出発の準備
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「やぁ、シェルロッタさん。遅くなってごめんね〜」
とマスターハンドは言いながら、クリスタルの裏から出てきた少女へふわりと近付いた。
淡いピンク色の髪をした少女は、頭には大きなリボン、かわいらしいカボチャパンツのような後ろから、黒い尻尾が生えていた。
「……猫……?」
どこか猫を連想するようなその姿に、ファレスターは思わず口をついてしまう。
シェルロッタと呼ばれる少女はくすりと笑い、失礼なことを言ってしまったとファレスターは慌てて言葉を繕った。
「す、すみません……! 猫みたいにかわいらしい方だなと……思って……」
「何を謝っているんだ?」シェルロッタはゆっくりとファレスターの前に近付いた。「私はシェルロッタ。このクリスタルの管理をしている」
毅然とした態度のシェルロッタを見、どうやらファレスターを悪くは思っていないようでホッとする。
「私は、ファレスターです……」
気を取り直し、ファレスターは自己紹介したが、まだ分からないことはたくさんあった。
なぜファレスターはここに連れてこられたのか、渡したいものとはなんなのか、この目の前のクリスタルはなんなのか……。
「シェルロッタさん、あれの準備は出来てる?」
マスターハンドが、シェルロッタにそう話し掛けている。ファレスターが目を上げると、シェルロッタが頷いているのが見えた。
「準備も何も、お前が欲しいと望むならいつでも出せるぞ」
と言うなり、シェルロッタはすっと手を軽く上げた。すると、シェルロッタの周りに突如小さなクリスタルがいくつも現れて、ファレスターは驚いて声をあげた。
「わぁ……! シェルロッタさんの周りから……!」
シェルロッタは得意気に、どこか悲しげにファレスターの方を向いて微笑んだ。
「ふむ、これが私の特技みたいなものだ」
「とてもきれいです……!」
ファレスターは素直な感想を述べた。
「ありがとう、ファレスター」とシェルロッタは言いながら、ファレスターに向かって拳を差し出した。「こんなに大きなクリスタルがあるからあまりありがたみは感じないだろうが……マスターハンドの指示もあるし、ファレスターにこれをやろう」
なんだろう、とファレスターが両手を出すと、ぽとりと硬い物が渡される。
見てみると、小さなクリスタルだった。
「ええ、私に……?! こんなきれいなものを……」
ファレスターの言葉は途切れた。ファレスターは、自分が持つにはふさわしくないと思うくらい、クリスタルは本当に美しく輝いていたのだ。
「大事に持ってて欲しいんだ、ファレスターさん」と言ったのはマスターハンド。「この世界のことも、クリスタルのことも、まだまだ分からないことだらけだけど、クリスタルには不思議な力を感じるんだ。ファレスターさんなら、その力を使いこなせる気がするよ〜♪」
この話し方からして、マスターハンドはどうも考え方が楽観的だ。「気がする」だけで、こんな美しく不思議なクリスタルを、自分が預かってもいいのだろうかとファレスターは少し不安だった。
「ふむ……」シェルロッタが唐突に話し始める。「元の世界から戻りたいのは、私も同じ気持ちなんだ。ファレスターも同じ気持ちなら、私も持っていて欲しいと思う」
シェルロッタは真っ直ぐとファレスターを見据えた。
ファレスターはその視線をみつめ返し、手の平のクリスタルへ視線を落とす。クリスタルが、ファレスターの瞳を映した。
元の世界に戻るためなら。
「ありがとうございます。私、頑張ります……!」
ファレスターはクリスタルを軽く握った。
とマスターハンドは言いながら、クリスタルの裏から出てきた少女へふわりと近付いた。
淡いピンク色の髪をした少女は、頭には大きなリボン、かわいらしいカボチャパンツのような後ろから、黒い尻尾が生えていた。
「……猫……?」
どこか猫を連想するようなその姿に、ファレスターは思わず口をついてしまう。
シェルロッタと呼ばれる少女はくすりと笑い、失礼なことを言ってしまったとファレスターは慌てて言葉を繕った。
「す、すみません……! 猫みたいにかわいらしい方だなと……思って……」
「何を謝っているんだ?」シェルロッタはゆっくりとファレスターの前に近付いた。「私はシェルロッタ。このクリスタルの管理をしている」
毅然とした態度のシェルロッタを見、どうやらファレスターを悪くは思っていないようでホッとする。
「私は、ファレスターです……」
気を取り直し、ファレスターは自己紹介したが、まだ分からないことはたくさんあった。
なぜファレスターはここに連れてこられたのか、渡したいものとはなんなのか、この目の前のクリスタルはなんなのか……。
「シェルロッタさん、あれの準備は出来てる?」
マスターハンドが、シェルロッタにそう話し掛けている。ファレスターが目を上げると、シェルロッタが頷いているのが見えた。
「準備も何も、お前が欲しいと望むならいつでも出せるぞ」
と言うなり、シェルロッタはすっと手を軽く上げた。すると、シェルロッタの周りに突如小さなクリスタルがいくつも現れて、ファレスターは驚いて声をあげた。
「わぁ……! シェルロッタさんの周りから……!」
シェルロッタは得意気に、どこか悲しげにファレスターの方を向いて微笑んだ。
「ふむ、これが私の特技みたいなものだ」
「とてもきれいです……!」
ファレスターは素直な感想を述べた。
「ありがとう、ファレスター」とシェルロッタは言いながら、ファレスターに向かって拳を差し出した。「こんなに大きなクリスタルがあるからあまりありがたみは感じないだろうが……マスターハンドの指示もあるし、ファレスターにこれをやろう」
なんだろう、とファレスターが両手を出すと、ぽとりと硬い物が渡される。
見てみると、小さなクリスタルだった。
「ええ、私に……?! こんなきれいなものを……」
ファレスターの言葉は途切れた。ファレスターは、自分が持つにはふさわしくないと思うくらい、クリスタルは本当に美しく輝いていたのだ。
「大事に持ってて欲しいんだ、ファレスターさん」と言ったのはマスターハンド。「この世界のことも、クリスタルのことも、まだまだ分からないことだらけだけど、クリスタルには不思議な力を感じるんだ。ファレスターさんなら、その力を使いこなせる気がするよ〜♪」
この話し方からして、マスターハンドはどうも考え方が楽観的だ。「気がする」だけで、こんな美しく不思議なクリスタルを、自分が預かってもいいのだろうかとファレスターは少し不安だった。
「ふむ……」シェルロッタが唐突に話し始める。「元の世界から戻りたいのは、私も同じ気持ちなんだ。ファレスターも同じ気持ちなら、私も持っていて欲しいと思う」
シェルロッタは真っ直ぐとファレスターを見据えた。
ファレスターはその視線をみつめ返し、手の平のクリスタルへ視線を落とす。クリスタルが、ファレスターの瞳を映した。
元の世界に戻るためなら。
「ありがとうございます。私、頑張ります……!」
ファレスターはクリスタルを軽く握った。