賢者の助言
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赤い絨毯に磨かれた白い床、変わり映えない壁と天井を歩き続ける、ファレスターたち。
「本当、ここは広いですね……」
とファレスターが言うと、迷子になりそうですよね、と晶は頷いた。
「俺、ここに来て一ヶ月は経つんですが、まだ行ったことのない部屋も多くて」
「お部屋いっぱいなの〜」
とエマも言い、今度ここを探検するのも楽しいかもな、とファレスターはのんきに思った。
「ほら、着いたぞ」
先頭を歩いていたキドがこちらを振り向いて言った。深々とかぶったフードから、キドの長い髪が大きく揺れる。
「ここが図書室……」
図書室の扉は、焦げ茶色で、天使の彫刻が四隅に彫られてあった。上のほうには星型の小さめな磨りガラスの窓がついている。
と扉をじっくりと観察していたファレスターの前で、キドは気にする様子もなく図書室へと入っていった。あとからエマと晶が続き、ファレスターも慌てて中へ。
「わぁ……」
図書室に鎮座している多くの本に、ファレスターは声を漏らす。
「あら、こんにちは」
その時、ファレスターは横から声を掛けられた。
見ると、貸し借りの受け付け看板がぶら下がっているカウンターに、すらりと背の高い女性が立っていた。
「こんにちは、ファレスターです」
と名乗りながら、ファレスターは思わず、その女性の美しさに見取れてしまった。
長くツヤのある金髪は色白な肌をした女性の顔を半分隠し、見える片目は、まるでこの世のものとは思えない深い青い色をしていた。そして、ゆったりとした水色っぽいドレスを身につけ、時折キラキラと光沢を見せた。女性は、宇宙を人の形にしたような姿をしていた。
「私は、ロゼッタよ」と女性は名乗り、すっと細い腕を伸ばした。「この子はチコ」
「チコ!」
カウンターの影から、ぴょんっと現れたのは、星の形をした謎の生き物。
見たこともない生命体にファレスターが驚いていると、ロゼッタはくすくすと笑った。
「貴方の世界では、星の子はいないものね」
「……? 私の世界のこと、知っているんですか?」
ファレスターは不思議に思って訊ねると、ロゼッタは手元にあった本を見せてきた。
「今、貴方の世界のことを書いていたところよ」
「え……」
ロゼッタの言葉にファレスターがよく分からないでいると、隣に晶がやって来てこう言った。
「ロゼッタさんは、宇宙からやって来た人らしくて。俺たちのいた世界のことを、全て見通しているんです」
「そんなことが……」
ファレスターはロゼッタを見上げた。ロゼッタは、穏やかに笑みを返すだけだ。
魔法だけでも驚くことがたくさんの世界。なら、ロゼッタはここの世界のことも分かってはいるのではないだろうか。
ファレスターはそう口にしようとした時、悲鳴が聞こえた。
「キャー!」
「本当、ここは広いですね……」
とファレスターが言うと、迷子になりそうですよね、と晶は頷いた。
「俺、ここに来て一ヶ月は経つんですが、まだ行ったことのない部屋も多くて」
「お部屋いっぱいなの〜」
とエマも言い、今度ここを探検するのも楽しいかもな、とファレスターはのんきに思った。
「ほら、着いたぞ」
先頭を歩いていたキドがこちらを振り向いて言った。深々とかぶったフードから、キドの長い髪が大きく揺れる。
「ここが図書室……」
図書室の扉は、焦げ茶色で、天使の彫刻が四隅に彫られてあった。上のほうには星型の小さめな磨りガラスの窓がついている。
と扉をじっくりと観察していたファレスターの前で、キドは気にする様子もなく図書室へと入っていった。あとからエマと晶が続き、ファレスターも慌てて中へ。
「わぁ……」
図書室に鎮座している多くの本に、ファレスターは声を漏らす。
「あら、こんにちは」
その時、ファレスターは横から声を掛けられた。
見ると、貸し借りの受け付け看板がぶら下がっているカウンターに、すらりと背の高い女性が立っていた。
「こんにちは、ファレスターです」
と名乗りながら、ファレスターは思わず、その女性の美しさに見取れてしまった。
長くツヤのある金髪は色白な肌をした女性の顔を半分隠し、見える片目は、まるでこの世のものとは思えない深い青い色をしていた。そして、ゆったりとした水色っぽいドレスを身につけ、時折キラキラと光沢を見せた。女性は、宇宙を人の形にしたような姿をしていた。
「私は、ロゼッタよ」と女性は名乗り、すっと細い腕を伸ばした。「この子はチコ」
「チコ!」
カウンターの影から、ぴょんっと現れたのは、星の形をした謎の生き物。
見たこともない生命体にファレスターが驚いていると、ロゼッタはくすくすと笑った。
「貴方の世界では、星の子はいないものね」
「……? 私の世界のこと、知っているんですか?」
ファレスターは不思議に思って訊ねると、ロゼッタは手元にあった本を見せてきた。
「今、貴方の世界のことを書いていたところよ」
「え……」
ロゼッタの言葉にファレスターがよく分からないでいると、隣に晶がやって来てこう言った。
「ロゼッタさんは、宇宙からやって来た人らしくて。俺たちのいた世界のことを、全て見通しているんです」
「そんなことが……」
ファレスターはロゼッタを見上げた。ロゼッタは、穏やかに笑みを返すだけだ。
魔法だけでも驚くことがたくさんの世界。なら、ロゼッタはここの世界のことも分かってはいるのではないだろうか。
ファレスターはそう口にしようとした時、悲鳴が聞こえた。
「キャー!」