守られし場所
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<それはいいアイデアじゃないか!>
すぐさま賛成してくれたのは、フィーだった。
「まぁ、こうして喋っているだけじゃ、時間を無駄にするからな」
考え込む仕草をしながら、ソニックも頷く。
「でも、どうやて登るね?」
フェイタンが冷ややかに問い掛ける。見る限り階段らしきものが見当たらない。
<こんなに高い建物なんだから、階段くらいあるはずだろ?>とフィーは楽観的に言った。<ほら、こんな目立つところに階段があるじゃないか!>
そう指す方向には、確かに階段があった。内側にある階段で雨風に晒されることはなかったのか、外観以上には崩れていることも少なく、上がれそうである。
「あー、そこは……」
しかし、進もうとしないソニック。一方のフェイタンは無表情に、階段を上がるフィーを見送るばかり。
ファレスターの中で、一つの勘が浮かんだ。
「フィー、上がっちゃだめ!」
<え?>
ガタン! と大きな音がした。
ファレスターが叫んだ時にはフィーは既に階段を数段上がっていた。フィーがファレスターの声で立ち止まったものの、次の瞬間には階段が消え、一気に坂へと変化したのだ。
急な坂にフィーは転び、ファレスターは急いで受け止めようとしたがフェイタンに首根っこを掴まれて動けなかった。
「何をするんですか!」
とファレスターが暴れるも虚しく。フェイタンは冷静にこう言った。
「あれを見てみるね」
「え……?」
ファレスターはおそるおそるそちらを見やると、突如現れた棘だらけの床に、フィーが串刺しになっていたのだ。
「フィー!」
ファレスターはフェイタンの手を振りほどいて駆けつけた。棘の床はすぐに引っ込んだが、フィーの体は穴だらけとなり、中から綿がこぼれ出して動かなかった……。
<ふぅ、びっくりしたぞ……>
「フィー、大丈夫なの?!」
ファレスターはおそるおそるフィーを抱えようとした。ところがフィーは、何食わぬ顔で立ち上がり、肩の土埃をぽんぽんと叩いた。
<おれは人形だからな。この罠に掛かるのがおれでよかったぞ>
「でも、体から綿が……」
ファレスターは破れた腰に手を伸ばそうとしたが、フィーは大丈夫だと言って自分で綿を体の中に仕舞い込んだ。
「人形ってそういうものなのか……?」
と後ろでソニックが呟いている中、ガコンとまた音が聞こえ、ファレスターが振り向くと、先程あった棘の床が凹んでいくのが見えた。
いや、違う、落とし穴になったのだ!
「簡単な罠ね」
「いや、でも、あの棘の床をなんとかかわしても、落とし穴に落ちるってことですよね……?!」
冷静なフェイタンにファレスターはそう言い、坂になった真下の落とし穴をよく見てみた。侵入者は絶対に許さないということなのだろう。
「こうなると……上に登るのはやっぱ外壁からってことなのか……?」
とソニックは言ったが、目の前のピラミッドは崖のようにそびえ立っていて、登ろうにも普通の人間には不可能に思えた。
<人形でも、空は飛ぶことは出来ないぞ>
なんて冗談っぽくフィーは言ったが、状況は変わらない。
「あの、私……」
このままでは何も進展がないままなんじゃないか、と考えたファレスターは、自分を置いて先に行っていいと言おうとした。ソニックとフェイタンとフィーなら、きっとピラミッドの上に登ることが出来ると思ったからだ。
「おーい!」
その時だった。
どこからか聞き覚えのある声が聞こえ、ファレスターは目を上げた。
すぐさま賛成してくれたのは、フィーだった。
「まぁ、こうして喋っているだけじゃ、時間を無駄にするからな」
考え込む仕草をしながら、ソニックも頷く。
「でも、どうやて登るね?」
フェイタンが冷ややかに問い掛ける。見る限り階段らしきものが見当たらない。
<こんなに高い建物なんだから、階段くらいあるはずだろ?>とフィーは楽観的に言った。<ほら、こんな目立つところに階段があるじゃないか!>
そう指す方向には、確かに階段があった。内側にある階段で雨風に晒されることはなかったのか、外観以上には崩れていることも少なく、上がれそうである。
「あー、そこは……」
しかし、進もうとしないソニック。一方のフェイタンは無表情に、階段を上がるフィーを見送るばかり。
ファレスターの中で、一つの勘が浮かんだ。
「フィー、上がっちゃだめ!」
<え?>
ガタン! と大きな音がした。
ファレスターが叫んだ時にはフィーは既に階段を数段上がっていた。フィーがファレスターの声で立ち止まったものの、次の瞬間には階段が消え、一気に坂へと変化したのだ。
急な坂にフィーは転び、ファレスターは急いで受け止めようとしたがフェイタンに首根っこを掴まれて動けなかった。
「何をするんですか!」
とファレスターが暴れるも虚しく。フェイタンは冷静にこう言った。
「あれを見てみるね」
「え……?」
ファレスターはおそるおそるそちらを見やると、突如現れた棘だらけの床に、フィーが串刺しになっていたのだ。
「フィー!」
ファレスターはフェイタンの手を振りほどいて駆けつけた。棘の床はすぐに引っ込んだが、フィーの体は穴だらけとなり、中から綿がこぼれ出して動かなかった……。
<ふぅ、びっくりしたぞ……>
「フィー、大丈夫なの?!」
ファレスターはおそるおそるフィーを抱えようとした。ところがフィーは、何食わぬ顔で立ち上がり、肩の土埃をぽんぽんと叩いた。
<おれは人形だからな。この罠に掛かるのがおれでよかったぞ>
「でも、体から綿が……」
ファレスターは破れた腰に手を伸ばそうとしたが、フィーは大丈夫だと言って自分で綿を体の中に仕舞い込んだ。
「人形ってそういうものなのか……?」
と後ろでソニックが呟いている中、ガコンとまた音が聞こえ、ファレスターが振り向くと、先程あった棘の床が凹んでいくのが見えた。
いや、違う、落とし穴になったのだ!
「簡単な罠ね」
「いや、でも、あの棘の床をなんとかかわしても、落とし穴に落ちるってことですよね……?!」
冷静なフェイタンにファレスターはそう言い、坂になった真下の落とし穴をよく見てみた。侵入者は絶対に許さないということなのだろう。
「こうなると……上に登るのはやっぱ外壁からってことなのか……?」
とソニックは言ったが、目の前のピラミッドは崖のようにそびえ立っていて、登ろうにも普通の人間には不可能に思えた。
<人形でも、空は飛ぶことは出来ないぞ>
なんて冗談っぽくフィーは言ったが、状況は変わらない。
「あの、私……」
このままでは何も進展がないままなんじゃないか、と考えたファレスターは、自分を置いて先に行っていいと言おうとした。ソニックとフェイタンとフィーなら、きっとピラミッドの上に登ることが出来ると思ったからだ。
「おーい!」
その時だった。
どこからか聞き覚えのある声が聞こえ、ファレスターは目を上げた。