賢者の助言
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「あ、そこにいたんですね」
朝ごはんを食べ終えて、中庭を出ようとしたところに、ファレスターたちに声を掛けてくる人物がいた。
「ああ、晶か」
キドは目を上げ、黒髪の男性を見上げる。
「晶さん、さっきはありがとうございます」
とファレスターが言うと、晶は、大したことはしていないです、と謙遜しながら、一冊の本を見せてきた。
「あの、この世界のことは、俺もよく分からないのですが……これは、俺が書いた賢者の書です」
と晶が見せてくれたのは、星のような円陣が描かれたきれいな表紙の本で、厚さもなかなかあった。
「これは……?」
と問いながら賢者の書を開くと、見たこともない文字がずらりと並んでいてファレスターは驚いた。
「ここに、みなさんの好きなことや苦手なことが書いてあったり、出来事を書いているんですが……もしかして、文字読めないですか?」
ファレスターが頷くと、晶は感嘆な声を漏らし、こう言った。
「俺、日本語しか書けなくて……」と晶は申し訳なさそうな顔をしてから、そうだ、と何かを思いついた。「この屋敷の図書室なら、ファレスターさんにも読める本があるかもしれません」
「図書室……?」
とファレスターが首を傾げると、あの図書室か、とキドが口を挟んできた。
「あそこは、ロゼッタが管理していてな。他の人の歴史書や体験談をまとめているのが多くあるんだ」
「歴史書、エマ、読むの苦手なの……」
と言ったのはエマである。エマは少し悲しげだった。
「読みやすいものもあったと思いますよ。ここには絵師さんも多いですから、絵本もあったかも」
と晶が言うと、エマは途端に明るい顔を見せた。
「エマ、絵本読むなの!」
「待て待て。その話の流れだと、エマはファレスターと一緒に図書室に行くことになるが?」
エマの言葉に制止を入れるキド。しかしエマは、気にする様子なくきょとんとした。
「ダメなの?」
エマの視線は晶へ向く。
「ダメかどうかは、ファレスターさんに聞かないと……」
そして、晶とエマは、ファレスターへ視線を投げた。キドもこちらをみつめている。
「あ、えっと……賑やかなのは楽しいですし、みなさん一緒に行きましょ」
妙な緊張を感じながらファレスターがそう答えると、エマは嬉しそうに飛び跳ねた。
「やったなの! みんなと一緒に図書室なの!」
朝ごはんを食べ終えて、中庭を出ようとしたところに、ファレスターたちに声を掛けてくる人物がいた。
「ああ、晶か」
キドは目を上げ、黒髪の男性を見上げる。
「晶さん、さっきはありがとうございます」
とファレスターが言うと、晶は、大したことはしていないです、と謙遜しながら、一冊の本を見せてきた。
「あの、この世界のことは、俺もよく分からないのですが……これは、俺が書いた賢者の書です」
と晶が見せてくれたのは、星のような円陣が描かれたきれいな表紙の本で、厚さもなかなかあった。
「これは……?」
と問いながら賢者の書を開くと、見たこともない文字がずらりと並んでいてファレスターは驚いた。
「ここに、みなさんの好きなことや苦手なことが書いてあったり、出来事を書いているんですが……もしかして、文字読めないですか?」
ファレスターが頷くと、晶は感嘆な声を漏らし、こう言った。
「俺、日本語しか書けなくて……」と晶は申し訳なさそうな顔をしてから、そうだ、と何かを思いついた。「この屋敷の図書室なら、ファレスターさんにも読める本があるかもしれません」
「図書室……?」
とファレスターが首を傾げると、あの図書室か、とキドが口を挟んできた。
「あそこは、ロゼッタが管理していてな。他の人の歴史書や体験談をまとめているのが多くあるんだ」
「歴史書、エマ、読むの苦手なの……」
と言ったのはエマである。エマは少し悲しげだった。
「読みやすいものもあったと思いますよ。ここには絵師さんも多いですから、絵本もあったかも」
と晶が言うと、エマは途端に明るい顔を見せた。
「エマ、絵本読むなの!」
「待て待て。その話の流れだと、エマはファレスターと一緒に図書室に行くことになるが?」
エマの言葉に制止を入れるキド。しかしエマは、気にする様子なくきょとんとした。
「ダメなの?」
エマの視線は晶へ向く。
「ダメかどうかは、ファレスターさんに聞かないと……」
そして、晶とエマは、ファレスターへ視線を投げた。キドもこちらをみつめている。
「あ、えっと……賑やかなのは楽しいですし、みなさん一緒に行きましょ」
妙な緊張を感じながらファレスターがそう答えると、エマは嬉しそうに飛び跳ねた。
「やったなの! みんなと一緒に図書室なの!」