目覚めた先の世界
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いつものように自分のご飯を作り、なんとなく動画を見、そろそろ寝ようとベットに横になるファレスター。
一人暮らしも大変だな、とファレスターは思いながら眠りについた時、不思議な夢を見た。
「へぇ、この子が? 全然そうは見えないネ」
聞いたこともない声。
見上げると、そこには大きな白い手だけがこちらを見下ろすように宙に浮いていて、ファレスターは思わず尻もちをついた。
「あー、ごめんね。……ほら、クレイジーハンド。驚かせちゃったじゃないか」
どこから喋っているのか、大きな白い右手が、穏やかな口調でファレスターに話しかけてきた。
「誰だってこの姿はびっくりすると思うケド。マスターハンドだって俺とほとんど同じ姿してる癖に」
クレイジーハンドと呼ばれた大きな白い左手が、奇妙に指を振りながら、マスターハンドという大きな白い右手に言った。
「こんなところでケンカはやめなよぉ」
また別の声。
見るとそこには、黒い影のような色をした人、のような何かが立っていた。おでこと思われるところに「?」のマークがついているのが特徴的だった。
「ああ、そうだね。せっかくエコロが繋げてくれた世界の狭間の中で、ケンカはよくない。……そうだろう、クレイジーハンド」
マスターハンドはやはり穏やかに、ゆっくりと指を振りながらそう言った。
それに対し、クレイジーハンドは何か言いたげに考え込んでいる様子だったが、しばらくして、そうだな、と頷くような仕草を見せた。
ファレスターは、いきなりの状況で何がなんだかよく分からずにいた。だが、なぜか声すら出せなくて、ファレスターはただただその場で座り込んでいた。
「ねぇ」
また別の声が飛び、ファレスターは振り向いた。その声の主こそははっきりとした人の姿をしていて、ファレスターは安心感を覚えた。
その人物は、銀髪が外側に跳ねた美しい顔立ちをした男性で、すらりと背が高く、にこやかな笑顔でこちらをみつめていた。左目の下には三つの爪のようなマークが入っている人である。
「ね、ファレスターチャン。僕は白蘭って言うんだけど、ファレスターチャンがどうして世界の狭間にいるか分かってる?」
ファレスターは、目の前の銀髪男性の発言に酷く驚いた。
まず、初対面なのに名前を呼ばれたこと。そして、意味の分からない「世界の狭間」のこと……。
しかし、何か答えようにもファレスターは声が出せず、口をパクパクさせるだけで終わった。すると、さっきまでにこにこと微笑んでいた白蘭と名乗った男性が、うっすらと真顔になってマスターハンドたちへ目を向けた。
「ねぇ、どういうこと?」
「もしかしたら、こっちとそっちの世界では、言語が違うのかもしれないね」
白蘭の質問に対し、マスターハンドはそう答えてはいるが、そんなはずはない、とファレスターは思った。そちらの言葉が分かるのに、どうして自分の言葉が伝わらないのか。
「はん! お前のいつものアレでやってやればいいダロ? なぁ、創造神の化身さん?」
クレイジーハンドはやや荒々しい言葉でマスターハンドに言ったようだった。……しかし、ファレスターの中ではどんどんと謎が深まった。創造神の化身とはなんなのか。そもそも、ここは一体どこなのか。
ファレスターはそこでようやく、辺りを見回してみた。そこは、水の中のような、宇宙の中にいるかのような、形容しがたい空間の中をふわふわと浮いていた。
目を凝らせば流れ星が見える気もするし、気を抜けばただの水の泡ぶくを眺めているだけのように錯覚する、そんな謎の空間。
ファレスターは落ち着いて、彼らをもう一度見やった。喋る両手だけの存在と、人に近い影の姿をした何かと、銀髪の男性が、ファレスターを見つめ返していた。
「そろそろ、ここの空間も壊れそうだよぉ?」
エコロと呼ばれた影のような人が、なんとも気の抜けた声でマスターハンドに言っていた。
「仕方がない……あまり説明が出来なかったが、こちらの世界に来てもらうしかない。……それ!」
マスターハンドは大きく指を振った。
