魔法と能力と自然
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「スノウとホワイトから、そう言われたんですか?」
ファレスターの言葉に、晶は驚きながら聞き返してきた。
「はい。……異世界から魔法で召喚された賢者って言ってて……」
とファレスターは答えながら、もしかして、人違いだったのだろうか、と不安になってきて声が途切れた。
しかし、晶はそんなファレスターの不安とは裏腹に、真剣そうに考える素振りを見せた。
「賢者と救世主は別物だよ」と口を挟んできたのは、オーエンだった。「つまり、この世界に救世主は存在しないし、ここもいずれは消滅する」
恐ろしいことを口にするオーエンにファレスターはぞっと寒気を感じながらも、好奇心からか、こう訊ねてしまった。
「消滅するって……どうして……?」
すると、オーエンは、何が面白いのかにやりと笑い、さらに言葉を続けた。
「君はおだてられているだけのただの見世物ってことだよ」
「私……」
ファレスターは何か言おうとしたが言葉が思うように出てこない。オーエンは目を見開き、ぐっと顔を寄せた。
「オーエン!」
晶の声だった。
「ファレスター、ちょっとこっちに来い」
何が起きたのか見るや否や、キドがそっとファレスターの手を引いた。
「オーエン、ほら、鼻にクリームがついてますよ」
「うるさい。救世主をどこにやった。僕は救世主と話していたのに」
晶はオーエンの鼻についているクリームをティッシュで拭き取り、その間にキドに手を引かれているファレスターは、食堂をあとにした。
食堂を出てすぐにキドはこちらを振り向いたが、何か様子がおかしくてファレスターは戸惑った。
「もう大丈夫だ、ファレスター」
とキドが言うや、瞳の色が赤から緑へと変化し、ファレスターは思わず声を漏らした。
「キドさん、瞳の色が……」
言いかけて、口をつぐむファレスター。カラーコンタクトなのだろうか、とファレスターはキドの目をじっと見据え、角度によって色が変わるのだろうかと首を傾けたりしたが、やはり、キドの瞳は緑色で、赤に変わることはなかった。
「ああ、瞳の色か」挙動不審なファレスターの言動を怪しむことなく、キドは言った。「俺たちメカクシ団は、みんなそれぞれ、瞳に能力を持っていてな。俺は、目を隠すって能力なんだ」
「目を隠す……それも、魔法なんですか……?」
とファレスターがおそるおそる訊ねると、キドは、さぁなと首をすくめた。
ファレスターはキドの能力を考え、さっきオーエンが言っていたことを思い返しながら、目を隠すという能力は、誰かを一時的に見えなくすることなのだと気が付いた。
「まぁ、目の色が変わる人間は怖いかもしれないが……」
「そんなことないです!」キドの言葉を遮って、ファレスターは声をあげた。「かっこいいと思います!」
少なくとも、あの状況からキドは助けてくれてる。
ファレスターは、キドは本当にいい人だと分かっていた。
キドは安心したように、クールに笑みを浮かべた。
「そうか、ならよかった」とキドは言った。「腹が減っただろ? 俺が今朝飯取ってくるから、中庭で一緒に食べよう。今日はとても天気がいいからな」
ファレスターの言葉に、晶は驚きながら聞き返してきた。
「はい。……異世界から魔法で召喚された賢者って言ってて……」
とファレスターは答えながら、もしかして、人違いだったのだろうか、と不安になってきて声が途切れた。
しかし、晶はそんなファレスターの不安とは裏腹に、真剣そうに考える素振りを見せた。
「賢者と救世主は別物だよ」と口を挟んできたのは、オーエンだった。「つまり、この世界に救世主は存在しないし、ここもいずれは消滅する」
恐ろしいことを口にするオーエンにファレスターはぞっと寒気を感じながらも、好奇心からか、こう訊ねてしまった。
「消滅するって……どうして……?」
すると、オーエンは、何が面白いのかにやりと笑い、さらに言葉を続けた。
「君はおだてられているだけのただの見世物ってことだよ」
「私……」
ファレスターは何か言おうとしたが言葉が思うように出てこない。オーエンは目を見開き、ぐっと顔を寄せた。
「オーエン!」
晶の声だった。
「ファレスター、ちょっとこっちに来い」
何が起きたのか見るや否や、キドがそっとファレスターの手を引いた。
「オーエン、ほら、鼻にクリームがついてますよ」
「うるさい。救世主をどこにやった。僕は救世主と話していたのに」
晶はオーエンの鼻についているクリームをティッシュで拭き取り、その間にキドに手を引かれているファレスターは、食堂をあとにした。
食堂を出てすぐにキドはこちらを振り向いたが、何か様子がおかしくてファレスターは戸惑った。
「もう大丈夫だ、ファレスター」
とキドが言うや、瞳の色が赤から緑へと変化し、ファレスターは思わず声を漏らした。
「キドさん、瞳の色が……」
言いかけて、口をつぐむファレスター。カラーコンタクトなのだろうか、とファレスターはキドの目をじっと見据え、角度によって色が変わるのだろうかと首を傾けたりしたが、やはり、キドの瞳は緑色で、赤に変わることはなかった。
「ああ、瞳の色か」挙動不審なファレスターの言動を怪しむことなく、キドは言った。「俺たちメカクシ団は、みんなそれぞれ、瞳に能力を持っていてな。俺は、目を隠すって能力なんだ」
「目を隠す……それも、魔法なんですか……?」
とファレスターがおそるおそる訊ねると、キドは、さぁなと首をすくめた。
ファレスターはキドの能力を考え、さっきオーエンが言っていたことを思い返しながら、目を隠すという能力は、誰かを一時的に見えなくすることなのだと気が付いた。
「まぁ、目の色が変わる人間は怖いかもしれないが……」
「そんなことないです!」キドの言葉を遮って、ファレスターは声をあげた。「かっこいいと思います!」
少なくとも、あの状況からキドは助けてくれてる。
ファレスターは、キドは本当にいい人だと分かっていた。
キドは安心したように、クールに笑みを浮かべた。
「そうか、ならよかった」とキドは言った。「腹が減っただろ? 俺が今朝飯取ってくるから、中庭で一緒に食べよう。今日はとても天気がいいからな」