このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

ジェラシックワールド

大木を降りる前、司馬懿は懐から小刀をユリに差し出した。

司馬懿「護身用に持っておくが良い」

ユリ「ありがとうございます。」

ユリは司馬懿から小刀を受け取った。龍の模様が装飾されかなり立派な小刀だった。

大木を降りて歩く事1時間。

時々現れる恐竜も3人の強い男達が勇敢に倒してくれるので、ユリは安心して進む事が出来た。

趙雲「少しこの辺りで休憩にしないか?」

趙雲はユリの為に休憩を提案する。

法正「別に構いませんよ」

司馬懿「何だ?もう限界か?」

男3人は仲が良いのかよくわからない。ユリはぼんやりそんな風に感じていた。

司馬懿と趙雲が言い合いを始めたのを他所に、ユリは何か物置の様な物が見え、吸い寄せられるようにゆっくりと近づいて行く。

そんな行動をとるユリを法正は見過ごすはずもなく、ユリの後を追う。

法正「何処へ行くんです?」

ユリ「あっ す、すみません!」

法正「別に謝罪など結構。何処へ行こうとしてたんです?」

ユリ「あそこです。」

法正はユリの指差す方を見ると、巨木の木のツタに隠れた小屋の様な物が確かに見えた。

法正「1人で行くのは危険ですよ。ま、喰われて良いなら止めませんがね。」

法正は小屋の方へと歩き出した。

ユリ「ま、待ってください!私も行きます!」

趙雲「お、おい!何処へ行くんだ?」

ユリと法正の後を趙雲と司馬懿も追う。

ユリと法正は小屋の前にたどり着いた。

法正は小屋の前に塞がる木のツタにを退かした。

ユリは小屋の扉の埃を手で払う。するとアルファベット文字が現れた。

法正「見た事の無い文字だが、読めるか?」

ユリ「ジェ ラ シック  パーク ?」

法正「?」

ユリ「‼︎」

ユリはやっとこの島の正体に気づき、驚く。

趙雲「ユリ殿?」

ユリは倉庫の扉を開いた。

ユリ「もしかして私達、物語の中に居るの???」

趙雲「物語とは?」

ユリ「ジェラシックパークっていう物語があるんです。その物語もこんな島が舞台で、ある老人が、科学の技術を利用して恐竜を蘇らせるんです」 
  
趙雲「老人が?いったい何の為に?」

ユリ「動物園みたいにするためです」

趙雲「動物園?」

ユリ「動物園ってそちらの世界では無いですか?世界中の珍しい動物が集まってそれを見て楽しむ場所です。私達の世界では珍しくないですが‥」

趙雲「いや、俺は知らないな‥しかし動物を見せ物にするなど‥」

司馬懿「それで、そのジェラシックパークとやらの話しの中にいる事が事実なら、この島にその爺さんが居るのか?」

ユリ「いえ、物語は4話ぐらいあるんですが、ジェラシックパークの創設者のお爺さんはもう亡くなってるはずです。」

司馬懿「何だ。恐竜にでも喰われたか?」

ユリ「とりあえずこの島から出たいですよね?」

司馬懿「突然だ」

ユリ「船は危険だし‥やっぱり救助を呼ぶしか‥」

ユリは倉庫の扉を開けた。

倉庫には古びた自動車が置かれていた。

司馬懿「何だこれは?乗り物の様に見えるが?」

ユリ「自動車です。みんなでこれに乗って移動しませんか?直せたらの話しですけど‥」

司馬懿「異論はない。では私と趙雲殿で外を見張ろう。」

司馬懿と趙雲は外に出て行く

ユリは車のエンジンルームを開き、修理に取り掛かった。

法正「先ほど救助を呼ぶと言っていましたが、この島からどうやって連絡を取るつもりで?」

修理をする手に法正の手が重なり、ユリの耳元で低音ボイスで尋ねる。

ユリ「‼︎」

ユリは大学入るまで女子校育ち、男性に免疫がない為、びっくりして固まる。

法正「‥‥」

ユリ「あ、あの‥法正さん心臓に悪いです」

法正「おや、失礼。」

ユリ「電気が使えれば、何処か連絡が取れると思います。」

ユリは修理を終えると倉庫の棚にある武器やオイルを車に積む。

ブォーン‥‥!

車のエンジン音が鳴り響く。

ユリ「乗ってください」

法正と趙雲が後ろの席へ、運転するユリの横に司馬懿が乗り出発した。

司馬懿「はっはっはっ‥中々愉快な乗り物だな。」

ユリ「お気に召されたようで何よりです^^;」

数分で目的地に到着した。









2/4ページ
スキ