ファレスターはその指に向かって体が引っ張られた。何かに掴まろうとしたが、あいにく掴むものすらない。やがてファレスターは、その引力に逆らえずに吸い込まれていき……。
一人暮らしも大変だな、とファレスターは思いながら眠りについた時、不思議な夢を見た。
「へぇ、この子が? 全然そうは見えないネ」
聞いたこともない声。
見上げると、そこには大きな白い手だけがこちらを見下ろすように宙に浮いていて、ファレスターは思わず尻もちをついた。
「あー、ごめんね。……ほら、クレイジーハンド。驚かせちゃったじゃないか」
どこから喋っているのか、大きな白い右手が、穏やかな口調でファレスターに話しかけてきた。
「誰だってこの姿はびっくりすると思うケド。マスターハンドだって俺とほとんど同じ姿してる癖に」
クレイジーハンドと呼ばれた大きな白い左手が、奇妙に指を振りながら、マスターハンドという大きな白い右手に言った。
「こんなところでケンカはやめなよぉ」
また別の声。
見るとそこには、黒い影のような色をした人、のような何かが立っていた。おでこと思われるところに「?」のマークがついているのが特徴的だった。
「ああ、そうだね。せっかくエコロが繋げてくれた世界の狭間の中で、ケンカはよくない。……そうだろう、クレイジーハンド」
マスターハンドはやはり穏やかに、ゆっくりと指を振りながらそう言った。
それに対し、クレイジーハンドは何か言いたげに考え込んでいる様子だったが、しばらくして、そうだな、と頷くような仕草を見せた。
ファレスターは、いきなりの状況で何がなんだかよく分からずにいた。だが、なぜか声すら出せなくて、ファレスターはただただその場で座り込んでいた。
「ねぇ」
また別の声が飛び、ファレスターは振り向いた。その声の主こそははっきりとした人の姿をしていて、ファレスターは安心感を覚えた。
その人物は、銀髪が外側に跳ねた美しい顔立ちをした男性で、すらりと背が高く、にこやかな笑顔でこちらをみつめていた。左目の下には三つの爪のようなマークが入っている人である。
「ね、ファレスターチャン。僕は白蘭って言うんだけど、ファレスターチャンがどうして世界の狭間にいるか分かってる?」
ファレスターは、目の前の銀髪男性の発言に酷く驚いた。
まず、初対面なのに名前を呼ばれたこと。そして、意味の分からない「世界の狭間」のこと……。
しかし、何か答えようにもファレスターは声が出せず、口をパクパクさせるだけで終わった。すると、さっきまでにこにこと微笑んでいた白蘭と名乗った男性が、うっすらと真顔になってマスターハンドたちへ目を向けた。
「ねぇ、どういうこと?」
「もしかしたら、こっちとそっちの世界では、言語が違うのかもしれないね」
白蘭の質問に対し、マスターハンドはそう答えてはいるが、そんなはずはない、とファレスターは思った。そちらの言葉が分かるのに、どうして自分の言葉が伝わらないのか。
「はん! お前のいつものアレでやってやればいいダロ? なぁ、創造神の化身さん?」
クレイジーハンドはやや荒々しい言葉でマスターハンドに言ったようだった。……しかし、ファレスターの中ではどんどんと謎が深まった。創造神の化身とはなんなのか。そもそも、ここは一体どこなのか。
ファレスターはそこでようやく、辺りを見回してみた。そこは、水の中のような、宇宙の中にいるかのような、形容しがたい空間の中をふわふわと浮いていた。
目を凝らせば流れ星が見える気もするし、気を抜けばただの水の泡ぶくを眺めているだけのように錯覚する、そんな謎の空間。
ファレスターは落ち着いて、彼らをもう一度見やった。喋る両手だけの存在と、人に近い影の姿をした何かと、銀髪の男性が、ファレスターを見つめ返していた。
「そろそろ、ここの空間も壊れそうだよぉ?」
エコロと呼ばれた影のような人が、なんとも気の抜けた声でマスターハンドに言っていた。
「仕方がない……あまり説明が出来なかったが、こちらの世界に来てもらうしかない。……それ!」
マスターハンドは大きく指を振った。
ファレスターはその指に向かって体が引っ張られた。何かに掴まろうとしたが、あいにく掴むものすらない。やがてファレスターは、その引力に逆らえずに吸い込まれていき……。