砂の遺跡
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「おいおいお嬢ちゃん! その隣にいるやつがなんなのか知らないのか?」
ソニックは、フィーの存在に気付いてすぐにそう言った。フェイタンと呼ばれていた彼も、いつの間にか身構えていて警戒している様子を見せる。
「あ、フィーは、悪い人形じゃないんです……!」
ファレスターはフィーをかばって前に出た。
「悪い人形とかいい人形とかよく分からないが、この世界ではなぜか人形はオレたちを襲ってくる。本当に、その人形のことを信じていいのかよ?」
ソニックはさらに言った。
フィーはファレスターに問い掛けた。
<そうなのか、ファレスター?>
ファレスターはどきりとした。今、こうして何もしてこない人形に、あの日自分が人形に何をされそうになったか、事細かに話さなくてはいけないということだろうか。
そのことで、フィーは仲間を侮辱したとして逆上でもされたら……とファレスターは彼を振り向いた。
表情の読み取れない黒いボタンの瞳が、ファレスターを純粋に見つめていた気がした。
彼なら大丈夫。ファレスターの中で、何かがそう強くささやいた。
「……そうなんだよ、フィー」ファレスターはゆっくりと話し出した。「私はここから遠い屋敷から来たんだけど、そこで人形は、私に刃物を目の前まで寄せてきて……多分、殺されるところだった」
するとフィーは、動かない瞳の代わりに縫い糸の眉毛を大きく上げ、それから吊り下げて、そうだったのかと呟いた。
<そうなのか、人形は、悪い人形なんだな>
フィーは本当に心から落胆したような声で肩を落とした。その様子を見て、ソニックはとうとう問いただした。
「おいおい、どういうことなんだよ?」
「実は……」
ファレスターは、フィーの事情を話した。
フィーはどうやら自分が人形で、名前だけしか覚えていないこと、怪物に襲われて海に落ちた時に目が覚めるまでファレスターのそばにいてくれたことをソニックとフェイタンに説明した。
話し終えた後の反応はまちまちで、ソニックは分かりやすく驚いた表情を浮かべ、フェイタンは怪しむように眉間にシワを寄せた。
「そんなことがあるなんてな……全く、この世界はどうなってるんだよ……」
とソニックはフィーのことを受け入れてくれたようだが。
「会たばかりの、しかも人形を信じるなんてお前もお人好し過ぎるね」
フェイタンは信じていないようだった。
「まぁまぁ。攻撃してくる感じはなさそうだし、今は休戦ってところでいいだろ、な、フィー?」
<オレは戦う気なんてないけどな。そもそも戦う理由もない>
ソニックの問いに、フィーはそう答えた。
「なら、戦う理由思い出したら、私たちを殺すつもりね?」
「殺すだなんてそんな……」
あまりにも残酷な言い方に、思わずファレスターが口を挟んでしまったが、フェイタンの目は一切動じることなく、フィーを見下ろしていた。
<そうかもしれないな。でも、そうならないように努めたいと思っているぞ>
一方のフィーは紳士的な言葉を返していたが、もし、フェイタンの言っている通りになったら、自分はフィーと戦えるのだろうか、とファレスターは不安に思った。
きっと、きっと大丈夫、とファレスターは根拠もないのに心からそう祈っていて。
「ところで、ファレスターはどうして、麦わら海賊団の船に乗っていたんだ?」
そうこうしている内に、話題はファレスターへと移った。
ソニックは、フィーの存在に気付いてすぐにそう言った。フェイタンと呼ばれていた彼も、いつの間にか身構えていて警戒している様子を見せる。
「あ、フィーは、悪い人形じゃないんです……!」
ファレスターはフィーをかばって前に出た。
「悪い人形とかいい人形とかよく分からないが、この世界ではなぜか人形はオレたちを襲ってくる。本当に、その人形のことを信じていいのかよ?」
ソニックはさらに言った。
フィーはファレスターに問い掛けた。
<そうなのか、ファレスター?>
ファレスターはどきりとした。今、こうして何もしてこない人形に、あの日自分が人形に何をされそうになったか、事細かに話さなくてはいけないということだろうか。
そのことで、フィーは仲間を侮辱したとして逆上でもされたら……とファレスターは彼を振り向いた。
表情の読み取れない黒いボタンの瞳が、ファレスターを純粋に見つめていた気がした。
彼なら大丈夫。ファレスターの中で、何かがそう強くささやいた。
「……そうなんだよ、フィー」ファレスターはゆっくりと話し出した。「私はここから遠い屋敷から来たんだけど、そこで人形は、私に刃物を目の前まで寄せてきて……多分、殺されるところだった」
するとフィーは、動かない瞳の代わりに縫い糸の眉毛を大きく上げ、それから吊り下げて、そうだったのかと呟いた。
<そうなのか、人形は、悪い人形なんだな>
フィーは本当に心から落胆したような声で肩を落とした。その様子を見て、ソニックはとうとう問いただした。
「おいおい、どういうことなんだよ?」
「実は……」
ファレスターは、フィーの事情を話した。
フィーはどうやら自分が人形で、名前だけしか覚えていないこと、怪物に襲われて海に落ちた時に目が覚めるまでファレスターのそばにいてくれたことをソニックとフェイタンに説明した。
話し終えた後の反応はまちまちで、ソニックは分かりやすく驚いた表情を浮かべ、フェイタンは怪しむように眉間にシワを寄せた。
「そんなことがあるなんてな……全く、この世界はどうなってるんだよ……」
とソニックはフィーのことを受け入れてくれたようだが。
「会たばかりの、しかも人形を信じるなんてお前もお人好し過ぎるね」
フェイタンは信じていないようだった。
「まぁまぁ。攻撃してくる感じはなさそうだし、今は休戦ってところでいいだろ、な、フィー?」
<オレは戦う気なんてないけどな。そもそも戦う理由もない>
ソニックの問いに、フィーはそう答えた。
「なら、戦う理由思い出したら、私たちを殺すつもりね?」
「殺すだなんてそんな……」
あまりにも残酷な言い方に、思わずファレスターが口を挟んでしまったが、フェイタンの目は一切動じることなく、フィーを見下ろしていた。
<そうかもしれないな。でも、そうならないように努めたいと思っているぞ>
一方のフィーは紳士的な言葉を返していたが、もし、フェイタンの言っている通りになったら、自分はフィーと戦えるのだろうか、とファレスターは不安に思った。
きっと、きっと大丈夫、とファレスターは根拠もないのに心からそう祈っていて。
「ところで、ファレスターはどうして、麦わら海賊団の船に乗っていたんだ?」
そうこうしている内に、話題はファレスターへと移った。