図書室の不思議
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「キャー!」
悲鳴が聞こえて、瞬時に動き出したのは晶だった。
「大丈夫ですか?」
と晶が向かった先には、本の山に埋もれるエマの姿。
「全く……何をしているんだ」
あとからキドがやって来て、落ちている本を拾い始める。
「エヘヘ……高いところの本を取ろうとして転んじゃったなの」
エマは眉を吊り下げながら笑い、すくりと立ち上がる。
「怪我はないですか?」
とファレスターが遅れて駆け付けると、エマは大丈夫なの! となぜか得意気に胸を張り、一冊の本を手に取った。
「これ、面白いなの!」
とエマがファレスターに渡してきたのは、表紙に赤い帽子の描かれた本。この帽子、どこかで見たことあるな、と思っていると、晶が覗き込んできて、これは、と言葉を続けた。
「マリオさんの話ですね」と晶は言った。「マリオさん、色々な冒険をしているんです。読んでて面白いですよ」
「冒険を……?」
とファレスターは聞き返しながら、確かマリオたちは、スマッシュブラザーズという模擬戦闘試合の世界からやって来た、という話を思い出していた。
マリオたちは、模擬戦闘試合の他に、冒険をしていたのだろうか、とファレスターの頭の中は疑問だらけになりつつ、とりあえず、近場にあった椅子に腰を掛け、本を広げた。
「わ……」
見たこともない文字がずらりと並んでいる。
どうしよう、と途方に暮れて仲間たちを見やると、彼らはエマの散らかした本を片付けているところ。
本を変えてもらおう、とファレスターが再び本へと視線を戻した時、本の中身の文字が急に歪み始め、それは徐々に、ファレスターの読める文字へと変化していったのである。
「あの、これ……!」
どういうことなのか、とファレスターが思わず声を上げると、仲間たちよりも早く、あの不思議な生き物、チコが、ふわっと割り込んできた。
「チコチコ!」
空中をゆらゆらとし、何かを訴えるチコ。しかし、ファレスターにはチコの言葉が分からない。
「うふっ。チコは、本の読み聞かせをして欲しいそうよ」
と説明をしてくれたのは、ロゼッタだった。
カウンターから出てきたロゼッタは、やはり背が高く、長いドレスで足元がよく見えなかった。
ファレスターは戸惑いながら、チコへ目を向けた。星の形に大きな瞳だけがある謎の生き物。ファレスターは問い掛けた。
「本を読んで欲しいの?」
「チコチコ!」
チコは頷くかのように、空中で上下に揺れた。
ファレスターは本へ視線を落とす。とても読みやすい、きれいな文字が並んでいた。
「じゃあ、読むね……」
「チコ!」
少し緊張を覚えながら、ファレスターはマリオの本を読み始めた……。
悲鳴が聞こえて、瞬時に動き出したのは晶だった。
「大丈夫ですか?」
と晶が向かった先には、本の山に埋もれるエマの姿。
「全く……何をしているんだ」
あとからキドがやって来て、落ちている本を拾い始める。
「エヘヘ……高いところの本を取ろうとして転んじゃったなの」
エマは眉を吊り下げながら笑い、すくりと立ち上がる。
「怪我はないですか?」
とファレスターが遅れて駆け付けると、エマは大丈夫なの! となぜか得意気に胸を張り、一冊の本を手に取った。
「これ、面白いなの!」
とエマがファレスターに渡してきたのは、表紙に赤い帽子の描かれた本。この帽子、どこかで見たことあるな、と思っていると、晶が覗き込んできて、これは、と言葉を続けた。
「マリオさんの話ですね」と晶は言った。「マリオさん、色々な冒険をしているんです。読んでて面白いですよ」
「冒険を……?」
とファレスターは聞き返しながら、確かマリオたちは、スマッシュブラザーズという模擬戦闘試合の世界からやって来た、という話を思い出していた。
マリオたちは、模擬戦闘試合の他に、冒険をしていたのだろうか、とファレスターの頭の中は疑問だらけになりつつ、とりあえず、近場にあった椅子に腰を掛け、本を広げた。
「わ……」
見たこともない文字がずらりと並んでいる。
どうしよう、と途方に暮れて仲間たちを見やると、彼らはエマの散らかした本を片付けているところ。
本を変えてもらおう、とファレスターが再び本へと視線を戻した時、本の中身の文字が急に歪み始め、それは徐々に、ファレスターの読める文字へと変化していったのである。
「あの、これ……!」
どういうことなのか、とファレスターが思わず声を上げると、仲間たちよりも早く、あの不思議な生き物、チコが、ふわっと割り込んできた。
「チコチコ!」
空中をゆらゆらとし、何かを訴えるチコ。しかし、ファレスターにはチコの言葉が分からない。
「うふっ。チコは、本の読み聞かせをして欲しいそうよ」
と説明をしてくれたのは、ロゼッタだった。
カウンターから出てきたロゼッタは、やはり背が高く、長いドレスで足元がよく見えなかった。
ファレスターは戸惑いながら、チコへ目を向けた。星の形に大きな瞳だけがある謎の生き物。ファレスターは問い掛けた。
「本を読んで欲しいの?」
「チコチコ!」
チコは頷くかのように、空中で上下に揺れた。
ファレスターは本へ視線を落とす。とても読みやすい、きれいな文字が並んでいた。
「じゃあ、読むね……」
「チコ!」
少し緊張を覚えながら、ファレスターはマリオの本を読み始めた……。