Obey me! ベルゼブブとの夢小説多めです
揺れる不安を断ち切るは
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「MC」
ぼんやりしていた意識に、声を掛けられて反射的にそちらを向く。月明かりがぼんやり照らしているのは、いつの間にか後ろにいたらしいベルゼブブことベールだった。
目が合うと相手の瞳が不安げに揺れていて、内心首を傾げながらそちらに歩いていく。
「どうしたんだ? ベルフェとケンカでもしたのか?」
「してない。」
即答された。
当てずっぽうはやっぱ中々当たんねぇな。
じゃあなんだろう?と考えだす前に、ベールが口を開いた。
「MCこそ、庭で何してたんだ?」
「オレ?さんぽ! ちょっと寝付けなくてさ」
特に何があったわけでもない。
なんとなく庭に出て、土とか葉っぱの匂いとか夜風が気持ちよくてただただぼーっとしていた。
それだけなんだけど・・・。
「・・・・・・・・・。」
無言でオレを見つめてくるベールの瞳からは、先程からある不安げな揺らぎが止まない。なにか言いたそうにしてる雰囲気はあるんだけど、残念なことにオレにはテレパシー機能はない。
「ベール?大丈夫か?」
「・・・!」
黙っていられたら埒が明かない、とそっと手を取ってみる。オレの2倍か5倍はあるんじゃないかってくらい差がある大きな手は、なんでか強く握りしめられていた。かと思えば、次の瞬間にはバッと開かれてオレの手は丸々にぎり込められてしまった。
「び、びびった・・・この前みたクリオネの捕食シーンかと思った・・・」
迫力ある一瞬に気を取られているうちにも
ベールは何度もオレの手を確かめるように握っては緩めてを繰り返す。状況が飲み込めないまましばらくされるがままになった。
さっきまで強く握りしめていたからかベールの手は熱いくらいで、少しずつオレの手にも熱が移っていく。なんだかその様を見つめていくのが気はずかしくなってきて、視線を外すと深く長く息を吐き出す音が耳を掠めた。
「ベー・・・ぶふっ?!」
「よかった」
声を掛ける前に目の前が真っ暗になって、暖かくて硬い何かに顔面を強くぶつけた。
それが抱き寄せてきたベールの胸板だとわかって、頬に熱がこもってしまう。手で感じていた熱が今度はオレをまるごと包み込んでいて、それこそクリオネみたいに食われてしまったのかと錯覚しそうだ。
「よかった、お前が消えなくて」
「は? どういうことだ?」
心底安堵したように呟かれた内容が、あまりにも突飛すぎて素っ頓狂な声を上げてしまった。先程からの不思議な言動はなんだったのか、ハッキリさせたくて腕の中から問いかける。
「さっき、MCを見かけた時になんだかすごく遠くに行ってしまうような気がして・・・慌てて声をかけたんだ
お前はちゃんと来てくれたから触れて確かめたかった
だけど・・・」
一瞬、言い淀んだベールは背中にまわした腕と、離さないままの手にまた少し力を入れてから言葉を続けた。
「触れたら、お前が・・・MCが消えてしまいそうな気がして・・・」
尻すぼみに小さくなっていく言葉に、不安に揺れた瞳や言葉を噤んだ理由が全部詰まっていることがわかった。今、相手の表情は見えないけれど、笑顔でないことは確かだ。
それなら、やることは一つだ。
「どぅりゃっ!!」
「!!??」
あんまりオレをナメないでほしい。
オレは腕の中で少しだけ身動ぎをすると、気合を入れてそのまま地を蹴った。
ゴッ!と鈍い音と共に多少の痛みと振動がオレの頭を揺らす。頭突きは、見事ベールの顎にヒットしたらしい。流石の七大君主様も不意打ちにはダメージがなくとも驚きはしたようだ。
掴まれていた手が一瞬緩んだのをすかさず抜き去って、今度は体当たりをかますくらいの勢いでこちらからハグしてやる。今度はベールに状況を飲み込めていない混乱が滲んでいて、ニヤッと口元を歪めながら言葉を返した。
「どうだ!ベール!
