夜の出来事
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愛とかはいらない
温もりだけがあればいいんだ♪
「……っ! すごい……」
あの、かすれたような声から出るとは思えない歌唱力と力強さに、ファレスターは素直に感想を漏らした。
歌い終えたIAはマイクを下ろし、乱れた長髪を整えないまま、再びファレスターをみつめた。大きな瞳に長いまつげ。服装は大人っぽいのに、可愛い顔をしているな、とファレスターはのんきにそう思った。
しかし、IAからとうとう言葉は出てくることはなく、エミリーが代わりに説明をしてくれた。
「IAは、ボーカロイドの世界から来た子でね。話すより歌うことが得意らしくて……気持ちを歌で伝えてくるのよ」
「気持ちを歌で……?」
それはそれでかっこいいな、とファレスターは思いながらIAを振り向くと、IAはその特性を不安に思っているのか、じっと見つめ返してくる。
ファレスターは、何も変なことじゃないですよ、と言いたかったが、言葉だけでは伝わらない気がして、迷った末、IAの両手を手に取った。
「あの……上手く言えませんが、かっこよかったです!」
それは本当に、心から思ったことだった。
すると、IAの顔からみるみる内に不安な色が消え、わずかに笑みを浮かべてくれた気がした。
IAはふわりと立ち上がった。
IAは、そのまま踵を返して走り去ってしまい、中庭を出る手前で一度こちらを振り返ったがやはり言葉はないまま、どこかへと去ってしまった。
「貴方が、救世主としてここに来た理由がよく分かった気がするわ」
「え?」
隣で、エミリーが意味深な言葉を呟いた。
「なんでもないわ。……さ、部屋に戻りましょう」
はい、とファレスターはエミリーに促されるまま自室へと戻って行ったが、IAの表情や仕草が、気になっていた。
もっといい言葉が掛けられたらよかったかなぁ?
ファレスターが一歩、この世界の救世主へと近付いているという自覚はないままに……。
温もりだけがあればいいんだ♪
「……っ! すごい……」
あの、かすれたような声から出るとは思えない歌唱力と力強さに、ファレスターは素直に感想を漏らした。
歌い終えたIAはマイクを下ろし、乱れた長髪を整えないまま、再びファレスターをみつめた。大きな瞳に長いまつげ。服装は大人っぽいのに、可愛い顔をしているな、とファレスターはのんきにそう思った。
しかし、IAからとうとう言葉は出てくることはなく、エミリーが代わりに説明をしてくれた。
「IAは、ボーカロイドの世界から来た子でね。話すより歌うことが得意らしくて……気持ちを歌で伝えてくるのよ」
「気持ちを歌で……?」
それはそれでかっこいいな、とファレスターは思いながらIAを振り向くと、IAはその特性を不安に思っているのか、じっと見つめ返してくる。
ファレスターは、何も変なことじゃないですよ、と言いたかったが、言葉だけでは伝わらない気がして、迷った末、IAの両手を手に取った。
「あの……上手く言えませんが、かっこよかったです!」
それは本当に、心から思ったことだった。
すると、IAの顔からみるみる内に不安な色が消え、わずかに笑みを浮かべてくれた気がした。
IAはふわりと立ち上がった。
IAは、そのまま踵を返して走り去ってしまい、中庭を出る手前で一度こちらを振り返ったがやはり言葉はないまま、どこかへと去ってしまった。
「貴方が、救世主としてここに来た理由がよく分かった気がするわ」
「え?」
隣で、エミリーが意味深な言葉を呟いた。
「なんでもないわ。……さ、部屋に戻りましょう」
はい、とファレスターはエミリーに促されるまま自室へと戻って行ったが、IAの表情や仕草が、気になっていた。
もっといい言葉が掛けられたらよかったかなぁ?
ファレスターが一歩、この世界の救世主へと近付いているという自覚はないままに……。