誰がための夜
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オレは確かに、セルウィアの町にいたはずだった。
一件のことが終わり、穏やか町の暮らしが再び始まったオレは、レストやフレイへの罪悪感を全て拭えないまま、詫びるように店の準備をしていた。
ばぁさんはまだ寝ている。その間に、仕事を終わらせようと思った。
その時だった。
仕事中にうっかり商品にぶつかってしまい、ふらりと傾いたそれを受け止めようと床に滑り込んだ時、オレは見知らぬ世界に飛ばされていた。
「ここ、どこだろう……?」
「見たことのない森……あ、ダグもいるんだね!」
見知らぬ世界には、レストやフレイもやって来ていた。
「なんだ、お前もいるのかよ」
ついでに、ディラスもだ。
ざっと見てみると、自分を含めて八人の町の住民がこの世界に飛ばされてきたらしかった。他に分かることといえば、近くに開けた丘があり、一面が花畑だということ。
「おや、こんなところにも人が」
「放って置けヨ」
間もなく、巨大な喋る両手が現れ、みんなは騒然とした。もちろんオレも。
聞くところによると、ここには、十二の別々の世界からやって来た人……いや、動物や半獣やどこかしらの種族だろう男女が、三百人程度いるだけということだった。
そして明らかに強大な力を持ってそうな喋る両手が、森ばかりだった何もないこの土地に全員の住処となる塔をあっという間に創り上げたのだが、オレには未だに、この現実が受け入れられずにいた。
この両手が、全ての首謀者なんじゃないか、と疑ったこともあった。
けど、そう考えるのはすぐにはやめた。オレたちのリーダーともなるあのお人好しのレストとフレイが、気兼ねなく両手のことを信じている。
いつも、何かしらある度にみんなを助けてきた王子と王女だ。オレもあの二人に助けられたのだから……と思っていたのだが。
「なんで宴をやることになったんだヨ?」
オレにはさっぱり分からなかった。
一件のことが終わり、穏やか町の暮らしが再び始まったオレは、レストやフレイへの罪悪感を全て拭えないまま、詫びるように店の準備をしていた。
ばぁさんはまだ寝ている。その間に、仕事を終わらせようと思った。
その時だった。
仕事中にうっかり商品にぶつかってしまい、ふらりと傾いたそれを受け止めようと床に滑り込んだ時、オレは見知らぬ世界に飛ばされていた。
「ここ、どこだろう……?」
「見たことのない森……あ、ダグもいるんだね!」
見知らぬ世界には、レストやフレイもやって来ていた。
「なんだ、お前もいるのかよ」
ついでに、ディラスもだ。
ざっと見てみると、自分を含めて八人の町の住民がこの世界に飛ばされてきたらしかった。他に分かることといえば、近くに開けた丘があり、一面が花畑だということ。
「おや、こんなところにも人が」
「放って置けヨ」
間もなく、巨大な喋る両手が現れ、みんなは騒然とした。もちろんオレも。
聞くところによると、ここには、十二の別々の世界からやって来た人……いや、動物や半獣やどこかしらの種族だろう男女が、三百人程度いるだけということだった。
そして明らかに強大な力を持ってそうな喋る両手が、森ばかりだった何もないこの土地に全員の住処となる塔をあっという間に創り上げたのだが、オレには未だに、この現実が受け入れられずにいた。
この両手が、全ての首謀者なんじゃないか、と疑ったこともあった。
けど、そう考えるのはすぐにはやめた。オレたちのリーダーともなるあのお人好しのレストとフレイが、気兼ねなく両手のことを信じている。
いつも、何かしらある度にみんなを助けてきた王子と王女だ。オレもあの二人に助けられたのだから……と思っていたのだが。
「なんで宴をやることになったんだヨ?」
オレにはさっぱり分からなかった。
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