はじまり
駒欄ユリ24歳。
彼女は父の影響で自衛隊に入隊し、若いながらも出世をする。
彼女の父親は自衛隊の花形とも言えるブルーインパルスの操縦士だった。
ユリも父親のようにブルーインパルスの操縦士を目指し、日々厳しい訓練に耐えて来たが、配属先は思いもよらぬ場所だった。
ユリ「まさか偵察部隊に配属になるなんて‥」
偵察部隊に女性は居ない。ユリが初の異例配属だった。
彼女は中国に向かう為、船に乗っていた。
ユリ「なんだか雲が怪しいなぁ‥」
波が激しくなりユリは身を構える。
そしてなんとか陸に上がり森へ入った直後の事だった。
黒い渦に消えると共にユリの意識もなくなって行った。
【中国 2○○年】
ユリは益州がまだ食になっていない時代に来ていた。
運良く、益州の農家に保護されしばらく居座る事になった。
農家の長男が益州の兵士に士官する為、ユリは手合わせの相手をしていた。
そして、農家の家族から強く薦められ一緒に士官する事になった。
配属先は法正が率いる部隊だった。
法正は益州の主人、劉璋に仕えるが余りにも器が小さく。見限る事にした。
そこへ自分の部隊で信頼のおけそうな者を選別する。
「ここもいつか戦になりそうだな」
「ああ、その為に訓練はしておかないと」
ユリ「じゃあ、組手誰か付き合ってよ」
「嫌だよ、お前強すぎるし」
ユリ「えー」
ユリはつまんなそうにしていると、背後から声を掛けられる。
法正「俺が相手をしてやろうか?」
ユリ「!」
「「法正様」」
ユリ「良いんですか?」
法正「ええ、ちょうど暇で、鬱憤も溜まっているので、手加減はしませんが」
ユリ「勿論、構いません。よろしくお願いします!」
「お、おい!ユリ、大丈夫か?」
ユリ「大丈夫だってば!法正様、せっかくなので広い場所でやりましょう!」
法正「ええ」
ユリは嬉しそうに馬を2頭連れて、平原へと掛けて行く。
そして法正と対峙し、真剣勝負に挑む。
ユリの武器は仙人から貰った武器が握られている。
周りに強い相手がいなかったので、この期に武器を使いこなす練習をしようとしていた。
法正の手には布、ユリは少し不思議な顔をする。
ユリ「法正様の武器って変わってますね。」
法正「ええ、油断していると大怪我しますよ」
ユリは武器を構え、法正に突進する。
カキンッ‥カッ‥バシッ‥
武器同士がぶつかる音が響く。
法正「‥‥ほぉ、やりますね。」
法正は自分の部下にこれ程の武勇を身につけて居る者がいた事に驚く。
しかし、法正にはある企みがある。その企みを成功させる為にはユリは失いたくない。そんな気持ちになっていた。
ユリ「!‥イタタ‥」
法正「なるほど、貴方はまだその武器を使いこなせていないようですね」
ユリ「はい‥その為に修行したいのですが、中々機会がありませんでした」
法正「確かに貴方の周りでは俺以外に相手は務まらないでしょうね」
ユリ「はい!そうなんです!だからありがとうございます、法正様!」
ユリは純粋に法正に感謝の言葉を述べる。
何刻か経過した頃、ユリの部隊仲間が心配で見に来ていた。
「スゲェ‥」
法正とユリの闘いに釘付けになる。
法正「今日はここまでだ。」
ユリ「イタタ‥法正様強すぎます‥でも、色々と指南ありがとうございました。また、お願いしたいです」
法正「ええ、この乱世、何が起こるか分かりません。それでも私に従うのなら構いませんよ。貴方には見所がありますからね」
ユリ「勿論、付いて行きます!」
「ユリが付いて行くなら俺も!」
ユリ「!いつの間に‥てか、お前優柔不断じゃん」
「そんな事ねぇよ!」
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