バレンタイン前日
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「これを入れると、チョコレートが食べやすくなる」
ネロは少し面倒くさそうな顔をしつつも、ファレスターにアドバイスをしてくれる。それどころか、クリームの泡立てに苦労をしていると、こうやるんだと手本を見せてくれて、小気味よくかき混ぜるネロの手が、あっという間にふわふわとしたクリームが出来上がった。
「やっぱ、プロの料理人はすごいです……」
と素直な感想を漏らすと、ありがとさん、とネロの口角が上がる。
けれども、すぐにはその表情も消え、次にはチョコレート作りの指示が飛ぶ。
「次は、これにかけるんだよな?」
「はい!」
手作りチョコレートの作り方は知っているだろうに、確かめるように一つ一つ訊いてくる丁寧なネロが心から好きだった。この恋心は、バレてはいないようだけれども。
私はチョコレートを型に流し込んだ。その上にそっとクリームを乗せて冷蔵庫に入れる。
「ありがとうございました! 助かりました!」
ファレスターが深く頭を下げて礼を言うと、ネロは控えめに笑った。
「これくらい、大したことねぇよ」
それじゃあ、あとは待つだけだからそろそろ部屋に戻りますね、とファレスターが踵を返した時。
ぐいっと手を引かれて足が止まる。
「ネロ……?」
こんな強引に引き止められるとは思わなかったので、不思議に思いながらファレスターはネロを見上げた。
ネロはどこか不安そうな顔をしていた。ファレスターがその目をみつめるとすぐに逸らされてしまったが。
「悪い。なんでもない」
ネロはそう言って手を離す。
ネロらしくないなと思いながらも、大丈夫ですよと元気づけようと言ってみるが、ネロから申し訳なさそうな顔は消えない。
「それじゃあ……おやすみなさい、ネロ」
「あ、ああ……おやすみ、ファレスター」
明日、ネロの目の前で作ったネロに渡すチョコ、渡したらどんな顔するのかな。
元気になって欲しいけれど……。
二人が両片想いだったということは、明日、知ることとなる。
ネロは少し面倒くさそうな顔をしつつも、ファレスターにアドバイスをしてくれる。それどころか、クリームの泡立てに苦労をしていると、こうやるんだと手本を見せてくれて、小気味よくかき混ぜるネロの手が、あっという間にふわふわとしたクリームが出来上がった。
「やっぱ、プロの料理人はすごいです……」
と素直な感想を漏らすと、ありがとさん、とネロの口角が上がる。
けれども、すぐにはその表情も消え、次にはチョコレート作りの指示が飛ぶ。
「次は、これにかけるんだよな?」
「はい!」
手作りチョコレートの作り方は知っているだろうに、確かめるように一つ一つ訊いてくる丁寧なネロが心から好きだった。この恋心は、バレてはいないようだけれども。
私はチョコレートを型に流し込んだ。その上にそっとクリームを乗せて冷蔵庫に入れる。
「ありがとうございました! 助かりました!」
ファレスターが深く頭を下げて礼を言うと、ネロは控えめに笑った。
「これくらい、大したことねぇよ」
それじゃあ、あとは待つだけだからそろそろ部屋に戻りますね、とファレスターが踵を返した時。
ぐいっと手を引かれて足が止まる。
「ネロ……?」
こんな強引に引き止められるとは思わなかったので、不思議に思いながらファレスターはネロを見上げた。
ネロはどこか不安そうな顔をしていた。ファレスターがその目をみつめるとすぐに逸らされてしまったが。
「悪い。なんでもない」
ネロはそう言って手を離す。
ネロらしくないなと思いながらも、大丈夫ですよと元気づけようと言ってみるが、ネロから申し訳なさそうな顔は消えない。
「それじゃあ……おやすみなさい、ネロ」
「あ、ああ……おやすみ、ファレスター」
明日、ネロの目の前で作ったネロに渡すチョコ、渡したらどんな顔するのかな。
元気になって欲しいけれど……。
二人が両片想いだったということは、明日、知ることとなる。
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