出発の準備2
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その日、ファレスターは明るい時間のほとんどを、ルフィたちのことが描かれたONEPIECEという漫画を借りて自室で読むことに費やした。
ファレスターの読める言葉で書かれた漫画も置いてある図書室は、ぱっと見狭く見えるのに、出揃いがいい。見て回っていない棚もあるかもしれない。
そうして、時々笑い、時々感動するONEPIECEに読み耽っていたので、フレイが夕食にファレスターを呼びに来るまで、夕方になっていたことに気付かないでいた。
「ファレスター、ご飯一緒に食べに行こ!」
「え、ご飯……?」ファレスターは窓を見やる。「もうこんな時間……?!」
日は傾き、部屋には夕陽が射し込んでいる。ファレスターがもう一度漫画へ視線を戻した時には、暗くて読みにくくなっていた。
「今行く!」
ファレスターはそう返事をし、表紙のカバーを栞に漫画を閉じると、急いで部屋を出た。
「そんな急がなくても大丈夫だよ。レストが先に席取ってくれてるはずだから♪」とフレイが優しく笑む。「それにしても、部屋で何していたの?」
「漫画を読んでて……」
言いかけて、ファレスターははっとした。漫画ばかり読んでいて、明日の準備をしていない。
「ど、どうしよう……明日の準備何もしてない……」
「明日の準備?」
「ほら、着替えとかお弁当とか準備しないと」
と言ってから、はて、海賊の船に乗るのに必要な物とはなんだろうか、とファレスターは考えた。よく考えれば、海賊船どころか、船に乗るのも初めてだ。
「食料は、サンジさんが用意してくれてるし、チョッパーが医療道具を揃えてるとは思うけど……そうだ! あとでおしゃれなお店に行って着替えの服一緒に見に行こうよ!」
「うん!」
ファレスターは頷いた。
確か、おしゃれなお店には鞄も並んでいたはずだ。鞄も持たずに船に乗る訳にはいかないだろう。
そうして、他愛もない話をしながら、ファレスターとフレイは食堂に着いた。食堂がやはり、一番人が多くて賑やかな場所だ。
本当にここは、色々な人や生き物がいる。思わずキョロキョロしちゃうと、角のある人や動物の耳がある人も見かけた。まるで、ファンタジーな世界に飛び込んで来たみたいだ。
「あ、ファレスターさん」
こっちこっち、と呼び掛ける声。
「やっほー、レスト!」
とフレイが手を振った先に、金髪の少年が手を振り返していた。……レストだ。
「こんにちは、レストさん!」
とファレスターが挨拶をすると、レストは目を細めた。
「こんにちは、ファレスターさん。席は取って置いたよ」
そう言ってレストは、場所取りに使っていたのだろう札をテーブルに上げた。
「ありがとう、レスト! 行こう、ファレスター!」
「うん!」
ファレスターはフレイに手を引かれてレストが場所取りをしていた席に腰を下ろした。
ファレスターの読める言葉で書かれた漫画も置いてある図書室は、ぱっと見狭く見えるのに、出揃いがいい。見て回っていない棚もあるかもしれない。
そうして、時々笑い、時々感動するONEPIECEに読み耽っていたので、フレイが夕食にファレスターを呼びに来るまで、夕方になっていたことに気付かないでいた。
「ファレスター、ご飯一緒に食べに行こ!」
「え、ご飯……?」ファレスターは窓を見やる。「もうこんな時間……?!」
日は傾き、部屋には夕陽が射し込んでいる。ファレスターがもう一度漫画へ視線を戻した時には、暗くて読みにくくなっていた。
「今行く!」
ファレスターはそう返事をし、表紙のカバーを栞に漫画を閉じると、急いで部屋を出た。
「そんな急がなくても大丈夫だよ。レストが先に席取ってくれてるはずだから♪」とフレイが優しく笑む。「それにしても、部屋で何していたの?」
「漫画を読んでて……」
言いかけて、ファレスターははっとした。漫画ばかり読んでいて、明日の準備をしていない。
「ど、どうしよう……明日の準備何もしてない……」
「明日の準備?」
「ほら、着替えとかお弁当とか準備しないと」
と言ってから、はて、海賊の船に乗るのに必要な物とはなんだろうか、とファレスターは考えた。よく考えれば、海賊船どころか、船に乗るのも初めてだ。
「食料は、サンジさんが用意してくれてるし、チョッパーが医療道具を揃えてるとは思うけど……そうだ! あとでおしゃれなお店に行って着替えの服一緒に見に行こうよ!」
「うん!」
ファレスターは頷いた。
確か、おしゃれなお店には鞄も並んでいたはずだ。鞄も持たずに船に乗る訳にはいかないだろう。
そうして、他愛もない話をしながら、ファレスターとフレイは食堂に着いた。食堂がやはり、一番人が多くて賑やかな場所だ。
本当にここは、色々な人や生き物がいる。思わずキョロキョロしちゃうと、角のある人や動物の耳がある人も見かけた。まるで、ファンタジーな世界に飛び込んで来たみたいだ。
「あ、ファレスターさん」
こっちこっち、と呼び掛ける声。
「やっほー、レスト!」
とフレイが手を振った先に、金髪の少年が手を振り返していた。……レストだ。
「こんにちは、レストさん!」
とファレスターが挨拶をすると、レストは目を細めた。
「こんにちは、ファレスターさん。席は取って置いたよ」
そう言ってレストは、場所取りに使っていたのだろう札をテーブルに上げた。
「ありがとう、レスト! 行こう、ファレスター!」
「うん!」
ファレスターはフレイに手を引かれてレストが場所取りをしていた席に腰を下ろした。