あなたが猫になったら誰に会いに行きますか?
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ど、どうしよう?! とファレスターが部屋中を歩き回っていると、トントン、というノック音が。
「ファレスターちゃん、いるかい?」
この声はもしかして、マスターハンドさん?!
助けて下さい、と叫ぼうにも、ファレスターの口から出てくるのはニャーニャーと鳴き声ばかり。そうこうしている内に、マスターハンドが不思議な力で扉の鍵を開け、入るよ〜と女性の部屋にずかずかと入って来た。
「あ、やっぱり! 猫化の魔法、成功したんだね〜」
はい……?
マスターハンドの言葉が理解不能で、その場で固まるファレスター。
しかし、マスターハンドはそんなファレスターの心境を知ってか知らずか、ヘラヘラ笑いながら言葉を続けた。
「いやぁ、急にね、ファレスターちゃんを猫にしてみたいなぁって思ってね! 思った以上にかわいくなって嬉しいよ〜」
そう言ってマスターハンドはファレスターの体をふわりと宙に浮かせた。このままビンタくらいしてやりたいが、腕も短いので届かない。
「ハハッ、暴れる猫のファレスターちゃんもかわいいね〜」とマスターハンドは笑う。「このまま何日かこのままにしようかな? それともみんなに見せびらせに回ろうかなー?」
どっちもお断りだ。
反論しようにも、出てくるのはニャーという声ばかりで、それはマスターハンドを喜ばせるだけにしか過ぎなかった。
「ああ、そうだ、僕の部屋に連れて行ってペットにしてもいいなぁ……大事にするから、ね?」
僕は優しいから、なんてマスターハンドは自分で言いながら、ファレスターをゆっくりと抱きかかえた。
手の姿であるマスターハンドが、四本の指を緩やかに曲げてブランコのような形になっているのが抱っこになるのかは分からないが……。
どうせなら、マスターハンドが人間化した姿が見れたらよかったのに、とファレスターが密かに思っても、猫で喋れない今は伝わらないらしい。
「さぁ、このまま、僕の部屋に連れていこうかなぁ!」
うきうきした様子のマスターハンドに半ば掴まれたままのファレスターに抵抗の余地すら与えてくれないらしい。
このままマスターハンドに振り回されるのだろうとファレスターが諦めていた時。
「ちょっと、マスターハンドさん?!」
ファレスターの部屋の前に立ちはだかっていたのは、なぜか怒っている様子のエミリー。その後ろには、少し怯えた様子のエマや、両手を腰に当てているフレイがいた。
「エマから聞いたわ。まだ、ファレスターさんは部屋から出ていないはずよ」とエミリーは怒った口調で続ける。「ファレスターさんはどこ?」
もしかして、エミリーさんたちは助けに来てくれたのではないか……?
そう思うと、じっとはしていられないと、ファレスターはマスターハンドから抜け出そうと足掻いた……。
「ニャー!!!!」
エミリーたちの突然の登場に、マスターハンドの力は少し緩んでいた。その隙にファレスターは精一杯声を上げ、マスターハンドに向かって大きく引っ掻くことに成功した。
「うわぁ?!」
マスターハンドはよろめき、その隙にファレスターは全力で飛び上がり、エミリーの腕へと飛び込んだ。
「猫……もしかしてマスターハンドさん、ファレスターさんに変な魔法でも掛けたんでしょうね?!」
「ぼ、僕は、そんな、邪な考えは……」
マスターハンドは明らかに動揺した様子で、手のひらを向けてひらひらとさせた。
「エマ、アレを用意して」
「はいなの、エミリー」
エミリーがエマに何を指示したのか。それは見なくても分かった。注射器だ。
「そんな危ないものをどうしてここに……」
「大丈夫、ただの鎮静剤よ?」
たじろくマスターハンドに対して、エミリーの目に怒りの闇が見えた。
「逃げろ〜!」
マスターハンドは全速力で逃げ出した。
「逃がさないわよ! フレイ、やっちゃって!」
「はーい!」
エミリーの指示に従って駆け出したフレイ。
「さて、ファレスターさんは元に戻る方法を探すわね♪」
さっきの態度とは丸っきり真逆の笑顔を見せてきたエミリー。
「ニャ、ニャー」
ファレスターはとにかく返事をした。
遠くでドタバタと激しい音が聞こえる。
今日も、屋敷は賑やかなようだ。
「ファレスターちゃん、いるかい?」
この声はもしかして、マスターハンドさん?!
