【桃色のチューリップ(恋の始まり)】キャラはLoveDuet設定
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
見知らぬ国の道端の、小さなフラワーワゴン。そこで足を止めた凪紗ちゃんが見ているミ二ブーケは、ピンク色のチューリップをシンプルにまとめた小さなものだった。幾つかの花束と、それ以外にも、束にはなっていない色とりどりの花が溢れる中で、その花束はどちらかと言えば目立たない方だ。
他にもっと華やかなものも、例えば分かりやすく真っ赤なバラや、それらを束ねた立派なものだってある。だけど、そんな花たちに囲まれても存在感を失わないその姿は、どことなく健気に見えた。
『凪紗ちゃんみたいだな』
ふいに、そんな風に思った。
けどもちろん、唐突にそんなことを言えるはずも無く、「どの花?」なんて軽く返事をして、さりげなく隣に並んで腰を屈めた。
顔が近づけば感じられる凪紗ちゃんの髪から、少し湿気を含んだ甘い香り。
それにくすぐられるように疼いた胸には気づかない振りをして、つとめて冷静に会話を続ける。
「うん、ピンクといっても色々種類があるんだな、可愛い」
「そうですよね!」
パッと横に振り向いた凪紗ちゃんと正面でしっかりと目が合った。
「淡いのとか少し濃いめのとか……花びらの形も。組み合わせたら、こんなにキレイなんですね」
ドキッとして僅かに構えてしまった俺とは対照的に、無邪気に目を細めてうんうんと小さく首を縦に揺らした凪紗ちゃんに、安心したようながっかりしたような、複雑な思いで笑い返した。
同意を表した俺に、女友達と買い物をしてるような感覚で、親近感を覚えていたりするんだろう。
もちろん、それでいいんだ。
気を許してもらえて、嬉しくない筈はない。
でも、それでも──
“でも” の先は考えないように。
気にしないように。
頑張っている凪紗ちゃんの邪魔をしたくはないから。
ただ、今みたいに新しい凪紗ちゃんを知ればその度に、こんな努力は全くの無駄になるのだけど。
それでも、俯いて小さく息を吐き、いつものように切り替えた。
“兄のような、頼れる先輩の一磨さん”
彼女のイメージする、そういう俺の顔で、楽しそうに花に囲まれる、 “妹のような後輩” を見守る。
どっち付かずなこの距離感も、上手くバランスを取れば悪いことばかりでもなくて──世話好きな先輩としてなら、周りの視線も上手くかわしながらゆったりと、時間を共有することだって出来る。
それでいいんだ。
他にもっと華やかなものも、例えば分かりやすく真っ赤なバラや、それらを束ねた立派なものだってある。だけど、そんな花たちに囲まれても存在感を失わないその姿は、どことなく健気に見えた。
『凪紗ちゃんみたいだな』
ふいに、そんな風に思った。
けどもちろん、唐突にそんなことを言えるはずも無く、「どの花?」なんて軽く返事をして、さりげなく隣に並んで腰を屈めた。
顔が近づけば感じられる凪紗ちゃんの髪から、少し湿気を含んだ甘い香り。
それにくすぐられるように疼いた胸には気づかない振りをして、つとめて冷静に会話を続ける。
「うん、ピンクといっても色々種類があるんだな、可愛い」
「そうですよね!」
パッと横に振り向いた凪紗ちゃんと正面でしっかりと目が合った。
「淡いのとか少し濃いめのとか……花びらの形も。組み合わせたら、こんなにキレイなんですね」
ドキッとして僅かに構えてしまった俺とは対照的に、無邪気に目を細めてうんうんと小さく首を縦に揺らした凪紗ちゃんに、安心したようながっかりしたような、複雑な思いで笑い返した。
同意を表した俺に、女友達と買い物をしてるような感覚で、親近感を覚えていたりするんだろう。
もちろん、それでいいんだ。
気を許してもらえて、嬉しくない筈はない。
でも、それでも──
“でも” の先は考えないように。
気にしないように。
頑張っている凪紗ちゃんの邪魔をしたくはないから。
ただ、今みたいに新しい凪紗ちゃんを知ればその度に、こんな努力は全くの無駄になるのだけど。
それでも、俯いて小さく息を吐き、いつものように切り替えた。
“兄のような、頼れる先輩の一磨さん”
彼女のイメージする、そういう俺の顔で、楽しそうに花に囲まれる、 “妹のような後輩” を見守る。
どっち付かずなこの距離感も、上手くバランスを取れば悪いことばかりでもなくて──世話好きな先輩としてなら、周りの視線も上手くかわしながらゆったりと、時間を共有することだって出来る。
それでいいんだ。
1/4ページ