おついち夢(短編)
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その夜。
部屋にひとり腰を下ろしても、頭の中はぐるぐると同じことばかりを繰り返していた。
――「お願いだから、私の理想の王子でいてよ!」
昨日、激情に任せて叫んだ彼女の言葉が耳の奥に残って離れない。
本気で怒って、泣きそうな顔で、必死に訴えてきた声。
あの瞬間、自分がどれだけ軽率で、どれだけ彼女を振り回してきたのかを痛感させられた。
そして今日。
彼女の「好きなところ」を聞き出そうとしたのは、正直、ちょっとした悪戯心だったのに。
返ってきた答えは、自分の心の奥をあっさり見抜いていて――言葉を失った。
“本当は愛されたいのに、上手く隠して確認してくるところ”
図星すぎて、笑うしかなかった。
いや、笑えない。
バレてしまった。自分が、どれほど彼女に求めているのかを。
(……このままでいいのか?)
彼女とは“友達”だと口にしてきた。
その距離感が一番安全で、壊れない関係だと思ってきた。
でも、もうとっくに踏み込みすぎている。
彼女が自分の前でだけ見せる顔。
ちょっと照れて、でも真剣で、そして時には怒鳴ってくれる。
その全部を見て、手放したくないと思ってしまった。
(告白するか、しないか……)
頭を抱える。
今の空気感は心地いい。お互いの気持ちを分かり合ってるくせに、恋人ではない曖昧な関係。
けれどそれは、彼女を不安にさせるものでもあるはずだ。
どうすればいいのか。
どう伝えれば、あの真っ直ぐな子に自分の想いが届くのか。
夜は更けても答えは出ず、ただベッドの上で天井を見つめる。
胸の奥では、彼女の笑顔と、彼女の怒鳴り声が交互に響いていた。
――――――――――――――――――
次の日。
彼は決めていた。
昨日の夜、眠れぬほど悩んだ末に出した答え――彼女に告白する。
朝の教室、昼休み、放課後。
何度もタイミングをうかがっては、喉の奥で言葉がつかえてしまう。
「莉央さ、――」
「ん?なに?」
「……いや、なんでもない」
「今日、一緒に帰――」
「うん、どうせ帰り道一緒になるしね」
「……そ、そうだな」
焦る心とは裏腹に、口から出ていくのはいつもの調子の言葉ばかり。
勇気を振り絞っても、彼女はあっけらかんとした笑顔でスルーする。
(なんでだよ!俺の気持ちはあんなに分かるくせに、告白しようとしてる空気は全然察してくれない!?もう、わざとか?!)
胸の中で思わず叫んでしまう。
昨日、自分の心の奥をあっさり見抜いたくせに。
どうして今日のこのぎこちなさには気づかないんだ、この鈍感!
一緒に帰る道すがら、歩幅を合わせながらも、結局言葉にできないまま家の前まで来てしまった。
「じゃあ、また明日ね」
「……あ、ああ。うん。」
彼女はあっさりと手を振り、家の中に入っていく。
残された彼はその場に立ち尽くし、頭を抱えた。
(……駄目だ、全然伝わってねぇ……)
曖昧な関係を壊したくない気持ちと、はっきりさせたい気持ちがせめぎ合い、また夜が更けていく。
部屋にひとり腰を下ろしても、頭の中はぐるぐると同じことばかりを繰り返していた。
――「お願いだから、私の理想の王子でいてよ!」
昨日、激情に任せて叫んだ彼女の言葉が耳の奥に残って離れない。
本気で怒って、泣きそうな顔で、必死に訴えてきた声。
あの瞬間、自分がどれだけ軽率で、どれだけ彼女を振り回してきたのかを痛感させられた。
そして今日。
彼女の「好きなところ」を聞き出そうとしたのは、正直、ちょっとした悪戯心だったのに。
返ってきた答えは、自分の心の奥をあっさり見抜いていて――言葉を失った。
“本当は愛されたいのに、上手く隠して確認してくるところ”
図星すぎて、笑うしかなかった。
いや、笑えない。
バレてしまった。自分が、どれほど彼女に求めているのかを。
(……このままでいいのか?)
彼女とは“友達”だと口にしてきた。
その距離感が一番安全で、壊れない関係だと思ってきた。
でも、もうとっくに踏み込みすぎている。
彼女が自分の前でだけ見せる顔。
ちょっと照れて、でも真剣で、そして時には怒鳴ってくれる。
その全部を見て、手放したくないと思ってしまった。
(告白するか、しないか……)
頭を抱える。
今の空気感は心地いい。お互いの気持ちを分かり合ってるくせに、恋人ではない曖昧な関係。
けれどそれは、彼女を不安にさせるものでもあるはずだ。
どうすればいいのか。
どう伝えれば、あの真っ直ぐな子に自分の想いが届くのか。
夜は更けても答えは出ず、ただベッドの上で天井を見つめる。
胸の奥では、彼女の笑顔と、彼女の怒鳴り声が交互に響いていた。
――――――――――――――――――
次の日。
彼は決めていた。
昨日の夜、眠れぬほど悩んだ末に出した答え――彼女に告白する。
朝の教室、昼休み、放課後。
何度もタイミングをうかがっては、喉の奥で言葉がつかえてしまう。
「莉央さ、――」
「ん?なに?」
「……いや、なんでもない」
「今日、一緒に帰――」
「うん、どうせ帰り道一緒になるしね」
「……そ、そうだな」
焦る心とは裏腹に、口から出ていくのはいつもの調子の言葉ばかり。
勇気を振り絞っても、彼女はあっけらかんとした笑顔でスルーする。
(なんでだよ!俺の気持ちはあんなに分かるくせに、告白しようとしてる空気は全然察してくれない!?もう、わざとか?!)
胸の中で思わず叫んでしまう。
昨日、自分の心の奥をあっさり見抜いたくせに。
どうして今日のこのぎこちなさには気づかないんだ、この鈍感!
一緒に帰る道すがら、歩幅を合わせながらも、結局言葉にできないまま家の前まで来てしまった。
「じゃあ、また明日ね」
「……あ、ああ。うん。」
彼女はあっさりと手を振り、家の中に入っていく。
残された彼はその場に立ち尽くし、頭を抱えた。
(……駄目だ、全然伝わってねぇ……)
曖昧な関係を壊したくない気持ちと、はっきりさせたい気持ちがせめぎ合い、また夜が更けていく。