なんかおセンチになってるところ悪いがな、オレはこの通り人100倍くらい頑丈で強いんだぜ
触ったくらいで消えるわけねぇだろ
変な心配するくらいなら
しっかり抱きしめ返して確かめてみろよ」
ベールのグラデーションがかかった瞳を、真っ直ぐ見つめ返す。不安は一度抱えてしまえば、すぐに消すのは難しい。
なら、とことん確かめればいい。
オレが遠くに行くことも、消えることもないってことをとことんわからせてやればいいんだ。
今度は両の腕が背中に回ってきて、しっかりと抱き返される。
「うん、MCだな。ここにいる」
「ははっ、だろー?」
月明かりから隠されるように、ベールに抱きしめられてやっぱり照れくささもあるけど。今は安心感の方が強かった。
数分間はそのまま抱きしめあっていたけど、ふとベールが腕を緩めて顔を見合わせる。もう不安に揺れている様子はなくて、安心したからか2人同時に笑って言った。
「「腹が減った(な!)」」
ぼんやりしていた意識に、声を掛けられて反射的にそちらを向く。月明かりがぼんやり照らしているのは、いつの間にか後ろにいたらしいベルゼブブことベールだった。
目が合うと相手の瞳が不安げに揺れていて、内心首を傾げながらそちらに歩いていく。
「どうしたんだ? ベルフェとケンカでもしたのか?」
「してない。」
即答された。
当てずっぽうはやっぱ中々当たんねぇな。
じゃあなんだろう?と考えだす前に、ベールが口を開いた。
「MCこそ、庭で何してたんだ?」
「オレ?さんぽ! ちょっと寝付けなくてさ」
特に何があったわけでもない。
なんとなく庭に出て、土とか葉っぱの匂いとか夜風が気持ちよくてただただぼーっとしていた。
それだけなんだけど・・・。
「・・・・・・・・・。」
無言でオレを見つめてくるベールの瞳からは、先程からある不安げな揺らぎが止まない。なにか言いたそうにしてる雰囲気はあるんだけど、残念なことにオレにはテレパシー機能はない。
「ベール?大丈夫か?」
「・・・!」
黙っていられたら埒が明かない、とそっと手を取ってみる。オレの2倍か5倍はあるんじゃないかってくらい差がある大きな手は、なんでか強く握りしめられていた。かと思えば、次の瞬間にはバッと開かれてオレの手は丸々にぎり込められてしまった。
「び、びびった・・・この前みたクリオネの捕食シーンかと思った・・・」
迫力ある一瞬に気を取られているうちにも
ベールは何度もオレの手を確かめるように握っては緩めてを繰り返す。状況が飲み込めないまましばらくされるがままになった。
さっきまで強く握りしめていたからかベールの手は熱いくらいで、少しずつオレの手にも熱が移っていく。なんだかその様を見つめていくのが気はずかしくなってきて、視線を外すと深く長く息を吐き出す音が耳を掠めた。
「ベー・・・ぶふっ?!」
「よかった」
声を掛ける前に目の前が真っ暗になって、暖かくて硬い何かに顔面を強くぶつけた。
それが抱き寄せてきたベールの胸板だとわかって、頬に熱がこもってしまう。手で感じていた熱が今度はオレをまるごと包み込んでいて、それこそクリオネみたいに食われてしまったのかと錯覚しそうだ。
「よかった、お前が消えなくて」
「は? どういうことだ?」
心底安堵したように呟かれた内容が、あまりにも突飛すぎて素っ頓狂な声を上げてしまった。先程からの不思議な言動はなんだったのか、ハッキリさせたくて腕の中から問いかける。
「さっき、MCを見かけた時になんだかすごく遠くに行ってしまうような気がして・・・慌てて声をかけたんだ
お前はちゃんと来てくれたから触れて確かめたかった
だけど・・・」
一瞬、言い淀んだベールは背中にまわした腕と、離さないままの手にまた少し力を入れてから言葉を続けた。
「触れたら、お前が・・・MCが消えてしまいそうな気がして・・・」
尻すぼみに小さくなっていく言葉に、不安に揺れた瞳や言葉を噤んだ理由が全部詰まっていることがわかった。今、相手の表情は見えないけれど、笑顔でないことは確かだ。
それなら、やることは一つだ。
「どぅりゃっ!!」
「!!??」
あんまりオレをナメないでほしい。
オレは腕の中で少しだけ身動ぎをすると、気合を入れてそのまま地を蹴った。
ゴッ!と鈍い音と共に多少の痛みと振動がオレの頭を揺らす。頭突きは、見事ベールの顎にヒットしたらしい。流石の七大君主様も不意打ちにはダメージがなくとも驚きはしたようだ。
掴まれていた手が一瞬緩んだのをすかさず抜き去って、今度は体当たりをかますくらいの勢いでこちらからハグしてやる。今度はベールに状況を飲み込めていない混乱が滲んでいて、ニヤッと口元を歪めながら言葉を返した。
「どうだ!ベール!
なんかおセンチになってるところ悪いがな、オレはこの通り人100倍くらい頑丈で強いんだぜ
触ったくらいで消えるわけねぇだろ
変な心配するくらいなら
しっかり抱きしめ返して確かめてみろよ」
ベールのグラデーションがかかった瞳を、真っ直ぐ見つめ返す。不安は一度抱えてしまえば、すぐに消すのは難しい。
なら、とことん確かめればいい。
オレが遠くに行くことも、消えることもないってことをとことんわからせてやればいいんだ。
今度は両の腕が背中に回ってきて、しっかりと抱き返される。
「うん、MCだな。ここにいる」
「ははっ、だろー?」
月明かりから隠されるように、ベールに抱きしめられてやっぱり照れくささもあるけど。今は安心感の方が強かった。
数分間はそのまま抱きしめあっていたけど、ふとベールが腕を緩めて顔を見合わせる。もう不安に揺れている様子はなくて、安心したからか2人同時に笑って言った。
「「腹が減った(な!)」」
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