ひととき
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「あのー、そこで何をして……」
ファレスターは着替えもしないまま、廊下に出て二人に声を掛けた。
「あれれ〜?! 見たことない人だー!」
と元気な声を上げたのは女の子。その隣で、男の子が文字の書いたプラカードのようなものをかがけた。
「初めまして、私はファレスターで……」
ファレスターが最後まで言い切る前に、女の子はさらに話続けた。
「あ、そっか! 救世主さんの部屋はこっちだったのかー!」と女の子。「びっくりさせたかったのに、失敗しちゃった!」
一方で、男の子は前髪で隠した目で、ファレスターをじっと見据える。何か言いたそうだが、喋ろうとする気配はない。
「私、もう充分びっくりしてるけど……」
何を言われていたのか分からないが、ファレスターはすでに驚いていた。彼女たちには、明らかに足がないのだ。
まるで仮装してるかのような白いマントを羽織っているだけかと思ったのだが、やはり、何度見ても彼女たちには足がない。その代わりというのか、マントの下からうっすらと青い何かが渦を巻いていた。
「びっくりしたなら大成功だね! ね、レイくん!」
「……うん」
「えっと、それならよかったです……?」
ファレスターが訳も分からずそう返事した途端、彼女たちはふわっとどこかへ立ち去って行ってしまった。
「なんだったんだろう……」
とファレスターが呟いた後、そういえば隣はキドさんの部屋だったなと思い出し、さっきの幽霊のような人物に何かされたのだろうかと、扉をノックしようとした。
「も、もう、いないか……?」
「わ、キドさん!」
「あ、ああ、ファレスターか」
と部屋から出てきたのはキドだったのだが、顔色が悪いように見えた。
「あの……大丈夫です……?」
ファレスターは心配になって訊ねたが、キドは大丈夫だと一点張り。とりあえず着替えてくると部屋に戻り、再び廊下に出ると、またもやそこに知らない女の子が立っていて、キドと何やら話し込んでいた。
「あ、この子が救世主さん?」と知らない女の子は話しかけてきた。「初めまして! 私、如月桃だよ! みんなには、モモって呼ばれてるよ〜」
「初めまして、私はファレスターです」
と名乗りながら、ファレスターはモモをよく見てみた。明るい茶色をした髪の毛に、何か文字が書かれたパーカーを来ていた。そして、よかった。足がある人間のようである。
「さっき、ここにお化けが出たんだって?」
「え」
モモがそう訊いてきて一瞬言葉を飲むファレスター。まさか、彼女たちは本当に幽霊だったのだろうか……?
「やめろよ、モモ。あいつらはお化けなんかじゃ……」
とモモの隣でキドは言うが、やはり顔色は青ざめているように見える。
「確か、ユウちゃんとレイくんって言ってたような……」
ファレスターが思い出しながらそう答えると、やっぱり来てたんだ、とモモはこう言葉を続けた。
「ユウちゃんとレイくんは……っていうか、ユウちゃんの方がね、誰かをびっくりさせるのが好きで……」とモモは話す。「それで、大丈夫だった?」
「びっくりはしましたけど、特に他には何も……」
「団長さんのことだよ!」
「え?」ファレスターはモモとキドを交互に見つめた。「団長さんって、キドさんのことですか……?」
モモはこくりと頷いた。
ファレスターは着替えもしないまま、廊下に出て二人に声を掛けた。
「あれれ〜?! 見たことない人だー!」
と元気な声を上げたのは女の子。その隣で、男の子が文字の書いたプラカードのようなものをかがけた。
「初めまして、私はファレスターで……」
ファレスターが最後まで言い切る前に、女の子はさらに話続けた。
「あ、そっか! 救世主さんの部屋はこっちだったのかー!」と女の子。「びっくりさせたかったのに、失敗しちゃった!」
一方で、男の子は前髪で隠した目で、ファレスターをじっと見据える。何か言いたそうだが、喋ろうとする気配はない。
「私、もう充分びっくりしてるけど……」
何を言われていたのか分からないが、ファレスターはすでに驚いていた。彼女たちには、明らかに足がないのだ。
まるで仮装してるかのような白いマントを羽織っているだけかと思ったのだが、やはり、何度見ても彼女たちには足がない。その代わりというのか、マントの下からうっすらと青い何かが渦を巻いていた。
「びっくりしたなら大成功だね! ね、レイくん!」
「……うん」
「えっと、それならよかったです……?」
ファレスターが訳も分からずそう返事した途端、彼女たちはふわっとどこかへ立ち去って行ってしまった。
「なんだったんだろう……」
とファレスターが呟いた後、そういえば隣はキドさんの部屋だったなと思い出し、さっきの幽霊のような人物に何かされたのだろうかと、扉をノックしようとした。
「も、もう、いないか……?」
「わ、キドさん!」
「あ、ああ、ファレスターか」
と部屋から出てきたのはキドだったのだが、顔色が悪いように見えた。
「あの……大丈夫です……?」
ファレスターは心配になって訊ねたが、キドは大丈夫だと一点張り。とりあえず着替えてくると部屋に戻り、再び廊下に出ると、またもやそこに知らない女の子が立っていて、キドと何やら話し込んでいた。
「あ、この子が救世主さん?」と知らない女の子は話しかけてきた。「初めまして! 私、如月桃だよ! みんなには、モモって呼ばれてるよ〜」
「初めまして、私はファレスターです」
と名乗りながら、ファレスターはモモをよく見てみた。明るい茶色をした髪の毛に、何か文字が書かれたパーカーを来ていた。そして、よかった。足がある人間のようである。
「さっき、ここにお化けが出たんだって?」
「え」
モモがそう訊いてきて一瞬言葉を飲むファレスター。まさか、彼女たちは本当に幽霊だったのだろうか……?
「やめろよ、モモ。あいつらはお化けなんかじゃ……」
とモモの隣でキドは言うが、やはり顔色は青ざめているように見える。
「確か、ユウちゃんとレイくんって言ってたような……」
ファレスターが思い出しながらそう答えると、やっぱり来てたんだ、とモモはこう言葉を続けた。
「ユウちゃんとレイくんは……っていうか、ユウちゃんの方がね、誰かをびっくりさせるのが好きで……」とモモは話す。「それで、大丈夫だった?」
「びっくりはしましたけど、特に他には何も……」
「団長さんのことだよ!」
「え?」ファレスターはモモとキドを交互に見つめた。「団長さんって、キドさんのことですか……?」
モモはこくりと頷いた。