<なかなか面白いものだったぞ！>
　怪鳥がそこに着地するなり、その背中から降りてきたのはフィーだった。
｢なっ、面白ェだろ！｣
　フィーに対し、なっはっはっと笑うルフィ。なんだかよく分からないが、あの骨の鳥を手なずけたということだけはファレスターにも分かった。
｢よぉうし！　次は上に行こう、ファレスター！｣
｢え……｣
　ルフィはファレスターに向かって手を差し伸ばした。
　上、がどこなのか一瞬困惑したファレスターだったが、フィーが、遺跡の頂上に何かあったんだぞ、と付け足してくれたおかげで、このピラミッドの上であることがすぐに分かった。
｢すごいな、ルフィ！｣
｢だろー？｣
　怪鳥を手なずけたルフィに感動しながら、まずはチョッパーがその鳥の背中に飛び乗った。
｢ここでは本当に、予想外のことが起きるぜ｣
　次にはソニックが怪鳥の背中に乗り、フェイタンも何も言わずに乗り出した。
　そうして何人も怪鳥に乗ったというのに、まだまだ人が乗れる程背中が広かった。
｢さぁレディ、手を出しな！｣
　意外にも、ソニックが丁寧に手を伸ばしてくれて、ファレスターが怪鳥に乗るのを手伝ってくれた。
　口調からややナルシストさを感じるソニックだが、紳士な一面にやや緊張を覚えながら、ファレスターも怪鳥の背中によじ登った。
｢行くぞ、面白鳥！｣
　そうしてみんなが乗ると、ルフィは怪鳥に合図をした。
　怪鳥はゆっくりと羽ばたき、それでいて強い風を巻き起こしながら、あっという間に空を飛んだ。
　骨しかない鳥が、なぜ飛べるのか仕組みはよく分からないが、足元がこんなに地面から離れていることに、ファレスターはちょっと怖くなった。
｢大丈夫か？｣
　前のソニックが、ファレスターの心境に気付いたのかそう訊ねてきた。
｢は、はい……でもちょっと……｣
　見下ろせば、やはり高い。目が眩みそうだ。
｢大丈夫だぜ。もし落ちたら、オレが音速で助けに行くからな｣
　とソニックはウインクした。
｢ふふ……ありがとうございます、ソニックさん｣
　ソニックは安心させるように言ってくれたのだとファレスターは思った。ソニックはさらに言葉を続けた。
｢ノンノン！　オレはソニックでいいぜ？　堅苦しい言葉はお互いなしだ｣
｢うん、分かった、ソニック｣
　そうして、ソニックとの仲が深められた頃。
<遺跡の上が見えてきたぞ！>
　前方のフィーが叫んだ。