またまた別の鋼の錬金術師とるろうに剣心のクロスオーバーネタ

るろうに剣心原作開始よりも数年前にエドワードは記憶と左脚を失い、日本の神谷家に保護されます。原作の薫がお人好しで身元が分からなくても誰でも助ける人物だったのは両親に似たからかな?と思ったので多分薫の両親が助けたのでしょう。
目が覚めるまでうなされながら「ある」という名前を何度も呟き、周囲からは「在留(ある)」と呼ばれるようになります。面倒なのでこちらではエドで統一しますね。
錬金術も記憶もなくともエドの魂に刻みついている等価交換。助けられたら助ける。恩を返すために戸惑いながらも世話になることを決めました。

日本語や日本の所作は軽々とマスターし、この時代に金髪は目立つということで染料を使って黒髪に染めたり馴染むための努力をします。
機械鎧については…流石のエドも専門家ではないので完全再現は無理だと思います。ただ日常生活を送るのに支障がないくらいならば改造は可能では?と思うのでるろうに剣心世界での義肢職人の技術や人体の構造を学びながら拾われた時に近くに落ちていた義肢(機械鎧)を参考に歩いたり走ったり出来る義足を作って生活しています。
戦闘は流石に無理なのでエドには別の役割があります。
また自分が人よりも物事を少しよく知っていると理解してからはそれを活用して家計を支えたりしています。例えば帳簿付ける(理数系だったので計算は得意)、薬草採りから薬作りまで、肥料改良(バリバリ化学の分野だし医学の分野も学んでいたので得意)などなど。
神谷夫妻が亡くなり泣き崩れる薫の事も
「大丈夫。だんな様たちの分まで、お嬢(薫)が一人前になるまで私が支えるよ」
と姉っぷりを発揮する。
きっとこの話の薫は剣心ルートには行かずシスコン(ちょっと百合?)ルートに行くと思います。
エドの話し方や素の性格は本編通りです。ただ周囲の人間の所作などを観察してそれが相応しくないと判断。美少女というアドバンテージを最大限に活かし、柔らかく、笑顔で、……なんとなくイメージ出来たのが記憶にない弟の言動という。
エドのアルフォンスへの愛情もかなり重いです。

薫がそれなりに大きくなり、エドは出稼ぎがてら旅をすることにします。理由の1つとして各地を転々とすることで自分を知る人に出会えるかもしれないことがあります。
自分が罪を犯したことは覚えていなくても、記憶喪失になった原因に忘れる前の自分が何かやらかしたからそうなったのでは?など無意識に思っており、自分の知識で誰かを助けたいと行動しています。
この話のエドは錬金術は使えなくなっていますが、代わりに気功を習得している設定です。
錬金術や合気道が力の流れを読み取るものならば同じように気の流れを読むことも習得できるかなと(原作のシンの練丹術は習得出来ませんでしたが)。
ある時ある村で医師や教師の真似事をしていた時に剣心に出会います。剣心はまだ原作よりも若い予定で村の子どもが破落戸に絡まれていたから追い払って、最後に足を滑らせて頭を打ったと子どもたちに運ばれてきたとのこと。
頭を打ったからしばらく村に留まるようエドは進言しつつ、雑務などを手伝わせます。(助けてくれたことには村の子どもたちからお礼されてるけど、エドには治療費払えないよね?とか言いくるめられる)
村に逗留し剣心とエドが交流を深めて数日後、剣心に追い払われた破落戸が逆恨みをして村を襲撃に帰ってきます。まあ剣心に追い払われます。
その晩2人はエドが借りている小屋で酒を飲みかわします。

