大切な時間
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「この映画みたいにさ」
ソファーに戻って、背筋をピンと伸ばした彼の様子は、さっきまでの無我夢中で語るのとは違う──何かを決意するような、強い眼差しをしていた。
「何十年、もしかしたら百年とか。そんな先まで、たくさんの人の記憶に残るような、そんな作品になって欲しいって、いつもそう思ってやってるんだ」
「ずっと遠い将来に──俺たちがもうこの世にいないくらい先の、そんな未来でも」
「俺や君が演じる作品や、俺たちの歌が、誰かに感動を与えることが出来たら……凄いことだと思わない?」
そう言うと、また彼は表情を和らげ、少し照れたように、私の手を取った。
「そこまで先じゃなくても、さ。俺たちの孫とか──もしかして、ひ孫、とか?」
「これ、おじいちゃんとおばあちゃんだぞーとか言って見せたりね?」
「……気が、早いかな?」
私に小さく訊ねた一磨さんの顔は、少し赤くなっていたけど、彼の言葉に迷いは感じられなくて。
彼の描く未来に、私がいるのは当たり前なのだと──
指を絡めるように繋ぎ直した、大好きな、大きくて優しい手のひらの熱から、気持ちが伝わってくるようだった。
「じゃあ……私も。もっともっと、頑張らなくちゃ」
体の向きを変えて見上げると、彼は少しかがんで、繋いだ手はそのままに、反対の手を私の頬に添えた。
そのまま、優しく触れた唇。
私がそれに応えて、それにまた彼が応えて。
そんな風に、ついばむ様な口付けを繰り返して笑い合った。
「……次のオフは、何を観ましょうか?」
「そうだな。今度は凪紗ちゃんのお母さんに、お勧めを聞いてみようか?」
「それでいつか、みんなでもう一回観よう?」
この先もずっと──いつまでも変わらず、お互いが一緒であるように。
こんな風に毎日を積み重ねていきたいと、そう思った。
Fin.
(あとがきへ)→