船での過ごし方
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それから二週間後、いたって大きなことはなく、ファレスターたちは未だ、海の上にいた。
天気は、時々曇りはするものの雨が降ることもなく、海も荒れることもなかった。
ファレスターは、だいぶ船での過ごし方が分かってきていて、朝早めにシャワーを浴びることにしていた。昼間に浴室にいると、間もなく誰かが入ってくることがあるからだ。
それに、サンジにいたっては、覗きもしないのに扉の前で鼻血を出しすぎて倒れていたことも。
ファレスターがシャワーを浴び終えると、同じく早起きなロビンが、おはようと声をかけてくる。いつも早いですねとファレスターは言葉を返すが、ここは四方を海に囲まれているので、見張りの役もあるのだろうな、と密かに予想はしていた。
ファレスターはそれから、朝食の時間まで読書をしていた。まだみんなが寝ていて静かだし、何より、ゆらゆらと揺られながら朝日を眺めるこの時間が好きだった。
「さて、と……」
ファレスターは適当な椅子に腰を下ろし、ウエストポーチから賢者の書を取り出した。ここ二週間、ここの人たちや船に慣れるまでゆっくりと読めていなかったので、ようやく自分の読書の時間が取れた。
「まずは……あ、魔法のことか」
ファレスターは独り言を言いながら、晶の賢者の書を読み進めた。そこには、魔法や魔法使いについて細かく分かりやすく書かれていて、なんと、死んだ魔法使いは石になってしまうということも書いてあって驚いた。
「今日は何を読んでいるのかしら?」
間もなく、シャワーを終えて戻ってきたロビンが、ファレスターにそう訊ねてきた。ファレスターが正直に賢者の書のことを話すと、ああ、それね、と頷いた。
「とても興味深いことが書いてあるわよね。マナ石を、異世界の私たちが食べたらどうなるかしら」
「うーん、でも、晶さんたちの世界でも人間は食べれないみたいだから……」
「悪魔の実の能力者が、そちらの世界では魔法使いだったら?」
「あ、そっか……そういうこともあるのかも……?」
ファレスターは本から目を上げて考えてみた。晶の世界では、マナ石を食べた魔法使いは魔力が増幅して強くなる。異世界のなんらかの能力者も、食べたら強くなるのかもしれない。
「読書の邪魔をしちゃったわね。私は向こうに行ってるわ」
「あ、いえ……」
気にせずに、とファレスターは言ったが、気を遣ってくれたのか、船頭側の甲板へと向かったロビン。ロビンは歴史学者だからか、取りとめのない討論をするのが好きなような気がした。
ファレスターは申し訳なさを感じつつも、賢者の書へと視線を戻した。ファレスターには、見たいページがあった。
「……これかな?」
天気は、時々曇りはするものの雨が降ることもなく、海も荒れることもなかった。
ファレスターは、だいぶ船での過ごし方が分かってきていて、朝早めにシャワーを浴びることにしていた。昼間に浴室にいると、間もなく誰かが入ってくることがあるからだ。
それに、サンジにいたっては、覗きもしないのに扉の前で鼻血を出しすぎて倒れていたことも。
ファレスターがシャワーを浴び終えると、同じく早起きなロビンが、おはようと声をかけてくる。いつも早いですねとファレスターは言葉を返すが、ここは四方を海に囲まれているので、見張りの役もあるのだろうな、と密かに予想はしていた。
ファレスターはそれから、朝食の時間まで読書をしていた。まだみんなが寝ていて静かだし、何より、ゆらゆらと揺られながら朝日を眺めるこの時間が好きだった。
「さて、と……」
ファレスターは適当な椅子に腰を下ろし、ウエストポーチから賢者の書を取り出した。ここ二週間、ここの人たちや船に慣れるまでゆっくりと読めていなかったので、ようやく自分の読書の時間が取れた。
「まずは……あ、魔法のことか」
ファレスターは独り言を言いながら、晶の賢者の書を読み進めた。そこには、魔法や魔法使いについて細かく分かりやすく書かれていて、なんと、死んだ魔法使いは石になってしまうということも書いてあって驚いた。
「今日は何を読んでいるのかしら?」
間もなく、シャワーを終えて戻ってきたロビンが、ファレスターにそう訊ねてきた。ファレスターが正直に賢者の書のことを話すと、ああ、それね、と頷いた。
「とても興味深いことが書いてあるわよね。マナ石を、異世界の私たちが食べたらどうなるかしら」
「うーん、でも、晶さんたちの世界でも人間は食べれないみたいだから……」
「悪魔の実の能力者が、そちらの世界では魔法使いだったら?」
「あ、そっか……そういうこともあるのかも……?」
ファレスターは本から目を上げて考えてみた。晶の世界では、マナ石を食べた魔法使いは魔力が増幅して強くなる。異世界のなんらかの能力者も、食べたら強くなるのかもしれない。
「読書の邪魔をしちゃったわね。私は向こうに行ってるわ」
「あ、いえ……」
気にせずに、とファレスターは言ったが、気を遣ってくれたのか、船頭側の甲板へと向かったロビン。ロビンは歴史学者だからか、取りとめのない討論をするのが好きなような気がした。
ファレスターは申し訳なさを感じつつも、賢者の書へと視線を戻した。ファレスターには、見たいページがあった。
「……これかな?」