「在留殿はこうなることを知っていて拙者を引き留めたのでござるか?」
「ははは…バレちゃいました?」
「以前からああいった者の被害に遭っていた。だがここら辺は警官もなかなか来ないところであったし、実害があってからでは遅い」
「はい。そこで緋村さんが来てくれて彼奴らを刺激してくれたでしょう?これを切っ掛けに一網打尽に出来ないかなーってちょっと煽ったりもして」
「あまり無茶するでない」
「それは…うん。でも利用してごめんなさい」
「別にそれは良いのだが…出来れば知られたくなかった…」
「抜刀斎のことですか?」
「…」
「…嫌なことも思い出させちゃってごめんなさい。ただ…緋村さんが昔抜刀斎であろうがなかろうがこの村を助けてくれて本当に感謝してます」
「…感謝なんて…」
「あ、じゃあ私も。私の秘密を打ち明けてもいいですか?それでチャラってことで」
「在留殿の秘密?」
「はい。私は在留。そこに居るという意味を込めてだんな様がつけて下さった…私の名前です」
「だんな様…?」
「はい。拾われて目が覚めるまで、私はある、あるって魘されていたみたいなんです。結局私の記憶は戻らなくて、未だにあるが何だかわからないんです」
「記憶がない、のでごさるか」
「別にだからって不自由でも不幸でもないんだけどね。でも…自分のこと全部忘れても忘れなかったあるが何なのかどうしても気になって…ううん。思い出さなきゃいけないと思ったから旅をしてるんです」

剣心はこの数日在留と過ごし優しさや強さに惹かれて、エドも剣心の誠実で温かい人柄に触れ、徐々に心を開いていきます。

「じゃあ、本当にありがとうございました」
「いや…また会えるといいでござるな」
「はい!…その時は本当の名前を、緋村さんに呼んでもらいたいです」
「今の名も良い名だと思うが…いつかまた会った時に」

こんな感じで再会を約束して別れます。
その後は原作の途中でエドが出稼ぎの旅から帰ってきて再会して、エドも含め原作の展開です。
大体弥彦が剣心組に入ってからにしようかなと思ってます。
エドは最初の方に言った通り京都編では戦闘に参加出来ません。ただ気功による治療や元国家錬金術師の頭脳を駆使してサポート役として参加する予定です。(薫と弥彦が心配で着いてきた)
葵屋が壊された折に義足が建物の下敷きになって破壊。そのまま人誅編に突入します。
(スペアの義足はあるから東京に戻り次第つけ直しますのでご安心を)

人誅編はかなり…シャンバラを征く者を意識した流れになっています。オリジナル要素がてんこ盛りなのでご注意を。
まず縁の部下にるろうに剣心世界の錬金術の知識を持つ錬金術師がいます。
この人はこのままでは日本は諸外国に狙われてしまうと日本の将来を憂い、日本を強くすることを考えていました。
そこで考えたのが日本を外国から守るために結界を作ること、そして異なる世界と日本を繋ぎその力を日本のために役立てることでした。
そのために必要となったもの、それが多くの魂です。縁の組織は志々雄真実と関連があったので、内部にこの錬金術師が潜り込み戦火で亡くなった魂を収集して賢者の石もどきを作っていました。
そして人誅編、時が来たと言わんばかりに錬金術を発動させます。
ですがその錬金術師では技量が足りず発動には至りませんでした。そのためこの話の中で縁に攫われるのはエドです。
縁的には全く錬金術など信じてないし興味もありません。部下が何を思って人誅に乗ってきたとか剣心への恨みとかには原作でそうであったように全く興味がないからです。もし失敗して日本が滅びることになれば御の字だなというくらい。
ただエドにより錬金術が発動され、二つの世界が繋がる様を見て「この力があれば死んだ姉を甦らせることが出来るのでは?」と望んでしまいます。
エドはエドで足りない対価を補うために自らを犠牲にし死亡した錬金術師の最期を目の当たりにし、記憶が断片的に蘇ります。混乱するエドに追い打ちをかけるようにそれでも対価が足りなかったため錬金術は不完全な状態で暴走し始めます。
二つの世界の力の流れが乱れ、気象、重力、その他色々なものが局所的に強くなったりその逆になったりして、縁のアジトのある島が乱れまくります。
そこでアルフォンスと再会するエド。エドはそばに居た縁が見当たらないことに気づきアルフォンスと探して見つけた時、縁は錬成陣に近づき部下の四兄弟(南の島の敵です)を生贄に姉を生き返らせようとしてました。エルリック姉弟は縁を止めます。死んだ人間はどんなに対価を払おうと蘇ることは無いと。
目の前には再会した姉弟。そして自分は最愛の姉には永遠にもう会えないと告げられ縁は激昂します。何故。どうして。エルリック姉弟と自分たちは同じ姉弟なのに。アイツさえ居なければ、抜刀斎さえ居なければ、俺だって姉とずっと。
縁の悲しみと憎しみ、狂気と愛情の籠った咆哮を黙って聞き入れる姉弟。

