出発の準備2
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ファレスターが探していた麦わら海賊団についての本は何冊もあった。
その多くは、別の世界の言葉で訳したもの、といった感じで、背表紙を見る限り同じことを書いてあるだろう本ばかりだったが、ふと目についた先に、薄い本が数字順に並んであるものがあった。
それは、麦わら海賊団という文字は一文字もなく、ただ背表紙に「ONEPIECE」と書かれてあるものだった。
(ここはわ行の棚じゃないのに……)
ファレスターは不思議に思って手に取ると、それは小説や図鑑ではなく、漫画であることに気が付いた。ここは、漫画も置いてあるのか、とファレスターがページを開くと、読めない文字と見覚えのある人物が描かれていた。
ルフィだ。
白黒の漫画なので色までは分からないが、確かにその中のルフィは麦わら帽子をかぶり、華奢な体つきで時々明るくにぃっと笑う。
「ルフィだ……」
文字が読めないままさらにページを開くと、ハラハラドキドキする展開が広がり、時々笑いを取りながら冒険をしていく漫画に、ファレスターはどんどん目が離せなくなっていた。
「あの、ロゼッタさん……!」
自分が読める文字で書いてある漫画はあるのかと受け付けを見上げたファレスターだったが、ロゼッタの姿はない。
「ここにあるわよ」
「わぁ、ロゼッタさん?!」
ロゼッタはいつの間にか、ファレスターの反対側の隣に立っていた。足音もしなかったのでびっくりだ。
ロゼッタは驚いたファレスターの顔を見てくすくす笑った。からかわないでくださいよ、とファレスターがわざと膨れて見せると、ごめんなさいね、とロゼッタは謝った。
「貴方といると、退屈しないわ。不思議ね、会ったばかりなのに」とロゼッタは言った。「だからつい、驚かせたくなっちゃうのかも」
「チコ!」
そして背後から、チコがファレスターの頭の上に飛び乗る。ロゼッタとチコは見た目はまるっきり違うが、イタズラ好きなところは少し似ているかもしれない。
ファレスターは顔の筋肉を緩めた。
「まぁ、本気では怒ってないです。ちょっとびっくりしただけなので」
そのファレスターの言葉にロゼッタは本当にホッとした様子で、にこりと目を細めた。
「よかったわ。……これからも仲良くして欲しいから、イタズラも程々にしないとね」
「私も、仲良くしたいです!」
この図書室には何度もお世話になりそうだし。
「チコ!」
チコも! と言っているかのように、ふわりと宙を舞いながらファレスターの前でスピンをした。
穏やかな時間が、流れているようだった。
その多くは、別の世界の言葉で訳したもの、といった感じで、背表紙を見る限り同じことを書いてあるだろう本ばかりだったが、ふと目についた先に、薄い本が数字順に並んであるものがあった。
それは、麦わら海賊団という文字は一文字もなく、ただ背表紙に「ONEPIECE」と書かれてあるものだった。
(ここはわ行の棚じゃないのに……)
ファレスターは不思議に思って手に取ると、それは小説や図鑑ではなく、漫画であることに気が付いた。ここは、漫画も置いてあるのか、とファレスターがページを開くと、読めない文字と見覚えのある人物が描かれていた。
ルフィだ。
白黒の漫画なので色までは分からないが、確かにその中のルフィは麦わら帽子をかぶり、華奢な体つきで時々明るくにぃっと笑う。
「ルフィだ……」
文字が読めないままさらにページを開くと、ハラハラドキドキする展開が広がり、時々笑いを取りながら冒険をしていく漫画に、ファレスターはどんどん目が離せなくなっていた。
「あの、ロゼッタさん……!」
自分が読める文字で書いてある漫画はあるのかと受け付けを見上げたファレスターだったが、ロゼッタの姿はない。
「ここにあるわよ」
「わぁ、ロゼッタさん?!」
ロゼッタはいつの間にか、ファレスターの反対側の隣に立っていた。足音もしなかったのでびっくりだ。
ロゼッタは驚いたファレスターの顔を見てくすくす笑った。からかわないでくださいよ、とファレスターがわざと膨れて見せると、ごめんなさいね、とロゼッタは謝った。
「貴方といると、退屈しないわ。不思議ね、会ったばかりなのに」とロゼッタは言った。「だからつい、驚かせたくなっちゃうのかも」
「チコ!」
そして背後から、チコがファレスターの頭の上に飛び乗る。ロゼッタとチコは見た目はまるっきり違うが、イタズラ好きなところは少し似ているかもしれない。
ファレスターは顔の筋肉を緩めた。
「まぁ、本気では怒ってないです。ちょっとびっくりしただけなので」
そのファレスターの言葉にロゼッタは本当にホッとした様子で、にこりと目を細めた。
「よかったわ。……これからも仲良くして欲しいから、イタズラも程々にしないとね」
「私も、仲良くしたいです!」
この図書室には何度もお世話になりそうだし。
「チコ!」
チコも! と言っているかのように、ふわりと宙を舞いながらファレスターの前でスピンをした。
穏やかな時間が、流れているようだった。