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守られし場所

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色んな世界の住民たちと触れ合うことになる女の子です
色んな世界の住民たちと触れ合うことになる男の子です

「あ、あの!」空気を変えたくて、ファレスターは声を出した。「み、見て下さい! 遺跡の壁に、何か書いてあると思いません?」
 それはファレスターがフィーに出した下手な助け舟だったが、お喋りなソニックが、ああ、そうだな、と会話を続けてくれた。
「多分、ここの世界の言葉だろうな。オレには全く読めないが」
 フェイタンもこちらを向き、目を細める。彼が何も言わない辺り、フェイタンもこの世界の言葉が読めないということだろう。
<オレも読めないぞ。もしかしたら、古い文字なのかもしれないけどな>
 とフィーもこちらにやって来てそう言った。
 古い文字……。
 ファレスターは、もう一度壁の文字を見やった。自分がとっさに振った話題だったが、こうして落ち着いてよく見てみると、かすれたりしている記号のような文字は、古代文字のように思えた。
「考古学者のロビンさんなら分かったかも……」
 ファレスターの頭はだんだんと冴えてきていた。もしかして、今すべきことは、砂の遺跡の調査ではなく、麦わら海賊団と合流することではないのか。
「麦わら海賊団の中には、古い文字が読める人がいます。もしかしたら、その人なら読めるかも……」
「海賊? ああ、そういえば、聞いた話じゃ、あの屋敷には二組の海賊がいるんだってな」ファレスターの言葉に、ソニックは思い出しながらそう言った。「異世界から飛ばされて来た者同士だからここまで協力してるけど、海賊って言葉はいいイメージがないな」
 確かに、とファレスターは思った。海賊と言えば、凶悪で恐ろしいというイメージもファレスターの中にはあったが、麦わら海賊団は、それとは全くの正反対であることを知っていた。
「いいイメージ? 青いハリネズミも存在自体が怪しいね」
 と言ったのは、フェイタンだった。ソニックはすぐに、自分のことだと気付いたようだ。
「悪かったな、青いハリネズミで。音速で走ったらこうなったんだから仕方ないだろ」
 仕方ないだろとは、どういうことなのか。そもそもハリネズミは、音速で走ったら青くなるものなのか、ファレスターもどこかでは疑ってはいた。
<それを言うなら、喋る人形だって怪しいんじゃないのか?>今度はフィーが間に割って入った。<今はそうやってケンカしてる場合じゃないんだろう? 古代文字が読める仲間を探すのか?>
「そ、そうですよ! 今は麦わら海賊団を探しましょう!」
 ファレスターはそう言いながら、海での出来事を思い出していた。
 あの荒波と怪物の中、自分だけがここに流れ着いて助かったとは思いたくなかった。きっと、彼らだってどこか近くにいるのではないか。
 ファレスターは辺りをキョロキョロと見回し、砂の遺跡の頂上に目がついた。
「高いところに登ったら、探しやすくなりますかね?」
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