不思議な朝
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「ファレスター、あまりあいつの言葉に飲まれるなよ」
「……? 大丈夫ですよ、キドさん」
キドの含みある言い方を不思議に思いながらファレスターが厨房に向かうと、サンジとネロが出てきた。
「ファレスターちゅわああん♡ 今日もお美しいです♡」
サンジはいつもこうなのか、体をふにゃふにゃさせながらファレスターの周りを駆け巡った。
「厨房で走り回るなよ……」とため息をついたのはネロ。「で、あんたは、ホイップクリームを作るのか? 手伝おうか?」
気だるそうな声で話し掛けながら、ネロはうっすらと笑みを浮かべた。
「えっと、ボウルとかどこにあるか教えて頂けると嬉しいです」
「了解」
ファレスターの言葉にネロはそう返事をするや否や、ボウルだけではなく、泡立て器や材料まで手早く用意してくれた。彼は、恐らくプロの料理人なのだろう、とファレスターはすぐに分かった。
「ねぇ、早くしてよね」
目を上げれば、オーエンが、白髪をゆらりと揺らしながらカウンター席に座っている。ドンキーコングとディディーコングの姿はすでになく、さらにはキドも厨房から見えなくなっていて、どうしたんだろう、とファレスターは不思議に思った。
とにかく、約束だし、今はホイップクリームを作らなくては、とネロに助言をしてもらいながらファレスターが泡立て器を振っていると、おいこら、とサンジが割り込んで来た。
「一人でファレスターちゃんを独占しようとするな!」
「別に俺は、独占しようとは思っちゃいねぇよ」
感情表現豊かなサンジとは真逆のネロは、無愛想に目を逸らしながら半歩後ずさった。
「サンジさん、何か上手く泡立てるコツはありますか?」
ネロは何も悪くないと助け舟を出そうと言ったファレスターの言葉に、サンジははぁい! とまた体をくねくねさせながらも的確なアドバイスを頂き、なんとか、ボウルの中にめいっぱい泡立ったホイップクリームが出来上がった。
「オーエンさん……」
どうぞ、と言い切らない内に、オーエンはファレスターからボウルを奪うように取り上げた。その態度にサンジは炎が吹き出るくらい怒ったが、オーエンは何食わぬ顔で、ボウルの中のホイップクリームに指を入れた。
そして、ぺろりと指を舐め、一瞬だけ目を見開いたかと思いきや、再び素手でホイップクリームを掬っては、無心になって頬張り始めた。
「あの、お味は……」
「最悪」
何も言わないオーエンを不安に思いながらファレスターが訊ねると、行動とは全く違うことを言い出してどきりとする。
「あの、なら作り直しを……」
「取らないでよ」
ファレスターがボウルを取ろうとすると、オーエンは倍の力で引き寄せて離そうとしない。
言葉と行動がまるで反対なオーエンにファレスターが首を傾げていると、パタパタと食堂に駆けつけてくる足音が聞こえて顔を上げた。
「……? 大丈夫ですよ、キドさん」
キドの含みある言い方を不思議に思いながらファレスターが厨房に向かうと、サンジとネロが出てきた。
「ファレスターちゅわああん♡ 今日もお美しいです♡」
サンジはいつもこうなのか、体をふにゃふにゃさせながらファレスターの周りを駆け巡った。
「厨房で走り回るなよ……」とため息をついたのはネロ。「で、あんたは、ホイップクリームを作るのか? 手伝おうか?」
気だるそうな声で話し掛けながら、ネロはうっすらと笑みを浮かべた。
「えっと、ボウルとかどこにあるか教えて頂けると嬉しいです」
「了解」
ファレスターの言葉にネロはそう返事をするや否や、ボウルだけではなく、泡立て器や材料まで手早く用意してくれた。彼は、恐らくプロの料理人なのだろう、とファレスターはすぐに分かった。
「ねぇ、早くしてよね」
目を上げれば、オーエンが、白髪をゆらりと揺らしながらカウンター席に座っている。ドンキーコングとディディーコングの姿はすでになく、さらにはキドも厨房から見えなくなっていて、どうしたんだろう、とファレスターは不思議に思った。
とにかく、約束だし、今はホイップクリームを作らなくては、とネロに助言をしてもらいながらファレスターが泡立て器を振っていると、おいこら、とサンジが割り込んで来た。
「一人でファレスターちゃんを独占しようとするな!」
「別に俺は、独占しようとは思っちゃいねぇよ」
感情表現豊かなサンジとは真逆のネロは、無愛想に目を逸らしながら半歩後ずさった。
「サンジさん、何か上手く泡立てるコツはありますか?」
ネロは何も悪くないと助け舟を出そうと言ったファレスターの言葉に、サンジははぁい! とまた体をくねくねさせながらも的確なアドバイスを頂き、なんとか、ボウルの中にめいっぱい泡立ったホイップクリームが出来上がった。
「オーエンさん……」
どうぞ、と言い切らない内に、オーエンはファレスターからボウルを奪うように取り上げた。その態度にサンジは炎が吹き出るくらい怒ったが、オーエンは何食わぬ顔で、ボウルの中のホイップクリームに指を入れた。
そして、ぺろりと指を舐め、一瞬だけ目を見開いたかと思いきや、再び素手でホイップクリームを掬っては、無心になって頬張り始めた。
「あの、お味は……」
「最悪」
何も言わないオーエンを不安に思いながらファレスターが訊ねると、行動とは全く違うことを言い出してどきりとする。
「あの、なら作り直しを……」
「取らないでよ」
ファレスターがボウルを取ろうとすると、オーエンは倍の力で引き寄せて離そうとしない。
言葉と行動がまるで反対なオーエンにファレスターが首を傾げていると、パタパタと食堂に駆けつけてくる足音が聞こえて顔を上げた。