩にもたれたまま俺を見上げる。
「イタズラ考えてる子供みたい」
それからまたテレビに視線を移してしまう。
たまたまつけたテレビも、
君が彼と知り合っていた事も偶然だけど。
きっとそれだけじゃない。
そして今度彼と交わすのは、次の当てのない挨拶ではないだろう。
君を恋人だと紹介することは、まだ出来ないけど。
『先に一緒に仕事をしたのは、俺の大切な人だったな』
と、いつか驚かせてやるために。
再会の一歩を、どう踏み出そう。
でもその前に…
テレビのスイッチをオフにする。
「そんなにあいつの事、見ないで……?」
「俺の事だけ、見てて」
(あとがきへ)→
特に見たいものがある訳ではないから、次々にチャンネルを変え続けていると、画面に映った懐かしい顔。
何年も前に、別の道へ進むと去った、事務所の仲間だった。
レッスンの合間に、その帰り道に、将来の夢や目標を、時には下らない笑い話を、時間を忘れて話した仲間たち。
集まるのはいつも同じメンバーではなかったけど、同じような悩みを抱えていた事もあって、年上の同期だった彼とは話し込むことも多かった。
“自分に出来ることは何か”
“この先自分が目指すもの、本当にやりたい事は何か”
個性溢れる奴らばかりの事務所で、自分の道が分からなくなりそうだった頃。
ちょうどこのドラマに出ていた時、彼も悩んでいて。
再放送のそのドラマを見ながら、忙しい日々の中、いつの間にか音信不通になっていた事に、今更気が付いた。
あの後、Wave としてのデビューが決まった俺に、彼は何て言った?
何を話して、何を誓った?
画面に向かって問いかける。
返事がある筈ないけど。
変わらずに、頑張っているだろうか。
「……あれ? この方って俳優さんだったんですか?」
いつの間にか隣にいた君が、画面に向かって首を傾げた。
「知ってるの?」
「はい、ドラマのスタッフさんですよ」
俺の肩にもたれるように座った君の言葉に驚いて振り向くと、
「一磨さんのお知り合いですか?」と訊ねてから、また君は話を続けた。
「来年のミニドラマの脚本を書くことになったって言ってました。だから来週、ドラマのメンバーで脚本家デビューのお祝いしてあげようね、って話してたんです」
「まだ若いのに、凄くしっかりしてるって、監督さんにも信頼されてる人なんですよ」
興味深そうにテレビを見てる君の言葉に、ああ、やっぱり彼は変わってないと、懐かしくて、そして嬉しくなった。
「同じ事務所だったんだ」
「え、そうなんですか?」
君は少しだけ驚いた顔をして、でもすぐに
「判る気がします」と、頷いた。
「意志の強そうな人だなって思ってたから。そういう所、一磨さんと何となく似てるかも……って」
君の言う通り、意志の強い人だった。
事務所も何度も説得したみたいだったけど、それでも彼は決心して、
「いつか一緒に仕事が出来る様に、お互い頑張ろう」
そんな話で別れたんだ。
デビューしてからすぐに変えてた携帯の番号は、伝えてはいたけど。
彼の方は、どうだろうか?
もしも繋がったら、何から話そう。
それより、突然会いに行って驚かせようか?
君に教えてもらったと正直に言う事は出来ないから、方法を色々と考えていると、
「一磨さんのそんな顔、初めて見た」
そう、君は笑い出した。
笑いながら、膝に置いた手をとって指を絡ませると、肩にもたれたまま俺を見上げる。
「イタズラ考えてる子供みたい」
それからまたテレビに視線を移してしまう。
たまたまつけたテレビも、
君が彼と知り合っていた事も偶然だけど。
きっとそれだけじゃない。
そして今度彼と交わすのは、次の当てのない挨拶ではないだろう。
君を恋人だと紹介することは、まだ出来ないけど。
『先に一緒に仕事をしたのは、俺の大切な人だったな』
と、いつか驚かせてやるために。
再会の一歩を、どう踏み出そう。
でもその前に…
テレビのスイッチをオフにする。
「そんなにあいつの事、見ないで……?」
「俺の事だけ、見てて」
Fin.
(あとがきへ)→
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