戦う人形
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「え……」
思わぬ急展開にファレスターが言葉を詰まらせていると、傍らのレストがすぐに片手を取った。
「ファレスター、屋敷に戻ろう!」
「う、うん……!」
ファレスターの視界からでは人形の姿は見えてはいなかったが、レストに手を引かれて走り出そうとした。
わらわら……! と湧くように茂みから飛び出してくる複数の人形たち……。
突然のことで、ファレスターは足を止めてしまった。
人形は、継ぎ接ぎだらけの布と、色とりどりの毛糸で出来ていて、肩や足やら破けた箇所からは綿が飛び出していた。目は、ボタンで出来ていたり、プラスチックで出来ていたりと、見た目の個性はあるものの、全員が剣や棍棒などを手にし、こちらに敵意をむき出しであることは一目瞭然だった。
「人形が、動いているなんて……」
ファレスターは呟いた。正直、人形が襲ってくるという話はどこか信じていないところがあった。
「とにかく、今は屋敷に戻ろう……!」
とレストは、どこに隠し持っていたのか、二本の剣を取り出した。華奢で優しい笑みを見せるレストとは思えない程素早い構えだ。
「レスト、行くよ!」
と後ろから駆けつけてきたフレイも、いつの間にか片手に斧を持っていて、アイコンタクトを送りあったのち、二人は人形へと飛びかかった。
「キルア、オレたちもやろう!」
「ああ!」
あっけに取られていると、レストとフレイに続くように、ゴンとキルアも飛び出して人形を一蹴する。
「すごい……」
ファレスターはただただ呆然と彼らの交戦を眺めるばかりだった。
人形はあっという間に倒されて行ったが、まるで水が湧き出てくるかのように後から後から続けざまに出て来てはファレスターたちに襲いかかった。人形に言葉もなければ悲鳴もない。レストたちに倒されると、たちまちふわりと霧散して、跡形もなく消えてしまう。
「もう! ひつこいなぁ!」
と叫んだフレイは、疲労というより苛立ちを顔に出した。
その先ではレストが双剣で人形たちを倒しながら、不審そうに辺りを見回した。
「なんか、いつもより様子が違うような……」
とレストが呟いているのが聞こえた。
様子が違うと言われても、そもそも人形が動いている時点でおかしいと思うファレスターにとって、何が違うのか分からないまま、さっきからかばってくれているキルアの後ろに隠れた。
「オレから離れるなよ!」
キルアは、目にも止まらない速さで手刀を繰り出して人形を倒していきながらファレスターに言った。ファレスターは小さく頷いた。
「一気に行こう!」横で、ゴンがそう言った。「最初はグー……ジャンケン……グー!」
変わった呪文? を唱え始めたゴンは、その言葉通りジャンケンの構えをしながら、拳を突き出した。
見えない力が人形たちを一斉に倒し、屋敷への道が切り開かれた。
「走ろう!」
このパーティだとどうやらレストがリーダー的存在になるらしい掛け声と共に、ファレスターたちは走り出した……その直後だった。
「きゃあ?!」
ファレスターの手首を、誰かが強く掴んだのである。
思わぬ急展開にファレスターが言葉を詰まらせていると、傍らのレストがすぐに片手を取った。
「ファレスター、屋敷に戻ろう!」
「う、うん……!」
ファレスターの視界からでは人形の姿は見えてはいなかったが、レストに手を引かれて走り出そうとした。
わらわら……! と湧くように茂みから飛び出してくる複数の人形たち……。
突然のことで、ファレスターは足を止めてしまった。
人形は、継ぎ接ぎだらけの布と、色とりどりの毛糸で出来ていて、肩や足やら破けた箇所からは綿が飛び出していた。目は、ボタンで出来ていたり、プラスチックで出来ていたりと、見た目の個性はあるものの、全員が剣や棍棒などを手にし、こちらに敵意をむき出しであることは一目瞭然だった。
「人形が、動いているなんて……」
ファレスターは呟いた。正直、人形が襲ってくるという話はどこか信じていないところがあった。
「とにかく、今は屋敷に戻ろう……!」
とレストは、どこに隠し持っていたのか、二本の剣を取り出した。華奢で優しい笑みを見せるレストとは思えない程素早い構えだ。
「レスト、行くよ!」
と後ろから駆けつけてきたフレイも、いつの間にか片手に斧を持っていて、アイコンタクトを送りあったのち、二人は人形へと飛びかかった。
「キルア、オレたちもやろう!」
「ああ!」
あっけに取られていると、レストとフレイに続くように、ゴンとキルアも飛び出して人形を一蹴する。
「すごい……」
ファレスターはただただ呆然と彼らの交戦を眺めるばかりだった。
人形はあっという間に倒されて行ったが、まるで水が湧き出てくるかのように後から後から続けざまに出て来てはファレスターたちに襲いかかった。人形に言葉もなければ悲鳴もない。レストたちに倒されると、たちまちふわりと霧散して、跡形もなく消えてしまう。
「もう! ひつこいなぁ!」
と叫んだフレイは、疲労というより苛立ちを顔に出した。
その先ではレストが双剣で人形たちを倒しながら、不審そうに辺りを見回した。
「なんか、いつもより様子が違うような……」
とレストが呟いているのが聞こえた。
様子が違うと言われても、そもそも人形が動いている時点でおかしいと思うファレスターにとって、何が違うのか分からないまま、さっきからかばってくれているキルアの後ろに隠れた。
「オレから離れるなよ!」
キルアは、目にも止まらない速さで手刀を繰り出して人形を倒していきながらファレスターに言った。ファレスターは小さく頷いた。
「一気に行こう!」横で、ゴンがそう言った。「最初はグー……ジャンケン……グー!」
変わった呪文? を唱え始めたゴンは、その言葉通りジャンケンの構えをしながら、拳を突き出した。
見えない力が人形たちを一斉に倒し、屋敷への道が切り開かれた。
「走ろう!」
このパーティだとどうやらレストがリーダー的存在になるらしい掛け声と共に、ファレスターたちは走り出した……その直後だった。
「きゃあ?!」
ファレスターの手首を、誰かが強く掴んだのである。