仕事に私用の感情は厳禁
夢主の名前変換
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午後3時、オフィスの休憩スペース。
夢主は、同期の吉田と笑いながら立ち話をしていた。
内容は他愛もない雑談。でも、遠目に見ると十分“親しげ”に見えた。
「え?あのカフェ、まだ行ってないの?女子って好きそうじゃん」
「行こうとは思ってたけど、いつも混んでて……」
「じゃあ今度、俺と行く?予約するからさ」
「え、なんで吉田くんと?」
冗談めかして返す夢主に、吉田がちょっと照れたように笑う。
——その会話を、偶然耳にしてしまったのが、おついちだった。
自販機に向かいコーヒーを買おうと思った矢先にいた、2人の会話が耳をつき、立ち止まったのはほんの数秒。
何も気にしないふりブラックの缶コーヒーを買いゆっくり開けながら、視線をそっと逸らす。
(……まぁ、あんだけ可愛いし、モテて当然か。別にどうでもいいけどね)
口の中に苦味が広がる。
舌の奥に、そのまま喉まで、重たく沈むような味。
「…… 夢主ちゃん、休憩、長くない?」
突然声をかけられて、夢主はピクリと肩を震わせた。
「え、あっ、すみません! いま戻ります」
「いや別にいいけどねぇ。……なに?2人でデートにでもいくの?若いっていいねぇ」
「ち、ちがいますってば!」
おついちの目は笑っていたけど、声に温度がなかった。
吉田が軽く頭を下げて去っていくと、おついちはコーヒーを飲みつつ言った。
「夢主ちゃん、あの手の男に弱いの?」
「は?」
「いやいや。ちょっとした興味。……悪いクセだね、俺」
けどそれ以上何も言わず、スッと踵を返して行ってしまう。
残された夢主は、飲もうと思っていたカフェオレを握ったまま、その背中を見送った。
——なんなんだろう、あの人。
いつもは、人の休憩に対して物を申したりするような人柄ではない…。ましては仕事さえできてれば、
「自由にしなね、休憩大事よ。」
とまで言ってくれる人なのに、何か気に障ったのかと気持ちが沈んでいく感覚がした。
***
その夜、事務所に残っていたのは三人だけ。
兄者がコラボ用の資料に目を通しつつ、弟者に話しかける。
「おついち、なんか機嫌悪くなかった?」
「あーね、なんとなく分かるけど。俺は触れないで置いとこかなぁって」
弟者が言うと、兄者が鼻で笑う。
「……嫉妬かね、あれ」
「分かりやすいよねぇ、あれで隠せてるつもりかね?」
気づかないふりをしているのは、
おついちだけじゃなかった。
夢主は、同期の吉田と笑いながら立ち話をしていた。
内容は他愛もない雑談。でも、遠目に見ると十分“親しげ”に見えた。
「え?あのカフェ、まだ行ってないの?女子って好きそうじゃん」
「行こうとは思ってたけど、いつも混んでて……」
「じゃあ今度、俺と行く?予約するからさ」
「え、なんで吉田くんと?」
冗談めかして返す夢主に、吉田がちょっと照れたように笑う。
——その会話を、偶然耳にしてしまったのが、おついちだった。
自販機に向かいコーヒーを買おうと思った矢先にいた、2人の会話が耳をつき、立ち止まったのはほんの数秒。
何も気にしないふりブラックの缶コーヒーを買いゆっくり開けながら、視線をそっと逸らす。
(……まぁ、あんだけ可愛いし、モテて当然か。別にどうでもいいけどね)
口の中に苦味が広がる。
舌の奥に、そのまま喉まで、重たく沈むような味。
「…… 夢主ちゃん、休憩、長くない?」
突然声をかけられて、夢主はピクリと肩を震わせた。
「え、あっ、すみません! いま戻ります」
「いや別にいいけどねぇ。……なに?2人でデートにでもいくの?若いっていいねぇ」
「ち、ちがいますってば!」
おついちの目は笑っていたけど、声に温度がなかった。
吉田が軽く頭を下げて去っていくと、おついちはコーヒーを飲みつつ言った。
「夢主ちゃん、あの手の男に弱いの?」
「は?」
「いやいや。ちょっとした興味。……悪いクセだね、俺」
けどそれ以上何も言わず、スッと踵を返して行ってしまう。
残された夢主は、飲もうと思っていたカフェオレを握ったまま、その背中を見送った。
——なんなんだろう、あの人。
いつもは、人の休憩に対して物を申したりするような人柄ではない…。ましては仕事さえできてれば、
「自由にしなね、休憩大事よ。」
とまで言ってくれる人なのに、何か気に障ったのかと気持ちが沈んでいく感覚がした。
***
その夜、事務所に残っていたのは三人だけ。
兄者がコラボ用の資料に目を通しつつ、弟者に話しかける。
「おついち、なんか機嫌悪くなかった?」
「あーね、なんとなく分かるけど。俺は触れないで置いとこかなぁって」
弟者が言うと、兄者が鼻で笑う。
「……嫉妬かね、あれ」
「分かりやすいよねぇ、あれで隠せてるつもりかね?」
気づかないふりをしているのは、
おついちだけじゃなかった。
