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夕暮れ、ユリは軍議が終わり先に自宅に帰る道中、辺りが霧に包まれ周りの景色が全く見えなくなった。

なんだか嫌な予感がしながらもゆっくりと歩を進める。
しばらくして霧が薄くなり辺りの景色が見えてくるとユリはまた知らない世界に来てしまったのかと愕然とする。

しかし近代的な建物に少しホッとしつつも、周りは見た事もない魔物に溢れていた。

ユリは武器を構えつつ様子を見る。

どうやら魔物達は1人の男性と戦っているようだ。

一瞬、男性はユリに気付き目があった。

ユリは逆から魔物達を攻撃し、男性に加勢する事にした。


荀攸「助かりました。あなたは?」

ユリ「ユリといいます。帰宅途中に迷子になってしまって‥。ここは日本でしょうか??」

荀攸「なるほど、貴方もですか。私も用事で出掛けていたら貴方と同じく、知らない場所に迷い込んでしまったみたいです。」

ユリ「お名前を伺っても?」

荀攸「ああ、申し遅れました。荀攸です」

ユリ「荀攸さん、さっきの変な魔物みたいな連中は何なんですか?」

荀攸「さっきの連中は私をオロチ軍に来いと勧誘して来た連中です。」

ユリ「オロチ軍?」

荀攸「ええ、全く聞いた事もないので」

ユリ「断ったら襲って来たんですね、酷い連中ですね」

荀攸「ええ、しかしこのままでは途方にくれてしまいますね‥」

ユリ「あのショッピングモール電気付いてますね。あそこなら食糧も確保出来るかもしれませんよ」

荀攸「しょっぴんぐもーるとは?」

ユリ「色んなお店が並ぶ複合施設です。行ってみませんか?」

荀攸「ええ‥」

ユリ「変な敵がいなきゃ良いけど‥」


ユリと荀攸はショッピングモールの駐車場を通ると荀攸は車や自転車を不可解な物を見る目で見ていた。

ユリ「あれは車です。使えたら移動は馬より便利ですよ。」

荀攸「詳しいですね」

ユリ「とにかく先に中に入って何か食べませんか?私お腹空いちゃって‥」

荀攸「ええ」

ユリは手早く食べれるファーストフードの厨房を借りてセットを作って荀攸の待つテーブルに持って行った。

荀攸「これは?」

ユリ「荀攸さん、これおしぼり良かったら使って下さい。手を拭くように。少し先の未来では箸などを使わなくて手軽に安く、美味しく食べれる物が沢山あるんですよ。これは代表的なメニューでハンバーガーとポテトとコーラです。食べてみて下さい。美味しいですよ?」

荀攸はハンバーガーを一口食べてみた。

荀攸「美味しい」

荀攸が美味しく食べてくれたのを見てユリはホッとする。

ユリ「荀攸さん、1つ確約が欲しいんですが‥」

荀攸「ええ、分かっていますよ。貴方とは敵対するつもりはありません。」

ユリ「私が蜀の人間だって分かってたんですか?」

荀攸「ええ、魏に貴方の様な方は見た事がないので‥しかし、貴方は私の知らない物や建物に随分詳しい。それにこの食事も」

ユリ「それは‥私が未来から来た人間だから‥」

荀攸「やはりそうなんですね」

ユリ「未来って言っても国もたぶん私の知る歴史の世界と荀攸さん達の生きる世界とは繋がりはないと思う‥」

荀攸「‥‥」

ユリ「何でこんな事になっちゃうのかな‥?」

荀攸「帰りたいですか?」

ユリ「え?」

荀攸「貴方の生きる本来の世に」

ユリ「それが‥不思議と今は思わなくて‥」

荀攸「どうしてです?」

ユリ「ずっと自由が欲しかったからかな‥蜀になる前、私が法正様に仕える前は不安だったし、帰りたいって思ってたけど。前から放浪旅がしたいって思ってとから‥。あ、でも帰り方が分かるなら一度は戻って家族とか仲間に会いたい。」

荀攸「貴方の居た世はどんな感じなんですか?このショッピングセンターという建物を見る限りかなり便利で豊かな印象を受けますが」

ユリ「確かに比較的にならないぐらい便利で豊かだよ。なんせ戦もないし、治安も良いし。」

荀攸「それはまさに理想的ですね。」

ユリ「それより荀攸さんはこれからどうしますか?」

荀攸「俺はとりあえず洛陽を目指します。貴方は?」

ユリ「私はせっかくなのでしばらく放浪します。」

荀攸「益州に戻らないんですか?」

ユリ「もし法正様達が危うい状況なら戻ります。でも簡単に死ぬような人じゃないので。」

荀攸「それなら俺も付き合います」

ユリ「良いんですか?」

荀攸「ええ、俺がいなくても、うちの殿も簡単に死ぬお方ではないので。それに俺も貴方と旅をしてみたい。」

ユリ「ありがとうございます、荀攸殿。よろしくお願いします」

荀攸「ええ」

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