「…辛いよね。僕も姉さんとずっと会えなくて、辛かった。会えないことと…忘れたくないのに勝手に姉さんとの思い出が過去になって、だんだん薄れていくのが怖くて」
「…もし私が死んで、アルが私を生き返らせるためにたくさんのものを喪ったり、罪を犯したら、私は私もアルも許せない。そんなバカなことしたアルもそんなことさせちまった私も…二度と笑えなくなると思う」
「…ごめんね。上手いこと言えなくて。だけど僕も姉さんも同じようなことをして、たくさんのものを無くしてきたから。貴方が貴方のお姉さんをどんなに生き返らせようとしても止めるよ」
「アンタら姉弟がどんなんだったか分かんねーけど、姉として私はお前を止めたい。剣心との決着を着けたきゃ着けろ。私は止めない…でないとケジメがつかねぇんだろ?だからこっちは諦めてくれ…頼む」

姉弟は錬金術の暴走を止めるべく走り出します。一方縁は剣心との決着へと足を進めます。正直そんな決着をつけられるような状態じゃないとは思うのですが、縁が出来ることはありませんから。とりあえず姉を甦らせることは諦めます。
剣心と再会し胸の内を明かします。縁はエドとアルフォンスの姉弟を見て
「自分も姉を助けられるような存在で在りたかった」
「抜刀斎(剣心)に斬られた姉を守ってやれなかった自分への怒りを全て抜刀斎に向ける事しか出来なかった弱い自分に腹が立つ」
という剣心への憎しみの中でいくつかの答えを導き出します。ただそれを抜きにしても剣心への憎しみは消えないので決着は着けさせてもらう。縁のその申し出に剣心は応じ2人はぶつかり合います。
ここら辺はOVAの星霜編の流れですね。剣心は一対一で1人で縁と決着をつけに来ました。(船に仲間をいるかもしれませんが)

エドは気功により力の流れを汲み取り錬成陣を解析し、制御している間に錬成陣を破壊するようアルに頼みます。
ですがアルは躊躇います。なぜなら今の力の暴走が治まればまたエドと離れ離れになるかもしれないからです。

剣心が決着を着けた頃、エドは戻ってきました。剣心は驚きました。何故なら縁からエドが記憶を取り戻し弟と会ったことを聞き、もう戻ってこないと思っていたからです。
そんな剣心にエドは笑いながら言います。ちゃんと別れは済ましてきたから大丈夫と。

「何故…」
「約束しただろ?本当の名前、思い出したら教えるって」
「……だが」
「…それだけじゃない。私がここに残りたかった。剣心ともっと一緒にいたかった、だから残ったんだ」

剣心とエドはお互いの気持ちを伝え合いました。その後東京に戻りしばらくして、剣心は奇妙な夢を見ます。
大きな扉にはエドの過去が映し出されている。ひとつは原作通りみんなの力を借りて不完全だけど元の身体に戻りまた旅に出たエドが、古代遺跡(錬金術を使った)の力によって真理の元へ。そして真理の扉をくぐったことで対価を支払わないとその場から出ていけないと告げられ、元の世界に戻れなくてもここで死ぬ訳には行かないとエドは対価を支払い扉から出て神谷家へ。
もうひとつの扉に映っていたものは旧アニメの鋼の錬金術師でのエド。アルフォンスを蘇らせようとして他の世界に飛ばされた先が神谷家だった。
2つの異なるエドの記憶に戸惑っていると真理が現れ、それがエドの対価だと告げる。
扉をくぐったことで他の世界の自分の記憶を見た、そしてどちらが本当に自分が体験してきた記憶か分からないことが対価だと。もしかしたら母親や他の誰かを手にかけたかもしれない可能性を抱えながら一生を生きていくこと、錬金術を使えないためそれを確かめるすべがないこと。

剣心はそれをただの夢として受け止め、ほんの少しでも思い出せたことが良かったと言ったエドを信じ続けます。そんなエドワードを生涯守り続けたいと心に決めます。ある朝、剣心はエドに「一生を共に過ごしたい」とプロポーズします。
エドワードもそれを受け入れ
「等価交換だ。私の人生半分やるから剣心の人生も半分ちょうだい」

お互いに背負うものも捨てちゃいけないものもあるので全部を相手に捧げることは出来ない。という訳で原作のプロポーズの半分で、のままを採用しました。
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