夜の出来事
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夜中の屋敷は、しんと静まり返っていて、通路に時折置かれた燭台に、火が灯っているだけだった。
「ここは驚くことがたくさんあると思うけど……きっとその内慣れるわ」
歩きながら、傍らのエミリーがそう言った。
「そうだといいんですが……」
とファレスターは答えながら、今日の出来事を色々と思い返していた。
ちょっと不気味な雰囲気を持つきれいな顔をした男性に、透明になれる能力、見たこともない植物や変わった病気を目の当たりにした一日に、ファレスターは異世界生活に不安が拭い切れないでいた。
「ゴリラや猿もここに住んでるのも驚きでした」
とファレスターが正直に言うと、そうね、とエミリーは頷いた。
「ゴリラや猿だけじゃないわ。ここにはもっと、人の姿以外のも住んでいて……」言いかけて、エミリーはふと視線を逸らした。「あら、あそこにいるのは誰かしら」
「え?」
ファレスターは不思議に思って、エミリーが覗く窓を見やった。
その窓からは、丁度、中庭が見えていて、一本の街灯の下にあるベンチに、誰かが座っていた。
「……あんなところで」
エミリーがぼそりと呟いた。
ファレスターのところからでは、暗がりの中庭にいる人がどんな人で何をしているかはよく見えなかった。エミリーは不意にこちらへ視線を投げてこう言った。
「ちょっと、付き合ってもらっていいかしら」
「……? はい……それは構わないですが……」
エミリーの本当の言葉の意味すらよく分からず、ファレスターは一緒に中庭へと降りて行った。
中庭は、朝見た時と違って、その顔も丸っきり変化していた。
夜の中発光している草や、昼間は蕾だった花、いたって普通の木に見えたそれも、夜の中見上げるとどこか不気味な感じがした。
「イア」
中庭のベンチに腰掛けている誰かに声を掛けたのはエミリーだった。
すると、ベンチに座っている人が、長い銀髪をふわりとなびかせながらこちらを振り向き、すぐにファレスターの存在に気が付いた。
「……っ誰……?!」
銀髪の人はすぐに立ち上がって後ずさった。声を聞く限り女性だったが……手にはなんと、カッターを持っているではないか!
「わ、私はファレスターです……!」
ファレスターが両手を前で広げながら答えている中、隣のエミリーは冷静だった。
「イア、そんなものを振り回すのはやめなさい」
「ここは驚くことがたくさんあると思うけど……きっとその内慣れるわ」
歩きながら、傍らのエミリーがそう言った。
「そうだといいんですが……」
とファレスターは答えながら、今日の出来事を色々と思い返していた。
ちょっと不気味な雰囲気を持つきれいな顔をした男性に、透明になれる能力、見たこともない植物や変わった病気を目の当たりにした一日に、ファレスターは異世界生活に不安が拭い切れないでいた。
「ゴリラや猿もここに住んでるのも驚きでした」
とファレスターが正直に言うと、そうね、とエミリーは頷いた。
「ゴリラや猿だけじゃないわ。ここにはもっと、人の姿以外のも住んでいて……」言いかけて、エミリーはふと視線を逸らした。「あら、あそこにいるのは誰かしら」
「え?」
ファレスターは不思議に思って、エミリーが覗く窓を見やった。
その窓からは、丁度、中庭が見えていて、一本の街灯の下にあるベンチに、誰かが座っていた。
「……あんなところで」
エミリーがぼそりと呟いた。
ファレスターのところからでは、暗がりの中庭にいる人がどんな人で何をしているかはよく見えなかった。エミリーは不意にこちらへ視線を投げてこう言った。
「ちょっと、付き合ってもらっていいかしら」
「……? はい……それは構わないですが……」
エミリーの本当の言葉の意味すらよく分からず、ファレスターは一緒に中庭へと降りて行った。
中庭は、朝見た時と違って、その顔も丸っきり変化していた。
夜の中発光している草や、昼間は蕾だった花、いたって普通の木に見えたそれも、夜の中見上げるとどこか不気味な感じがした。
「イア」
中庭のベンチに腰掛けている誰かに声を掛けたのはエミリーだった。
すると、ベンチに座っている人が、長い銀髪をふわりとなびかせながらこちらを振り向き、すぐにファレスターの存在に気が付いた。
「……っ誰……?!」
銀髪の人はすぐに立ち上がって後ずさった。声を聞く限り女性だったが……手にはなんと、カッターを持っているではないか!
「わ、私はファレスターです……!」
ファレスターが両手を前で広げながら答えている中、隣のエミリーは冷静だった。
「イア、そんなものを振り回すのはやめなさい」