船での過ごし方
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ファレスターは、オーエンについて、という見出しのページを見つけた。
屋敷の住民は皆いい人であったが、彼だけは異質な雰囲気を醸し出していた。ファレスターが少し気になっていた魔法使い。
最初に読んでいたところ、晶の世界では、魔法使いは東西南北中央と、それぞれの国に影響されたような性格や魔法を使いこなすらしかった。その中でも恐ろしく、強い魔法使いが多い北の国の魔法使いが、オーエンと記されていた。
オーエンの詳細を読みながら、ファレスターは実際会った彼のことを思い返していた。
銀髪で、オッドアイで、スーツのようなものを着ていた彼。怪しい言葉を使っていたが……それにしても、美しい顔立ちだったなぁ、と。
さらにオーエンについて読み進めていると、甘い物が好きとのことで、晶のメモによると、任務とかお願いがある時は甘い物を用意する、とまで書いてあった。
(確かに、あの時はホイップクリームを欲しがっていたっけ)
そう、動物の言葉が分かるからと。
しかし、なぜオーエンが動物の言葉が分かるのかまでは判明していないようで、それについての詳細はなかった。だがもう一つ、気になる箇所が書かれてあった。
厄災の傷。
「え……?」
厄災、とはなんなのか。
どこか読み飛ばしたところがあるのでは、とファレスターが慌ててページを見返している内に、サンジの声が飛んだ。
「おめェら、飯出来たぞ!」
ファレスターも返事をし、食堂へと向かった。
その後、ファレスターに読書の時間はなかった。
海が急に荒れ始め、麦わらの海賊団たちは慌ただしく備えの動きをし出したからだ。
ファレスターも何か手伝うことがあるかと問えば、無事でいることが大事だと言われ、みんなの邪魔にならないようにと、船内で待機するおととした。
こういう時、自分に体力やずば抜けた頭脳とかあれば、とファレスターの脳内を過ぎったが、いや、マイナス思考はいけないと首を振り、間もなく来るだろう波に備えて頑丈そうな柱にしがみついた。
ぐらり……。
それは、想像したより大きな傾きだった。
ファレスターが思わぬ揺れに悲鳴を上げている内に、外からドタドタと足音が聞こえ、次には打ち寄せる波の音が襲いかかってきた。
さらには、誰かの叫び声が聞こえた。
「戦いに備えろ!」
確かこれは、サンジの声……?
こんな時に敵が襲ってきたのだろうか……?!
やはり手伝いに行きたいとファレスターは歩こうとしたが、慣れない船上での歩行はかなり難しい。ふらふらしている内に、外からの音はますます激しくなり、ファレスターは心配になりながら、なんとかドアノブへ手を掛けた……。
ザザァァっ……!
一際大きな波が、麦わら海賊船を襲った。
その勢いで部屋の扉が大きく開き、同時に、ファレスターの体は外へと放り出された。
「ファレスター!」
ルフィやみんなはすぐに気付いたが、空中でどうすることも出来ないファレスターは、言葉にならない声を上げるばかり。
「待ってろ、今助け……」
視界の端で、ルフィが腕を伸ばそうとしていたのが見えた。しかし、背後から巨大な触手が伸び、それは出来なかった。
「ブォォオオオオオオ!」
鈍い汽笛のような咆哮。
目を上げると、角の生えた大きなタコの姿が……!
何あれ! という言葉は、ファレスターから発することはなかった。ファレスターは海の中へと落とされたからだった……。
屋敷の住民は皆いい人であったが、彼だけは異質な雰囲気を醸し出していた。ファレスターが少し気になっていた魔法使い。
最初に読んでいたところ、晶の世界では、魔法使いは東西南北中央と、それぞれの国に影響されたような性格や魔法を使いこなすらしかった。その中でも恐ろしく、強い魔法使いが多い北の国の魔法使いが、オーエンと記されていた。
オーエンの詳細を読みながら、ファレスターは実際会った彼のことを思い返していた。
銀髪で、オッドアイで、スーツのようなものを着ていた彼。怪しい言葉を使っていたが……それにしても、美しい顔立ちだったなぁ、と。
さらにオーエンについて読み進めていると、甘い物が好きとのことで、晶のメモによると、任務とかお願いがある時は甘い物を用意する、とまで書いてあった。
(確かに、あの時はホイップクリームを欲しがっていたっけ)
そう、動物の言葉が分かるからと。
しかし、なぜオーエンが動物の言葉が分かるのかまでは判明していないようで、それについての詳細はなかった。だがもう一つ、気になる箇所が書かれてあった。
厄災の傷。
「え……?」
厄災、とはなんなのか。
どこか読み飛ばしたところがあるのでは、とファレスターが慌ててページを見返している内に、サンジの声が飛んだ。
「おめェら、飯出来たぞ!」
ファレスターも返事をし、食堂へと向かった。
その後、ファレスターに読書の時間はなかった。
海が急に荒れ始め、麦わらの海賊団たちは慌ただしく備えの動きをし出したからだ。
ファレスターも何か手伝うことがあるかと問えば、無事でいることが大事だと言われ、みんなの邪魔にならないようにと、船内で待機するおととした。
こういう時、自分に体力やずば抜けた頭脳とかあれば、とファレスターの脳内を過ぎったが、いや、マイナス思考はいけないと首を振り、間もなく来るだろう波に備えて頑丈そうな柱にしがみついた。
ぐらり……。
それは、想像したより大きな傾きだった。
ファレスターが思わぬ揺れに悲鳴を上げている内に、外からドタドタと足音が聞こえ、次には打ち寄せる波の音が襲いかかってきた。
さらには、誰かの叫び声が聞こえた。
「戦いに備えろ!」
確かこれは、サンジの声……?
こんな時に敵が襲ってきたのだろうか……?!
やはり手伝いに行きたいとファレスターは歩こうとしたが、慣れない船上での歩行はかなり難しい。ふらふらしている内に、外からの音はますます激しくなり、ファレスターは心配になりながら、なんとかドアノブへ手を掛けた……。
ザザァァっ……!
一際大きな波が、麦わら海賊船を襲った。
その勢いで部屋の扉が大きく開き、同時に、ファレスターの体は外へと放り出された。
「ファレスター!」
ルフィやみんなはすぐに気付いたが、空中でどうすることも出来ないファレスターは、言葉にならない声を上げるばかり。
「待ってろ、今助け……」
視界の端で、ルフィが腕を伸ばそうとしていたのが見えた。しかし、背後から巨大な触手が伸び、それは出来なかった。
「ブォォオオオオオオ!」
鈍い汽笛のような咆哮。
目を上げると、角の生えた大きなタコの姿が……!
何あれ! という言葉は、ファレスターから発することはなかった。ファレスターは海の中へと落とされたからだった……。