新たな島にて
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といっても、ファレスターには今この状態ではどこも行く宛がなかった。
ファレスターとフィーは、何もない砂浜をひたすら歩き続けていた。幸い天気は晴れで、横では爽やかに波が打ちつけていた。
「あーあ、みんながいたら、ここで海で遊んだら楽しいだろうな」
あまりにもリゾートのような場所なのにスルーして歩かなくてはいけないことに、ファレスターは思わず呟いた。
<みんな? 仲間がいるのか?>
フィーは訊ねた。
「そうなの、みんな、別々の世界から来た人たちで……」
とファレスターが答えた途中で、口をつぐんでしまった。短い間だが、一緒に船旅を過ごした麦わら海賊団、出会った時からよくしてくれたマリオやピーチやフレイのことを思い出して、心苦しくなったからだ。
<どうしたんだ、ファレスター?>
フィーは心配そうにファレスターの顔を覗き込んだ。ファレスターははっとして首を振った。
「ううん、なんでもないよっ」
もしかしたら、あの海での襲撃でルフィたちとはもう……という考えが過ぎったのを無理矢理塞いだ。きっと大丈夫。みんなとまた会えるから……。
<あ、ファレスター!>その時、視線を前方に戻したフィーが声をあげた。<町みたいなのが見えるぞ! 行ってみよう、ファレスター!>
「え……」
確かに、フィーの指す方向には、建物らしい影が見えた。海に向かって石垣のようなものを積み上げて、港町のようにも見えた。
けれども少し様子がおかしい。
とファレスターが首を傾げている間に、フィーは走り出して先に町へと向かって行ってしまった。
<早く来るんだぞ、ファレスター!>
「ま、待ってっば、フィー!」
また一人になるのは嫌だと、ファレスターもフィーを追い掛けて、港の町へと踏み込んだ……。
しかし、ファレスターの違和感は的中した。
<なんだ、ここ? 色んなものがあちこち壊れているぞ……?>
「多分、ここは……」ファレスターはキョロキョロと見回しながら言葉を続けた。「廃墟になっちゃった町なんだよ……」
人がいた形跡はいくつもある町は、とうに住む人がいない廃墟街だったのだ。
フィーは分かりやすく落胆した。
<残念だぞ……ファレスターの仲間がいると思ったのに>
表情は変わらないが、代わりに体で感情表現をするフィーは本当に残念がっているようだった。
「ありがとう、フィー。でも、私たちは海から来たから、船になりそうなものをまず探して……」
ガサリ……。
背後から何か音が聞こえて、ファレスターは小さく悲鳴をあげた。次には、声を掛けられた。
「ここの町の人ね?」
ファレスターとフィーは、何もない砂浜をひたすら歩き続けていた。幸い天気は晴れで、横では爽やかに波が打ちつけていた。
「あーあ、みんながいたら、ここで海で遊んだら楽しいだろうな」
あまりにもリゾートのような場所なのにスルーして歩かなくてはいけないことに、ファレスターは思わず呟いた。
<みんな? 仲間がいるのか?>
フィーは訊ねた。
「そうなの、みんな、別々の世界から来た人たちで……」
とファレスターが答えた途中で、口をつぐんでしまった。短い間だが、一緒に船旅を過ごした麦わら海賊団、出会った時からよくしてくれたマリオやピーチやフレイのことを思い出して、心苦しくなったからだ。
<どうしたんだ、ファレスター?>
フィーは心配そうにファレスターの顔を覗き込んだ。ファレスターははっとして首を振った。
「ううん、なんでもないよっ」
もしかしたら、あの海での襲撃でルフィたちとはもう……という考えが過ぎったのを無理矢理塞いだ。きっと大丈夫。みんなとまた会えるから……。
<あ、ファレスター!>その時、視線を前方に戻したフィーが声をあげた。<町みたいなのが見えるぞ! 行ってみよう、ファレスター!>
「え……」
確かに、フィーの指す方向には、建物らしい影が見えた。海に向かって石垣のようなものを積み上げて、港町のようにも見えた。
けれども少し様子がおかしい。
とファレスターが首を傾げている間に、フィーは走り出して先に町へと向かって行ってしまった。
<早く来るんだぞ、ファレスター!>
「ま、待ってっば、フィー!」
また一人になるのは嫌だと、ファレスターもフィーを追い掛けて、港の町へと踏み込んだ……。
しかし、ファレスターの違和感は的中した。
<なんだ、ここ? 色んなものがあちこち壊れているぞ……?>
「多分、ここは……」ファレスターはキョロキョロと見回しながら言葉を続けた。「廃墟になっちゃった町なんだよ……」
人がいた形跡はいくつもある町は、とうに住む人がいない廃墟街だったのだ。
フィーは分かりやすく落胆した。
<残念だぞ……ファレスターの仲間がいると思ったのに>
表情は変わらないが、代わりに体で感情表現をするフィーは本当に残念がっているようだった。
「ありがとう、フィー。でも、私たちは海から来たから、船になりそうなものをまず探して……」
ガサリ……。
背後から何か音が聞こえて、ファレスターは小さく悲鳴をあげた。次には、声を掛けられた。
「ここの町の人ね?」