助けて下さい、と叫ぼうにも、ファレスターの口から出てくるのはニャーニャーと鳴き声ばかり。そうこうしている内に、マスターハンドが不思議な力で扉の鍵を開け、入るよ〜と女性の部屋にずかずかと入って来た。
「あ、やっぱり! 猫化の魔法、成功したんだね〜」
はい……?
マスターハンドの言葉が理解不能で、その場で固まるファレスター。
しかし、マスターハンドはそんなファレスターの心境を知ってか知らずか、ヘラヘラ笑いながら言葉を続けた。
「いやぁ、急にね、ファレスターちゃんを猫にしてみたいなぁって思ってね! 思った以上にかわいくなって嬉しいよ〜」
そう言ってマスターハンドはファレスターの体をふわりと宙に浮かせた。このままビンタくらいしてやりたいが、腕も短いので届かない。
「ハハッ、暴れる猫のファレスターちゃんもかわいいね〜」とマスターハンドは笑う。「このまま何日かこのままにしようかな? それともみんなに見せびらせに回ろうかなー?」
どっちもお断りだ。
反論しようにも、出てくるのはニャーという声ばかりで、それはマスターハンドを喜ばせるだけにしか過ぎなかった。
「ああ、そうだ、僕の部屋に連れて行ってペットにしてもいいなぁ……大事にするから、ね?」
僕は優しいから、なんてマスターハンドは自分で言いながら、ファレスターをゆっくりと抱きかかえた。
手の姿であるマスターハンドが、四本の指を緩やかに曲げてブランコのような形になっているのが抱っこになるのかは分からないが……。
どうせなら、マスターハンドが人間化した姿が見れたらよかったのに、とファレスターが密かに思っても、猫で喋れない今は伝わらないらしい。
「さぁ、このまま、僕の部屋に連れていこうかなぁ!」
うきうきした様子のマスターハンドに半ば掴まれたままのファレスターに抵抗の余地すら与えてくれないらしい。
このままマスターハンドに振り回されるのだろうとファレスターが諦めていた時。
「ちょっと、マスターハンドさん?!」
ファレスターの部屋の前に立ちはだかっていたのは、なぜか怒っている様子のエミリー。その後ろには、少し怯えた様子のエマや、両手を腰に当てているフレイがいた。
「エマから聞いたわ。まだ、ファレスターさんは部屋から出ていないはずよ」とエミリーは怒った口調で続ける。「ファレスターさんはどこ?」
もしかして、エミリーさんたちは助けに来てくれたのではないか……?
そう思うと、じっとはしていられないと、ファレスターはマスターハンドから抜け出そうと足掻いた……。
「ニャー!!!!」
エミリーたちの突然の登場に、マスターハンドの力は少し緩んでいた。その隙にファレスターは精一杯声を上げ、マスターハンドに向かって大きく引っ掻くことに成功した。
「うわぁ?!」
マスターハンドはよろめき、その隙にファレスターは全力で飛び上がり、エミリーの腕へと飛び込んだ。
「猫……もしかしてマスターハンドさん、ファレスターさんに変な魔法でも掛けたんでしょうね?!」
「ぼ、僕は、そんな、邪な考えは……」
マスターハンドは明らかに動揺した様子で、手のひらを向けてひらひらとさせた。
「エマ、アレを用意して」
「はいなの、エミリー」
エミリーがエマに何を指示したのか。それは見なくても分かった。注射器だ。
「そんな危ないものをどうしてここに……」
「大丈夫、ただの鎮静剤よ?」
たじろくマスターハンドに対して、エミリーの目に怒りの闇が見えた。
「逃げろ〜!」
マスターハンドは全速力で逃げ出した。
「逃がさないわよ! フレイ、やっちゃって!」
「はーい!」
エミリーの指示に従って駆け出したフレイ。
「さて、ファレスターさんは元に戻る方法を探すわね♪」
さっきの態度とは丸っきり真逆の笑顔を見せてきたエミリー。
「ニャ、ニャー」
ファレスターはとにかく返事をした。
遠くでドタバタと激しい音が聞こえる。
今日も、屋敷は賑やかなようだ。