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ジェラシックワールド


ユリ達が建物内に入ると法正は器用に電線を修復し終えていた。

法正「こんな感じで良いですかね?」

ユリ「法正さん、さすがです!」

法正「ん?荀攸‥あいつまで来たのか‥」

ユリ「法正さんも彼と知り合いですか?なら‥郭嘉の事もご存知でしょうか?」

法正「ええ、よく知ってるというわけでもありませんが。郭嘉といえば魏の軍師。荀攸殿も曹操に仕えていた。俺らの世で知らない奴は居ません」

ユリ「そうですね」

法正「しかし気に入らないのは奴が貴方の世話役になった事。本来は俺が行くはずだったんですがね」

ユリ「どういう事ですか?」

法正「‥‥」

荀攸「法正殿、あまりユリ殿を困らせないように。郭嘉殿といい貴方も困った方だ。」

ユリ「電気は元に戻りました。ご飯の準備して来ますね。」

ユリは淡々と説明を終えて厨房へ向かった。
法正と荀攸はユリを見送ると向き合う。

法正「んで。お前は何しに此処へ来た?まさかジジイに頼まれてユリを迎えに来たとでも?」

荀攸「察しが良いですね。」

法正「お前にも見えるだろ?ユリに付き纏うあの化け物。司馬懿殿、曰く死神らしい」

荀攸「死神?では、郭嘉の話しは本当に‥」

法正「それにユリを連れ帰ろうにも次元の歪みが激し過ぎる。」

荀攸「はい‥しばらくは難しいでしょう。出来れば早めに連れ帰れたら良いのですが‥」

法正「何を急いでるんです?」

荀攸「法正殿‥この事はあまり他言したくないのですが‥実は‥」

法正「‥‥」


🍙


ユリ「食事の支度が出来ました。」

法正「ああ‥」

荀攸「ありがとうございます」

小麦粉、缶詰、調味料、水耕栽培機に葉物野菜があった為、それなりの料理が完成した。

文鴦「美味しい!」

直政「ユリ殿は料理上手なんですね」

ユリ「お口に合ったなら良かったです。皆さんがどのぐらい食べるかによりますが、食糧は見た感じ1、2週間ぐらいなら持つと思います。」

死神「ちぇ‥りんごはねーのかよ〜」

ユリ「はぁ‥」

趙雲「ユリ殿、どうかしましたか?」

ユリ「え?あ、何でも‥」

文鴦「あの‥ユリ殿の横に居るのは‥」

直政「恐竜ではないのか?」

吉継「恐竜は言葉を喋るのか?」

ユリ「恐竜の方がまだ可愛いですよね‥。見えてるみたいだから自己紹介したら?デューク」

デューク「ああん?やっぱ見えてんのか!オレの力はもうそこまで弱くなっちまったのか!」

ユリ「‥‥」

法正「さっきまでは居なかったよな?貴様、何故ユリに付き纏っている?」

法正は不機嫌な表情でデュークに問い掛ける。

デューク「おお、怖い怖い。そんなの決まってるだろ?ユリの最後を見届ける為にわざわざ来てやったんだ。」

直政「最後?」

趙雲「まるでユリ殿の死を見届けに来たみたいな言い方だな」

司馬懿「こやつは死神。まさにその通りなのだろ。」

趙雲「司馬懿殿、何故そんなに落ち着いているんです?ユリ殿が心配ではないのですか?」

吉継「趙雲殿、落ち着け。この死神はユリの居た世界と関わりがあるのだろ?それに心配せずとも司馬懿殿だ。手は既に打ってあるんだろ?」

司馬懿「フ、さすがは吉継。見通していたか」

荀攸「司馬懿殿がそう言うなら安心ですね」

法正「まぁせいぜい期待していますよ」

デューク「あん?なぁ、ユリ、コイツら何を言っているんだ?」

ユリ「さぁ?ちょっと管制室に行って来ます」

ユリは自分の食器類を厨房室に片付け、部屋を出て行った。


直政「それにしても死神が付き纏うとは‥縁起が悪いな‥」

文鴦「ユリの居た世はどんな世何でしょうか?」

司馬懿「うむ‥それについては荀攸、御主が郭嘉から聞き及んでいるのだろ?」

荀攸「はい‥」

荀攸はユリの居た世界について説明する。

趙雲「その様な恐ろしい事が‥」

直政「文字だけで人を?そんな事が‥⁉︎」

荀攸「デスノートと言う本来、死神が持つ物だそうです」

法正「しかしあの郭嘉がそのノートやらで殺される様な真似をしますかね?」

司馬懿「うむ‥。相手がそれ以上の知謀を持っていた可能性もあろう」

荀攸「詳しい真相はユリ殿から聞くしかありませんが‥。しかし、何故ユリ殿は‥」

直政「自ら名前を書き命運を決めるなど、ダメだ、ダメ過ぎる」

吉継「きっとユリは戦っていたのだろ?そうしないといけない何かと。あまりユリを責めないでやれ。ユリも書くのは辛かったはずだ」

荀攸「ええ‥」

文鴦「そうですね、ユリ殿は立派に未知の脅威と闘いそして勝ったのです!正に英雄ですね!」

法正「ま、書いてしまったものは仕方ない。司馬懿殿、ユリが死んだ後はまたあんたに託すしか無さそうなんでね。せいぜい期待していますよ」

司馬懿「全くお前は昔からそのぶそんな態度は相変わらずよ」


管制室、ユリはパソコンを起動して外の様子から世界中の状況を調べていた。

ユリ「‥‥」

法正「こんな所にいましたか」

ユリ「‥‥」

しかし、ユリはパソコンの画面に釘付けで、法正に返事をしない。

法正はユリが釘付けになって見ている、パソコンを覗く。

するとパソコンの画面は街中の人々は恐竜に襲われ酷い状況で、アメリカの軍隊が恐竜を撃退しているシーンなどが流れ、ニュースキャスターが現状を詳しく説明していた。


荀攸「もしやこれがテレビという物ですか?」

ユリ「はい。」

法正「酷い有様ですね。島を抜けても安全な場所があるのか‥」

ユリ「今、デュークに日本がどんな状況か確認しに行ってもらってます。」

法正「あの死神を随分と信用していますね」

ユリ「信用なんてしてませんよ」

荀攸「では、何故あの者に行かせたんです?」

ユリ「デュークがリンゴを食べたいって煩かったからですよ。」

荀攸「りんご?」

ユリ「デュークの大好物なんです。」





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